コープランド:静かな都会、市民のためのファンファーレ【聴いてみよう】Copland: Quiet City, Fanfare for the Common Man

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コープランド:静かな都会、市民のためのファンファーレ【YouTube】

コープランド:静かな都会 アリソン・バルサム

Copland: Quiet City コープランド:静かな都会 Alison Balsom アリソン・バルサムさんのトランペットが聴きどころです。1分34分 プロモーションビデオのようなものですが、すぐにひきこまれます。出典:YouTube Alison Balsom plays Copland: Quiet City Warner Classics 

コープランド:市民のためのファンファーレ

コープランド:市民のためのファンファーレ Copland: Fanfare for the Common Man 2012年に開催されたイギリスBBC主催のプロムス(Proms)におけるコンサートの模様です。2分14秒の動画です。 トランペット、ホルン、そしてトロンボーン ティンパニと大太鼓、銅鑼 力強い指揮、迫力あるファファーレです。マリン・オールソップ サンパウロ交響楽団 Marin Alsop São Paulo Symphony Orchestra 出典:YouTube Copland: Fanfare for the Common Man – BBC Proms 2012 BBC

コープランド:静かな都会【名盤・おすすめ】

レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 🥰

コープランド:静かな都会 レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 1985年
Copland: Quiet City Leonard Bernstein New York Philharmonic トランペット:フィリップ・スミス Philip Smith イングリッシュ・ホルン:トマス・ステイシー Thomas Stacy

静かな都会(または静かな都市、クワイエット・シティ)は、コープランドの1941年の作品です。劇音楽だった楽曲を、トランペットと、コーラングレ(イングリッシュ・ホルン)のソロと、弦楽合奏用に編曲しなおしたものだそう。劇の内容は存じ上げないのですが、トランペットのソロが有名です。(もちろん、コーラングレの存在を忘れてはいけませんが)

都会の夜明けなのか、夕暮れ時なのか、また、都会が静まりかえった深夜を描いたもののなのか、この曲は、聴く人の心の状態によっても、イメージされる光景は異なるかもしれません。ワタシも、清々しい朝の風景をイメージするときもあれば、深夜近く寝る前に聴くと、残業で疲れたカラダを癒やしてくれるようにも感じます。日曜のお昼に聴くと、午睡のお伴になることもありますが~。トランペットのフィリップ・スミスさんの演奏は、ほのぐらい気怠さを持っており、ワタシ的には夕暮れ時、ちょっぴり疲れが太陽が傾いた時間を感じます。

さて、CDのブックレットを拝読します。1939年、ニューヨークの作家アーウィン・ショウの戯曲「静かな都会」 大都会で暮らす多くのさまざまな人たちの夜の想いにかかわるリアスティックなファンタージーのために劇音楽を書き、それをもとに、トランペット、イングリッシュ・ホルン それぞれ1本と弦楽オケのために、40年に書き改めたそうである。ショウさんは、コープランドに2つのイメージを提供したという。ユダヤ人の少年によって奏されるジャズ・トランペットのソロ、家を立ち退かされた男のトボトボした足取り・・・

え~っ このブックレットを拝読するまでは、スマートな都会をイメージしていたのだが、ワタシのイメージは異なっていたようです。そんな暗くて、ホームレスのような光景はイメージするような楽曲ではないし、うら寂しい、孤独感は感じなかったんだけど。ギャップの大きさに驚かされた。しかし、どこに居ても、どんな風に聴いても、それこそ、さまざまなシチュエーションが描ける楽曲だと思いました。

CDカップリング:コープランド 交響曲第3番、静かな都会(静かな都市) 出典:YouTube Copland: Quiet City
ニューヨーク・フィルハーモニック – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

スコット・ストローマン ブリテン・シンフォニア  🥰

コープランド:静かな都会 スコット・ストローマン ブリテン・シンフォニア 2021年
Copland: Quiet City Scott Stroman Britten Sinfonia トランペット:アリソン・バルサム Alison Balsom コーラングレ:ニコラス・ダニエル Nicholas Daniel

イギリス人女性のトランペッターであるアリソン・バルサムさんのアルバムから。静かで息のながいフレーズを淀むことなく奏でて素晴らしいですね。しばし聞き惚れてしまいます。自己主張の強い演奏ではないように思いますが、清潔で透明度の高い演奏ですが、沈みゆく太陽を背にして家路を急ぐ人の姿、また、逆光のなかでの行き交う車のボディーを感じたりします。このバルサムさんのトランペットは、終始、静かに演奏され、聴き手のイメージを壊さず、すーっと消えていきます。孤独を感じる時もありますが、人との交流を欲したい時、高層ビルの一室でカクテルでも飲みながら聴きたい気もします。クラシックの要素だけでなく、ジャズっぽさも感じられる曲ですね。

CDカップリング:トランペットのコンピレーションアルバム コープアンド 静かな都市、バーンスタイン オン・ザ・タウン、ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー アイヴィス 答えのない質問 ギル・エヴァンス アランフェス協奏曲、マイ・シップ 2021年 出典:YouTube Quiet City Alison Balsom Provided to YouTube by Warner Classics

イーストマン・ウィンド・アンサンブル 🥰

コープランド:静かな都会 イーストマン・ウィンド・アンサンブル 1988年
Copland: Quiet City Eastman Wind Ensemble トランペット:ウイントン・マルサリス Wynton Marsalis

吹奏楽の演奏で、クワイエット・シティ フーサ / プラハのための音楽1968 というタイトルのCDです。あまり普段、吹奏楽のCDは聴かないのですが、知人がトロンボーンを吹いており、なにかの折りに、ホルストの惑星、セントポール組曲、フェネルさん、イギリスのブラスの熱狂ぶりなどを教えてもらったことがあります。

このCDは、その知人に教えてもらいました。吹奏楽の神さま的存在のフェネルさんが、1952年にアメリカのイーストマン音楽学校のイーストマン・ウィンド・アンサンブルを創設したという、とても伝説的なグループです。アメリカのレーベル、マーキュリーに録音したりしていたようですが、ここでは、トランペッターのマリサリスさんが参加されており、20世紀の吹奏楽の作品集CDができあがりました。マルサリスさんのトランペットを聴くことができて嬉しいですね。静寂のなかのトランペットの音が、白黒映画のワンシーンのように哀しそうに感じられ、じんわりきます。みなさんは、どのようなシーンを思い浮かべられるでしょうか。

CDカップリング:クワイエット・シティ フーサ / プラハのための音楽1968 V・ウィリアムス トッカータ・マルツィアーレ、V・ウィリアムス 吹奏楽のための変奏曲、ヒンデミット 吹奏楽のための演奏会用音楽 作品41、コープランド クワイエット・シティ(静かな都会)、カレル・フサ プラハのための音楽 1968年録音 出典:YouTube Quiet City (Arr. D. Hunsberger for Wind Ensemble) イーストマン・ウィンド・アンサンブル – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

アーロン・コープランド ロンドン交響楽団 😘

コープランド:静かな都会 アーロン・コープランド ロンドン交響楽団 1967年 
Copland: Quiet City Aaron Copland London Symphony Orchestra Michael Winfield William Lang
マイケル・ウィンフィールド、ウィリアム・ラング 出典:YouTube Quiet City アーロン・コープランド – トピック Provided to YouTube by Sony Classical コープランド・コンダクツ・コープランド 20枚組BOX(ソニー)があります。

コープランド:市民のためのファンファーレ【名盤・おすすめ】

ジョン・ウィルソン BBCフィル 😊

コープランド:市民のためのファンファーレ ジョン・ウィルソン BBCフィル 2015年
Copland: Fanfare for the Common Man John Wilson BBC Philharmonic

ウィルソンさんの演奏は、金管が出てくるまでの間、打楽器が大活躍しますが、冒頭第一発目は、とても心臓に悪いです。マーラー6番のハンマーのごとく(木槌を木片に向けて振り下ろす)心臓に良くありません。銅鑼は、盥のような音がするので、もう少し厚みのあるモノを使って欲しかったかも。金管ハーモニーは、さほど精緻ではありませんが、打楽器がねえ~ パワフルなんです。だから、なんだかんだと言いつつ聴くのが楽しかったりします。
出典:YouTube Fanfare for the Common Man ジョン・ウィルソン – トピック Provided to YouTube by PIAS

大植英次 ミネソタ管弦楽団 😘

コープランド:市民のためのファンファーレ 大植英次 ミネソタ管弦楽団 2003年
Copland: Fanfare for the Common Man Eiji Oue Minnesota Orchestra

大植さんの演奏は、さすがレファレンス(レーベル名)だけあって、透明度の高い奥行き感たっぷりの響きで聴くことができます。金管の音は、一本調子の演奏者が若干見られちゃうけど、まずまずかしらん。打楽器は良く響いて、とても嬉しくなっちゃいます。出典:YouTubeEiji Oue Minnesota Orchestra Fanfare for the Common Man ミネソタ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 😊

コープランド:市民のためのファンファーレ マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ響 2000年
Copland: Fanfare for the Common Man Michael Tilson Thomas San Francisco Symphony

MTTさんにはコープランド演奏のCDが多く発売されていますが、このファンファーレは、ちょっとどこに収録されているのか、あまりよくわかりませんでした。サブスクを利用して拝聴しました。適度にまとめてきているな~という風に思います。金管はやっぱり綺麗な音です。出典:YouTube Fanfare for the Common Man マイケル・ティルソン・トーマス – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal

ステファン・ガンゼンハウザー スロヴァキア放送交響楽団 😅

コープランド:市民のためのファンファーレ ステファン・ガンゼンハウザー スロヴァキア放送交響楽団 1989年
Copland: Fanfare for the Common Man Stephen Gunzenhauser Slovak Radio Symphony Orchestra

ガイゼンハウザーさんの演奏は、ホールの奥から響きます。盥のような銅鑼なのだと思う音、そしてティンパニは、硬い皮(キツく締めた)音に聞こえます。メキシコ音楽でよく見かける胴の細長い太鼓を、ペコペコと叩いているような音で、えっ? で、もう一つは揺れ揺れの残響が残ります。短い曲なので、聴き比べが面白くなっちゃって、なかなかに楽しめちゃいます。出典:YouTube Fanfare for the Common Man スロヴァキア放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

エンリケ・バティス メキシコ・クイダード・フィル 😊

コープランド:市民のためのファンファーレ エンリケ・バティス メキシコ・クイダード・フィル 1985年
Copland: Fanfare for the Common Man Enrique Bátiz Orquesta Filarmónica de la Ciudad de México

バティスさんの演奏は、残響が多めですが、迫力は他の演奏に負けていません。少し後半になると音が落ちそう。疲れますよね。ようよう銅鑼なんだ~と気づいた次第です。あはっ。出典:YouTube Fanfare for the Common Man
エンリケ・バティス – トピック Provided to YouTube by Warner Music Group – X5 Music Group

エリック・カンゼル シンシナティ交響楽団 😘

コープランド:市民のためのファンファーレ エリック・カンゼル シンシナティ交響楽団 1985年
Copland: Fanfare for the Common Man Erich Kunzel Cincinnati Pops Orchestra

カンゼルさんの演奏は、テラーク特有の膜をはったような録音なので、ちょっと残念なのですが、大型スピーカーで聴くと奥行きが出てきて迫力があります。出典:YouTube Erich Kunzel – Fanfare for the Common Man (Official Audio)
Erich Kunzel

アンタル・ドラティ デトロイト交響楽団 🥰

コープランド:市民のためのファンファーレ アンタル・ドラティ デトロイト交響楽団 1981年
Copland: Fanfare for the Common Man Antal Doráti Detroit Symphony Orchestra

ドラティさんの演奏は、録音状態も良く、めちゃ堂々としており、ティンパニの皮の揺れが見えそうな響きと、金管のハーモニーが素敵です。出典:YouTube Copland: Fanfare for the Common Man アンタル・ドラティ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ズービン・メータ ロサンゼルス・フィル 🙂

コープランド:市民のためのファンファーレ ズービン・メータ ロサンゼルス・フィル 1977年
Copland: Fanfare for the Common Man Zubin Mehta Los Angeles Philharmonic

メータさんの演奏は、打楽器の音が大きすぎて、あらビックリ。さすがにちょっと録音状態に難があります。出典:YouTube Copland: Fanfare for the Common Man LA Phil Provided to YouTube by Universal Music Group

アーロン・コープランド ロンドン交響楽団 🤩

コープランド:市民のためのファンファーレ アーロン・コープランド ロンドン交響楽団 1968年
Copland: Fanfare for the Common Man Aaron Copland · London Symphony Orchestra

さすがに有無を言わせぬ迫力と静寂さ。パーカッションの鳴りっぷりに脱帽です。出典:YouTube Fanfare for the Common Man アーロン・コープランド – トピック Provided to YouTube by Sony Classical コープランド・コンダクツ・コープランド 20枚組BOXもあります。

レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 😊

コープランド:市民のためのファンファーレ レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 1959年
Copland: Fanfare for the Common Man Leonard Bernstein New York Philharmonic Orchestra

バーンスタインさんの演奏は、多少歪みが生じていますが、懐かしい雰囲気のする音です。決して録音状態は良くありませんが、コープランドと友人関係にもあったようですし、第一人者だと思われる指揮者です。ご参考に。出典:YouTube Fanfare for the Common Man

コープランド:静かな都会、市民のためのファンファーレ【解説】

コープランド(Aaron Copland)は、1900年生まれの作曲家で、20世紀アメリカを代表する作曲家のひとりです。
静かな都会(または静かな都市、クワイエット・シティ)は、1939年、アーウィン・ショーの演劇「クワイエット・シティ」のために付随音楽を作曲したものを、1941年、約10分間の作品に編成しなおしたものです。トランペット、オーボエまたはコール・アングレ、および弦楽 オーケストラのための作品となっています。劇は、ユダヤ人であることを隠して名前を英語風にかえ、物質的な成功を追求し、百貨店の社長にのぼりつめる男の物語です。物質的な成功と引き換えにしたものも多いのか、兄のトランペットの音によって、絶えず自分の良心を思い出すというものです。トランペットが重要な役割を担っています。

市民のためのファンファーレ  Fanfare for the Common Man は、指揮者ユージン・グーセンスの依嘱により、1942年に作曲したファンファーレです。金管楽器と打楽器のために作曲されています。

コープランド:静かな都会、市民のためのファンファーレ【ディスク情報】

コープランド:静かな都会

1967年 アーロン・コープランド ロンドン交響楽団 SC
1985年 フィリップ・スミス バーンスタイン ニューヨーク・フィル G 
1988年 ウイントン・マルサリス イーストマン・ウィンド・アンサンブル SC
2021年 アリソン・バルサム スコット・ストローマン ブリテン・シンフォニア Warner

コープランド:市民のためのファンファーレ

1959年 バーンスタイン ニューヨーク・フィル SC
1968年~1970年 アーロン・コープランド ロンドン交響楽団 SC
1977年 メータ ロサンゼルス・フィル Dec
1981年 ドラティ デトロイト交響楽団 Dec
1985年 エリック・カンゼル シンシナティ交響楽団 TELARC
1985年 エンリケ・バティス メキシコ・クイダード・フィル EMI
1989年 ステファン・ガンゼンハウザー チェコスロヴァキア・ブラチィスラヴァ放送交響楽団 NAXOS
2000年 マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 R
2003年 大植英次 ミネソタ管弦楽団 Reference
2015年 ジョン・ウィルソン BBCフィル CHANDOS

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