ドビュッシー:ピアノ三重奏曲【聴いてみよう】Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5

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ドビュッシー:ピアノ三重奏曲【YouTube】

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ルノー・カピュソン、エドガー・モロー、ベルトラン・シャマユ 2017年 レコーディング風景です。4分14秒の動画です。出典:YouTube Debussy: Piano Trio – Bertrand Chamayou, Renaud Capuçon, Edgar Moreau Warner Classics 

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲【名盤・おすすめ】

ルノー・カピュソン、エドガー・モロー、ベルトラン・シャマユ 🥰

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ルノー・カピュソンほか 2017年 
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5

ヴァイオリン:ルノー・カピュソン Renaud Capuçon
チェロ:エドガー・モロー Edgar Moreau
ピアノ:ベルトラン・シャマユ Bertrand Chamayou 

カピュソンさんたちの演奏は、ちょっと嬉しくなった、晴れやかになっていく気持ちの変化が描かれています。木漏れ日が広がる田舎の風景が目に浮かびます。草の丈がのびてきて、そのなかに、小さな花が芽吹いてきたのを見つけた時のよう。ルノー・カピュソンさんをはじめ、三人の瑞々しい感性が、随所に音となって表れてくるようです。

第2楽章のピチカートがチャーミングです。第4楽章の調の目まぐるしい変化も、濁らず、猫が寝起きにノビをしているような、しなやかさを感じます。栴檀は双葉より芳し。とても聴きやすいドビュッシーの若かりし頃の作品です。最近の演奏ならではのスピード感、さらっと感があります。

CDカップリング:ドビュッシー チェロ・ソナタ、シランクス、ヴァイオリン・ソナタ、フルートとヴィオラとハープのためのソナタ、ピアノ三重奏曲 2016年~17年 YouTubeにおけるカップリング:Claude Debussy: The Complete Works / ドビュッシー作品全集33枚組BOX CD12 ピアノ三重奏曲、夜想曲、間奏曲、弦楽四重奏曲、ビリティスの歌 トラック154~ 出典:YouTube Piano Trio in G Major, L. 5 bertrand chamayou Provided to YouTube by Warner Classics

ファイニンガー・トリオ 😘

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ファイニンガー・トリオ 2015年
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5 Feininger Trio

ヴァイオリン:クリストフ・シュトロイリ
チェロ:ダヴィッド・リニカー
ピアノ:アドリアン・オーティカー

ベルリン・フィルのクリストフ・シュトロイリさん、ダヴィッド・リニカーさんに、ピアニストであるアドリアン・オーティカーさんによって結成されたトリオだそうです。シックで落ち着いた演奏です。独墺系オケ出身らしいと言うべきでしょうか、カッチリしているので、余計なことかもしれませんが、外に出て空気をいっぱい吸って、光を浴びて、口角を上げて~と言いたくなっちゃいました。

CDカップリング:ドビュッシー ピアノ三重奏曲、ラヴェル ピアノ三重奏曲、ドビュッシー 小組曲(三重奏用編曲)出典:YouTube Debussy: Piano Trio in G Major, CD 5 Feininger Trio – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

キンスキー・ピアノ・トリオ

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 キンスキー・ピアノ・トリオ 2013年
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5 Kinsky Trio Prague

CDカップリング:ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲、チェロ・ソナタ13年、夢想13年、ヴァイオリン・ソナタ、前奏曲第1巻第8番亜麻色の髪の少女、ピアノ三奏曲 2013年録音 出典:YouTube Piano Trio in G Major, L. 5 Kinsky Trio Prague – トピック Provided to YouTube by PIAS

ジャン=エフラム・バヴゼ ブロドスキー四重奏団

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ジャン=エフラム・バヴゼ ブロドスキー四重奏団 2011年
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5 Jean-Efflam Bavouzet Brodsky Quartet

CDカップリング:ドビュッシー 弦楽四重奏曲、神聖な舞曲と世俗的な舞曲、ピアノ三重奏曲、夢 2011年録音 出典:YouTube Piano Trio in G Major, L. 3, CD 5 ブロドスキー弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by PIAS

パイアン・トリオ 🥰

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 トリオ・パイアン 2009年
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5 Trio Paian

ヴァイオリン:カール=マグヌス・ヘリング Carl-Magnus Helling
チェロ:マリン・スメスノイ Marin Smesnoi
ピアノ:アレクサンドラ・ノイマン Alexandra Neumann

トリオ・パイアンさんの演奏は、爽やかな煌めきのある音で綴られています。ちょっと彩度高めの演奏ではあるのですが、でも眩しいというほどではなく、若い頃の楽曲なので、抜ける青い空のような光景であっても良いわけで~好ましく感じられました。サブスクを利用して拝聴したのですが、ショスタコも聴いてみたいと思いました。

CDカップリング:ショーソン ピアノ三重奏曲、ドビュッシー ピアノ三重奏曲 シャルル=マリー・ヴィドール 4つのピアノ三重奏曲 2009年録音 YouTube Piano Trio in G Major, L. 3 Trio Paian – トピック Provided to YouTube by Believe SAS 作品番号 L3→L5 誤りですね。

フロレスタン・トリオ 🥰

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 フロレスタン・トリオ 1999年
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5 The Florestan Trio

ヴァイオリン:アンソニー・マーウッド Anthony Marwood
チェロ:リチャード・レスター Richard Lester
ピアノ:スーザン・トムズ Suszan Tomes

フロレスタン・トリオの演奏は、それぞれ波動のように柔らかく伸びて、ニュアンス豊かに感じられます。爽やかで流麗な旋律で、前に繰りだす勢いがあるので、波に乗れるようです。柔らかいタッチなのに、どうして勢いが良いのか、少し不思議な感じがします。

また、音が立体的に聞こえてくるようです。油絵だと三次元の空間を創出するため、遠近感を出したり、反対色を下に塗って立体感を出しますが、音楽はどうしたら立体的に聞こえるのでしょう。音の強さ、間合い、楽器の音色の違い、三声の重なり具合によって、立体感に感じられるのでしょうか。フロレスタン・トリオさんの演奏は、穏やかな家庭的な幸福感に包まれるみたいです。三声の調和を感じ、熟練のワザみたいなものを、この穏やかな演奏のなかに垣間見られて~ 楽しく嬉しく感じられる演奏でした。

CDカップリング:ラヴェル ピアノ三重奏曲、ドビュッシー ピアノ三重奏曲、フォーレ ピアノ三重奏曲 出典:YouTube Debussy: Piano Trio in G Major, CD 5 Florestan Trio – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アンドレ・プレヴィン、ローゼンフェルト、ホフマン 😘

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 アンドレ・プレヴィン ジュリー・ローゼンフェルト ゲイリー・ホフマン 1992年
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5

ピアノ:アンドレ・プレヴィン André Previn
ヴァイオリン:ジュリー・ローゼンフェルト Julie Rosenfeld
チェロ:ゲイリー・ホフマン Gary Hoffman

プレヴィンさんたちの演奏は、少しくぐもった雰囲気の、ゆったりした演奏です。柔らかく、少し翳りを感じさせるもの。ちょっと雰囲気に流されていく感もしますが、甘さもあり、ほんのりとした香りがあるものなので、最初に聴くには、優しく接してくれるのではないかと思います。

特に、ヴァイオリンの音がシックで、第4楽章では、序奏から、ピアノが主題を、「みぃ~どし しら みらど しぃ~ら そしら~み れ~みふぁ」と歌いますが、その伴奏のチャチャチャ・・・が、強くなってみたり、弱くなって演奏者が一緒になって一つの旋律を作りますが、互いの音をしっかり聞いて、ニュアンスを作っている余裕が感じられます。決して、競い合って演奏しているんじゃない、大変穏やかな演奏です。

CDカップリング:ドビュッシー ピアノ三重奏曲、ラヴェル ピアノ三重奏曲 出典:YouTube Trio for Piano, Violin and Cello in G Major, L. 3 アンドレ・プレヴィン – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

ボロディン・トリオ 😮

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ボロディン・トリオ 1991年
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5 Borodin Trio

ボロディン・トリオさんの演奏は、ゆったり~ ゆったりと演奏されていきます。ドビュッシーの若かりし頃の作品ですが、この演奏で聴くと、人生経験を積んだ壮年時代の作品のように感じられます。へえ~ 彼らが演奏すると、年令詐称が出来そうなほど。厚みのあるものになりますね。慈愛に満ちた、回想するような雰囲気が、奏でられる旋律から醸し出されます。変わるもんだ~と、曲想まで変わることに驚きました。

CDカップリング:ドビュッシーピアノ三重奏曲、トゥリーナ ピアノ三重奏曲第1番作品35、マルタン アイルランドの民謡による三重奏曲 1991年録音 出典:YouTube Piano Trio in G Major, L. 5, CD 5 Borodin Trio – トピックProvided to YouTube by PIAS

トリオ・フォントネ 🙂

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 トリオ・フォントネ 1989年
Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5 Trio Fontenay

ピアノ:ヴォルフ・ハーデン Wolf Harden
ヴァイオリン:ミヒャエル・ミュッケ Michael Mücke
チェロ:ニクラス・シュミット Niklas Schmidt
★ YouTubeにおいては、動画は掲載されていません。とっても残念です。

トリオ・フォントネさんの演奏は、輪郭がハッキリとして、活気のあるものです。主題を弾くピアノが、少し音が硬めですが、ヴァイオリンとチェロのハーモニーは落ち着いて美しいです。第2楽章における弦のピチカート、不協和音の序奏は、ピアノ曲「子供の領分」のように楽しいです。第3楽章は、各自、ひととおり主題を奏でたあと、高揚して沈んでいくパターンとなりますが、気分にとらわれず、なだらかに描かれています。小春日和、草原に寝っ転がって、空を見ているという感じでしょうか。ピアノが良いですよねえ。ピアノ三重奏の醍醐味です。

第4楽章は、弦の序奏のあと、ピアノが主題を歌い始めます。続いてヴァイオリンが。甘いと思いつつ切なくなる旋律で、これは、すっかりやられてしまいました。こんな曲を18歳頃から作曲しているんじゃ~ 道理で、ドビュッシーは、女性にモテる筈です。CDカップリング:ラヴェル ピアノ三重奏曲、ドビュッシー ピアノ三重奏曲、フォーレ ピアノ三重奏曲

ジャック・ルヴィエ ジャン=ジャック・カントロフ フィリップ・ミュレル 😘

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ジャック・ルヴィエ ジャン=ジャック・カントロフ フィリップ・ミュレル 1985年、1987年 Debussy: Piano Trio in G Major, L. 5

ピアノ:Jacques Rouvier
ヴァイオリン:Jean-Jacques Kantorow
チェロ:Philippe Muller

ルヴィエさんたちの演奏は、柔らかい草書体で綴られていきます。颯爽としてて、ふわっと柔らかい~ それが第一印象です。主張してくる押し出しも、畳みかけてくる場面もあり、ノリ感もあります。「タッターった たぁ~」と伸びるところは、回転を与え、放り出す感じで、鋭くフレーズが伸びていきます。速く回転し、瑞々しい音を紡ぎ出して、開放感があります。情熱的な演奏とも言えるかもしれません。このあたりは、ソリスト三人のピアノトリオなのかもしれませんね。

フランス近代ピアノ・トリオ選とタイトルされたCDで、ドビュッシー、ラヴェル、フォーレのピアノ三重奏がお得感のある三曲セットで収録されています。CDカップリング:ドビュッシー ピアノ三重奏曲、ラヴェル ピアノ三重奏曲、フォーレ ピアノ三重奏曲 出典:YouTube Debussy Trio in G Major ジャック・ルヴィエ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲について

ドビュッシーのピアノ三重奏曲は、18歳頃(1879年)チャイコフスキーのパトロンで有名な、フォン・メック夫人宅で家庭教師をしていた時に作曲したと言われています。夫人は、少年時代のドビュッシーを、娘のピアノ教師として雇い、長期旅行に同伴させています。また、長男および次男とドビュッシーがピアノ三重奏を組んで、彼のピアノ三重奏曲を演奏したり、ピアノ連弾用に編曲したチャイコフスキーの「白鳥の湖」を演奏していたそうです。

その後、ドビュッシーは夫人の娘と恋愛関係に陥り、それを知った夫人は、激怒して彼を解雇したそうです。この顛末はチャイコフスキーへの手紙にも報告されているとのこと。あ~ そうそう。ドビュッシーって、女癖が悪かったんですよね。この点は、ラヴェルとはマギャクっ。1880年頃にこのピアノ三重奏曲は、作曲されたといわれていますが、楽譜が発行されているのが1986年なので、つい最近のことです。青春時代にしか書けない、ロマンティックで、ちょっと甘めのフレーズが詰まっています。

ドビュッシー:ピアノ三重奏曲【ディスク情報】

1985年 ルヴィエ、カントロフ ミュレル DENON
1989年 トリオ・フォントネ TELDEC
1991年 ボロディン・トリオ CHANDOS
1992年 プレヴィン、ローゼンフェルト、ホフマン R
1999年 フロレスタン・トリオ HYPERION
2009年 パイアン・トリオ Coviello
2011年 ジャン=エフラム・バウゼ ブロドスキー四重奏団 CHANDOS
2013年 キンスキー・ピアノ・トリオ PRAGA 
2015年 ファイニンガー・トリオ CAvi Music
2017年 ルノー・カピュソン、エドガー・モロー、ベルトラン・シャマユ E

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