カリンニコフ:交響曲第1番、第2番【聴いてみよう】Kalinnikov Symphony No.1 in G Minor, Symphony No. 2 in A Major

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カリンニコフ:交響曲第1番【YouTube】

カリンニコフ:交響曲第1番 ウラジミール・フェドセーエフ フランス放送フィル 2007年3月10日コンサートの模様です。たっぷりと歌っている良い演奏です。Vladimir Fedoseyev Orchestre Philharmonique de Radio France 出典:YouTube Kalinnikov: Symphony No. 1 – Orchestre Philharmonique de Radio France/Fedoseyev (2007)
Wahnfried

カリンニコフ:交響曲第1番と第2番【名盤・おすすめ】

テオドレ・クチャル ウクライナ国立交響楽団 😘

カリンニコフ:交響曲第1番 テオドレ・クチャル ウクライナ国立交響楽団 1994年
Kalinnikov:Symphony No.1 in G Minor Theodore Kuchar Ukraine National Symphony Orchestra

なんと耳障りの良い楽曲なのでしょう。さらさらと音が流れ出てきます。少し残響が多めですが、そんなことおかまいなしに爽やかに歌謡風フレーズが心地良く聞えます。金管は奥の方からたっぷり響き、ハープや木管が綺麗に聞えます。シンとした静寂の夜に、ふんわりした小雪が舞っているかのような感じです。ヤルヴィさんの演奏とは異なり、静謐な感じが、より一層感じられ、オーボエのソロが白眉です。

幾分、薄めの響きですが、おとなしく落ち着いた演奏で、女性的で、控えめな舞曲になっています。第3楽章で、ティンパニーが入ってきますが、少し盛りあがりには欠けるかも。速い弦のパッセージは、残響の多さのため濁りがち。コテコテのロシア臭い演奏ではなく、綺麗でサラサラした演奏で、木綿のような雰囲気の旋律美です。クチャルさんの演奏には、軽やかさ爽やかさがあり、分離された旋律が、綺麗に収まります。第2楽章は、特にこの演奏の風情に合っている気がします。出典:YouTube Kalinnikov Symphony No.1 in G Minor National Symphony Orchestra of Ukraine – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ネーメ・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 😋

カリンニコフ:交響曲第1番 ネーメ・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 1987年
Kalinnikov: Symphony No.1 in G Minor Neeme Järvi Royal Scottish National Orchestra

N・ヤルヴィさんの演奏は、意外とさっぱりしています。(思ったほどではなかった)分厚い金管の響きで、コテコテの演奏だと予想していたのですが、柔軟で、しなやかな演奏です。哀愁の漂うヴァイオリンの旋律から始まり、フルートが絡んできたところから、爽快な気持ちが、いっきに広がります。

草原に立っているかのような雰囲気で、金管、ヴィオラ、ヴァイオリンが続きます。都合4回だと思いますが、同じ旋律を奏でて、フレーズの定着が行われ、あとは流れにまかせて流れていく心地良さが感じられます。ヴァイオリンの主題がメインになって、金管の響きがスパイス的に使われています。まるで、大河ドラマの主題曲みたいに聞こえてしまうのですが、覚えやすい旋律なので、気づかないうちに口ずさんでいたりしますね。

第2楽章は、ハープの小さな音が刻まれ、オルゴールに耳を澄ましている雰囲気があります。ヴァイオリンの甘い旋律が始まると、小春日和、暖かい陽ざしのよううな気持ちになって、思わず頬が緩みます。縁側で寝る猫みたいな気分でしょうか。

第3楽章は、弦のピチカートで、リズミカルな合奏が行われます。木管がリズムよく刻まれ、民族的な舞踏の世界へ。金管と弦部で奏でられるシンプルな旋律です。オーボエ、ピッコロが聞えて、テンポアップしたり、弦のユニゾンもあって力強いですね。無骨で男性的な楽章ですが、メランコリックな要素も含まれたいます。同じ旋律を、多くの楽器で一斉に合奏する部分が多く、格好良く決まっています。

第4楽章は、最初に聴いた爽やかな主題が登場し、スピードアップします。チューバ、トロンボーン、トランペットのパッセージが短く、キッパリ吹かれています。のびやかで艶やかな弦の響きと、タメて、大円団を締めくくる勢いがあります。トライアングルの音も綺麗に入っており、低音域の響きも頃合いでバランス良く聞えます。前2楽章は可愛い旋律、後2楽章は金管が活躍する雄渾な楽曲です。出典:YouTube Kalinnikov Symphony No.1 in G Minor ネーメ・ヤルヴィ – トピック Provided to YouTube by PIAS

ヴェロニカ・ドゥダロワ ロシア交響楽団 🤔

カリンニコフ:交響曲第1番 ヴェロニカ・ドゥダロワ ロシア交響楽団 1992年
Kalinnikov: Symphony No.1 in G Minor Veronika Dudarova The Symphony Orchestra of Russia

ドゥダロワさんは女性の指揮者です。音響も演奏も、一本調子という感じで、サクサクと無機質的に進んでいくので驚きました。歌わないのか~ ちょっとがっかりです。出典:YouTube Symphony No. 1 in G Minor Russian State Symphony Orchestra – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

エフゲニー・スヴェトラーノフ ソ連国立交響楽団 🤩

カリンニコフ:交響曲第1番 エフゲニー・スヴェトラーノフ ソ連国立交響楽団 1975年
Kalinnikov: Symphony No.1 in G Minor Evgeny Svetlanov USSR State Symphony Orchestra

スヴェトラーノフさんの演奏があるとは、驚きました。なにげに、YouTubeを探索しているとリコメンドしてくれて~ あららっ! はい、コンドラシンさんの演奏を見つけた時に、おおっ! スヴェトラさんやぁ~(大阪弁)狂喜乱舞状態に。正直この雄渾な演奏には驚かされました。というのも、カリンニコフの交響曲に初めて出会ったのは、ナクソスから出ていたクチャル盤だったのです。あの若々しい、さらっとした風のような演奏が、イメージといて定着しているのです。

で、次に聴いたN・ヤルヴィ盤の演奏に、う~ん、クチャルさんの演奏をベースにしちゃうと、誰だって、あの演奏より重い、厚いという感想になると思います。でも、その迷い、スヴェトラさんの演奏で、完全にぶっ飛びました。スヴェトラーノフさんの演奏は、かなり雄渾です。ここぞっという時に炸裂するパワーは、カリンニコフの楽曲でさえ、やっちゃえーっ! いっちゃえーっ!なんです。

ロシアの匂いがプンプンする金管の咆哮、炸裂と言えば、多分、クラシックを聴き進んでおられるかたには、わかっていただける言葉だと思います。これが正しいのかどうかわかりません。でも、確信を持って突き進む、右か左か迷う上司ではなく、こっちやー!いくでーっ!という決め打ちの上司の方が、みんなついて行きますよね。ハイ、そんな感じの演奏でした。猛烈なスピードで駆け抜けていくんですが、ハイ、やられました。格好良かったです。
(赤い扇風機を使っていたのかどうかは、わかりません)

ちなみに、既にCDの注文は不可だと思いますが、カップリング情報として、CDカップリング:カリンニコフ 交響曲第1番 1975年、R・コルサコフ 歌劇「貴族夫人ヴェーラ・シェロガ」序曲、歌劇「プスコフの娘」序曲 1985年 となっています。サブスクで満足できない方は、中古盤を探してみられてはいかがでしょうか。
出典:YouTube Symphony No. 1 in G Minor ロシア国立交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

キリル・コンドラシン モスクワ・フィルハーモニー交響楽団 🥰

カリンニコフ:交響曲第1番 キリル・コンドラシン モスクワ・フィルハーモニー交響楽団 1961年
Kalinnikov: Symphony No.1 in G Minor Kirill Kondrashin Moscow Philharmonic Symphony Orchestra

キリル・コンドラシンさんの演奏があるとは、驚きました。なにげに、YouTubeを探索しているとリコメンドしてくれて~ あららっ! コンドラシンさんの演奏は、やっぱり巧いですね。サクサクとしていながら、コクがあります。のびやかで瑞々しく、うふふ~っ 爽やかでなんとも言えない清潔感もあって嬉しい限りです。個人的には、クチャルさんとN・ヤルヴィさんを足して、ちょうど、2で割るという、旋律の厚み感でしょうか。CDカップリング:バラキレフ交響曲第1番 1960年、カリンニコフ 交響曲第1番 1961年となっています。
出典:YouTube Symphony No. 1 in G Minor: I. Allegro moderato Symphony Orchestra of Moscow State Philharmonic Society – トピック Provided to YouTube by National Digital Aggregator LLC

カリンニコフ:交響曲第2番 Kalinnikov: Symphony No.2 in A Major

テオドレ・クチャル ウクライナ国立交響楽団 😘

カリンニコフ:交響曲第2番 テオドレ・クチャル ウクライナ国立交響楽団 1994年
Kalinnikov: Symphony No.2 Theodore Kuchar Ukraine National Symphony Orchestra

いつ聴いても、やっぱり爽やかな曲ですね。草原で寝っ転がっている気分で、とても涼しげです。カリンニコフの作風って、1番も2番も、さほど変わっていないけれど、そこが良かったりします。NAXOS(ナクソス)でクラシック音楽の配信がスタートした2016年、ちょうどカリンニコフの生誕150年。この曲で、いっきにナクソスという名前が広まった記念すべき楽曲です。ワタシも、もれなく、家の音響で聴きたくてCDを購入しました。クラシック音楽って、眉間に縦皺を寄せて、難しく聴かなくても良い曲もありますよね。カリンニコフの交響曲1番も2番も、その代表的な曲の一つだと思います。出典:YouTube Symphony No. 2 in A Major National Symphony Orchestra of Ukraine – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ネーメ・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 😋

カリンニコフ:交響曲第2番 ネーメ・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 1987年
Kalinnikov: Symphony No.2 Neeme Järvi Royal Scottish National Orchestra

金管の太い響きから始まりますが、優美でさらっと流れていきます。交響曲第2番の冒頭は、重々しいけれど、湿気がなく、思わず田舎くさい素朴な響きににんまりです。干し草の香りがしてきそう~ 愛すべき風景が蘇りますね。爽やかに風を運んでくるようで、涼しげに弦が奏でると、いっそう爽やかです。

田舎のちょっとした舞踏会のような雰囲気です。繰り返しの多い楽曲のため、耳触り良く、すぐに覚えられるフレーズがたくさん出てきます。耳に残るような旋律ではありませんが、それはそれで良いのかもしれません。ロシアのクラシック音楽という範疇になるのだと思いますが、ヤルヴィさんの演奏は、演歌のような歌いまわしではありません。しつこく、ねばっこく演奏されていないので、さらっと聴けて好ましいですね。

ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管というイギリス(スコットランド)のオケだからか、より一層な爽やかなテイストとなって演奏に表れているように思います。厚ぼったい和音の響きではなく、柑橘系の香りがするような、横にゆるやかに揺れ、歌うことに終始した演奏です。春から初夏にかけて聴くのに、好ましい楽曲ではないでしょうか。
出典:YouTube Kalinnikov Symphony No. 1 in G Minor ネーメ・ヤルヴィ – トピック Provided to YouTube by PIAS

カリンニコフ:交響曲第1番と第2番【解説】

カリンニコフは、1866年ロシア生まれの作曲家です。結核を患ったため34歳で亡くなっており、2つの交響曲が代表作となります。作風は、チャイコフスキーに倣って西欧的な楽曲構成法を採っていますが、旋律や和声法に民謡や民族音楽の影響を受けています。交響曲第1番ト短調は、1894年から翌年にかけて、交響曲第2番イ長調は、1895年から97年にかけて作曲されています。1番は、1897年2月20日にキエフで行われたロシア音楽協会のコンサートで演奏され成功を収めたそうでうが、楽譜はすぐには出版されなかったようです。

カリンニコフ:交響曲第1番と第2番【ディスク情報】

1961年 キリル・コンドラシン モスクワ・フィル Melodiya
1975年 エフゲニー・スヴェトラーノフ ソ連国立交響楽団 Cdk
1992年 ヴェロニカ・ドゥダロワ ロシア交響楽団 Olympia
1994年 クチャル ウクライナ国立響 NAXOS 
1987年 N・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュ管 CHANDOS

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