リスト:ハンガリー幻想曲【名盤・おすすめ】
ゴラン・フィリペツ イムレ・コラール コダーイ・フィル 🤩
リスト:ハンガリー幻想曲(ハンガリー民謡旋律にもとづく幻想曲)フィリペツ版 ゴラン・フィリペツ イムレ・コラール コダーイ・フィル 2019年
Liszt: Fantasia on Hungarian Folk Tunes, S. 123 Goran Filipec Imre Kollár Kodály Philharmonic Orchestra
ゴラン・フィリペツさんの演奏は、ピアノが登場したところで、これは期待できるっ! これいけるっ! シフラさんの演奏に近いっ。掻き鳴らすツィンバロンの響きに近いですね。いや~ このリズムとアクセント、節回し、粘り気。
録音も良いので、非常に喜んでしまいました。
1981年生まれのクロアチアご出身のピアニストです。フランツ・リストの音楽の研究と促進に基づいた団体である、ソシエテ・フランツ・リスト・ド・ジュネーブを設立されたそうです。サブスクを利用して、初めて拝聴したのですが、ホント良かったです。お気に入りの一枚に確定しました。
CDカップリング:リスト ハンガリー幻想曲、スペイン狂詩曲、「スペインのフォリアとホタ・アラゴネーサ」、深き淵より楽器による詩篇 (補筆完成版)、死の舞踏(ブゾーニ編) 出典:YouTube Hungarian Fantasy, S. 123 (Ed. G. Filipec) Goran Filipec Provided to YouTube by NAXOS of America
ジャン=イブ・ティボーテ シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 😘
リスト:ハンガリー幻想曲(ハンガリー民謡旋律にもとづく幻想曲) ジャン=イブ・ティボーテ シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1990年 Liszt: Fantasia on Hungarian Folk Tunes, S. 123
ティボーデさんの演奏は、所謂、本場ものとは違い、綺麗すぎるほど綺麗に着飾った演奏です。そういう意味では、あまり抵抗なく、あっさりとした、独特のタメ感もなく、こってり味、泥臭いローカル色から離れた、都会的なセンスあふれる演奏として聴くことができるように思います。なんとお洒落なハンガリー幻想曲だろう~と驚きつつも、さすがティボーテさん。女性的でしなやかに跳躍して、蝶のごとく舞い踊ります。
(内心、ちょっと違和感もあるんですけどね。ここで笑っちゃ-おしまいだよね)シフラさんの演奏と聴き比べると、ホント驚かれると思いますが、これがティボーデさんのピアノです。真似しないで、自分のポリシー、世界観に徹しているところが、えらいっ!(とはいえ) CDカップリング:リスト ハンガリー幻想曲、ピアノ協奏曲第1番、第2番、死の舞踏(S.126) 出典:YouTube Liszt: Fantasia on Hungarian Folk tunes, S.123 モントリオール交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ホルヘ・ボレット フィッシャー ロンドン交響楽団 😅
リスト:ハンガリー幻想曲(ハンガリー民謡旋律にもとづく幻想曲) ホルヘ・ボレット フィッシャー ロンドン交響楽団 1984年 Liszt: Fantasia on Hungarian Folk Tunes, S. 123 Jorge Bolet Iván Fischer London Symphony Orchestra
ボレットさんはキューバご出身のピアニストなので、ロマ風のようにはいかないです。指揮者のイヴァン・フィッシャーさんは、ハンガリー出身ですが、まあ、どんな風合いになっているのかなと、興味を持って拝聴しました。丹念に音を置いて進むので、スピード感は(全く)ありません。指揮者は、これではちょっと~ さすがに困り果ててしまうでしょう。細部は細かくて、音は綺麗なんですけど~ 総合的に見ると、うーん、オケも指揮者も、はやる気持ちを抑えての演奏だと思います。万事休す、致し方なしとご推察申し上げます。
CDカップリング:リスト 死の舞踏、呪い(作品S.121 マレディクシオン)、ハンガリー幻想曲 出典:YouTube Liszt: Fantasia on Hungarian Folk Tunes, S.123 ホルヘ・ボレット – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
フィリップ・アントルモン 小澤征爾 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 🙂
リスト:ハンガリー幻想曲(ハンガリー民謡旋律にもとづく幻想曲) フィリップ・アントルモン 小澤征爾 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1971年
Liszt: Fantasia on Hungarian Folk Tunes, S. 123 Philippe Entremont Seiji Ozawa New Philharmonia Orchestra
アントルモンさんの演奏は、フランス出身のピアニストなので、シフラさんのようには、独特の小節はまわらないですが~ 清潔で気品のある演奏です。ハンガリー風に近づけなくていいです。どう転んでも無理だって! 気候風土も違えば、DNA、言語が全く違うようなモノだから、このままで~ご賞味させていただきます。綺麗なタッチで演奏されてて、これで完成品だと思います。それにしても、小澤さんがニュー・フィルハーモニアを振っておられたことに驚きました。CDカップリング:ハチャトゥリアン ピアノ協奏曲、リスト ハンガリー幻想曲 出典:YouTube Hungarian Fantasy, S. 123 Philippe Entremont Official Provided to YouTube by Sony Classical
ジョルジュ・シフラ ジョルジュ・シフラJr. パリ管弦楽団 🤩
リスト:ハンガリー幻想曲(ハンガリー民謡旋律にもとづく幻想曲) ジョルジュ・シフラ ジョルジュ・シフラJr. パリ管弦楽団 1968年~69年
Liszt: Fantasia on Hungarian Folk Tunes, S. 123 György Cziffra György Cziffra Jr. Orchestre de Paris
ピアニストのシフラさんと、息子のジュニアが指揮者をつとめるという親子共演の演奏は、こりゃ~すごいわ。ハンガリー出身で、オクニモノの演奏です。冒頭のゴッツい ぱぱん ぱんぱんっ 低弦の掻き鳴らすような響きと、超人級のピアノで、まるでツィンバロンの響きに聞こえてきますね。
弦の掻き鳴らす(叩くのですが)ような響きが、重くのしかかってきます。この独特の節回しがアタマにこびりついて、癖になるような重量級の演奏です。録音状態は確かに古いのですが、気にならないほどに、のめり込んで聴いてしまいました。金管が鮮やかに吹かれています。CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番、ハンガリー幻想曲 出典:YouTube Fantasy on Hungarian Themes, S. 123 ジョルジュ・シフラ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
シューラ・チェルカスキー ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 😘
リスト:ハンガリー幻想曲(ハンガリー民謡旋律にもとづく幻想曲) シューラ・チェルカスキー ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1960年~67年
Liszt: Fantasia on Hungarian Folk Tunes, S. 123 Shura Cherkassky Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker
チェルカスキーさんの演奏は、さすがに年代物という感じですが、タッチの鋭さと、オケのトランペット等の鋭さが聞こえてきて、おおっ、節の回し方、巻き舌チックなフレーズが楽しげです。独特のリズムで、すばしっこいピアノのタッチ。。ちょっと酔いそうになりますが、踊り出したくなるようなリズムが半端なく楽しいです。管弦楽曲のハンガリー狂詩曲第14曲へと繋がるピアノ原曲なので、ご参考までに。CDカップリング:交響詩前奏曲、ハンガリー狂詩曲第2番、第4番、第5番、ハンガリー幻想曲 出典:YouTube シューラ・チェルカスキー – トピック Provided to YouTube by Universal Mus
リスト:ハンガリー幻想曲【解説】
リストのハンガリー幻想曲(Fantasie über ungarische Volksmelodien 作品S123)は、ピアノと管弦楽のための協奏曲です。正式な名称は、「ハンガリー民謡旋律にもとづく幻想曲」で、演奏時間は約15分です。もともとは、ピアノ曲で、1840年代にピアノ独奏曲としてハンガリー狂詩曲第14番ヘ短調が生まれています。そして、このピアノ曲から、協奏曲としてハンガリー幻想曲ができ、管弦楽曲として、ハンガリー狂詩曲第1番が作曲されました。よほどこの曲が気に入っていたのかな~って思います。ハンガリー幻想曲は、1852年頃に作曲されています。
冒頭、ティンパニと低弦で、重苦しい序奏からスタート。第1主題は、ホルン、ファゴット。次にピアノが装飾して演奏されます。経過部の後「ジプシー風のアレグレット」と指定された部分に入ります。哀愁を帯びた第2主題は、ピアノに現れ、管弦楽との掛け合いをします。オケに第1主題が登場し、第3主題がピアノで奏され、管弦楽と掛け合いながら、下に上にとグリッサンドが入ります。第1主題が再登場し、カデンツァを演奏して、火花を散らしてテンションマックス状態となり、踊るように演奏される曲です。
リスト:ハンガリー幻想曲【ディスク情報】
1960年~67年 シューラ・チェルカスキー カラヤン ベルリン・フィル G
1968年~69年 ジョルジュ・シフラ ジョルジュ・シフラJr. パリ管弦楽団 E
1971年 フリップ・アントルモン 小澤征爾 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 SC
1984年 ホルヘ・ボレット フィッシャー ロンドン交響楽団 Dec
1990年 ジャン=イブ・ティボーテ デュトワ モントリオール交響楽団 Dec
2019年 ゴラン・フィリベツ イムレ・コラール コダーイ・フィル NAXOS
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