リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」【YouTube】
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 クリストフ・フォン・ドホナーニ NDR交響楽団(現NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団)2008年1 月14 日コンサートの模様です。18分07秒の動画です。出典:YouTube Richard Strauss: “Don Juan” mit Christoph von Dohnányi | NDR Elbphilharmonie Orchester NDR Klassik
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」【名盤・おすすめ】
アンドリス・ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 😘
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 アンドリス・ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2021年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Andris Nelsons Gewandhausorchester Leipzig
この前、バーミンガム市響のCDを買ったところなのに・・・ゲヴァントハウス管とボストン響を起用して7枚組BOXとして登場。もうCDは買わないという決心がぐらついて、ネルソンスさんのブルックナーに続き、お買い上げ。そろそろ断捨離をしないと~と思案していた矢先だったのに、鴨が葱を背負ってくるというありさまでした。ネルソンスさんの演奏は、弱音の場面は、ゆっくり木管のフレーズを大切にして、憂いを感じさせるドン・ファンになっています。バーミンガム市響と比べて演奏時間が長く、ストーリー性のある劇的効果が期待できる演奏です。
CDカップリング:リヒャルト・シュトラウス:管弦楽作品集7枚組BOX ボストン響BSOとゲヴァントLGO アルプス交響曲、影のない女による交響的幻想曲 BSO2017年、ドン・キホーテ、インテルメッツォから4つの交響的間奏曲 チェロ:マ ヴィオラ:アンセル BSO18年、21年、死と浄化(変容)、家庭交響曲 BSO21年、19年録音、英雄の生涯、マクベス LGO21年、ツァラトゥストラはかく語りき、イタリアから LGO21年、ドン・ファン、ブルレスケ ピアノ:ユジャ・ワン、サロメ 7つのヴェールの踊り、メタモルフォーゼン LGO21年、祝典前奏曲 オルガン:ラトリー BSO19年、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯、火の危機から愛の場面 BSO19年、ばらの騎士、泡立ちクリームのワルツ LGO 2021年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クシシュトフ・ウルバンスキ NDRエルプ・フィル 🤗
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 クシシュトフ・ウルバンスキ NDRエルプ・フィル 2016年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Krzysztof Urbański NDR Elbphilharmonie Orchestra
ウルバンスキさんの演奏は、キレがあってスマートです。サクサクとリズミカルに進んで都会的。こんなスレンダーん指揮者がおられると、後ろ姿だけで、つい、ふらっとなりそうです。東響の演奏会に聴きに行きたいです。CDカップリング:CDカップリング:交響詩ドンファン、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯、ツァラトゥストラはかく語りき 2016年録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20 NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by IDOL
フランソワ=グザヴィエ・ロト バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団 🥰
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 フランソワ=グザヴィエ・ロト バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団 2014年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 François-Xavier Roth Orchestra: SWR Sinfonieorchester des Südwestrundfunks
いや~買っちゃったんですよね。このロトさんのR・シュトラウス交響詩全集を。で、半分後悔しつつ(もう、CDは買わないと決めていたのに買っちゃったため)聴き始めたのですが、むははぁ。聴けて良かったです。後悔はぶっ飛びました。ライブ盤なのですが、録音状態が良く、細やかに神経の行き届いた演奏だと思います。ことのほか、弱音部分を聴くとすこぶる綺麗なのです。力任せに行っちゃえというパワーのある演奏が多いのですが、ゆったりとした息づかいで聴かせます。
もちろん、ドン・ファンなので、イケイケ・ドンドン式で、冒頭は勢いがありますが、ラストは、すっとフェードアウトします。そのラスト近く、妙に納得感が感じられました。特に、タメ感があるとか、艶っぽいという表情はないのですが、人生に翳りが見える頃からの表情が良かったかな~という感じです。
CDカップリング:R・シュトラウス交響詩全集5枚組BOX 交響詩「英雄の生涯」2012年、死と変容2012年、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快の悪戯 2012年、ドン・キホーテ チェロ:フランク=ミヒャエル・グートマン 2012年、マクベス 2013年、ツァラトゥストラはかく語りき、2013年、交響的幻想曲イタリアより 2014年、アルプス交響曲 2014年 ドン・ファン 2014年、家庭交響曲2014年、メタモルフォーゼン 2015年録音 YouTubeにおけるカップリングは、アルプス交響曲とドン・ファンです。出典:YouTube Don Juan, Op. 20, TrV 156 SWR Sinfonieorchester des Südwestrundfunks – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
マリス・ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 😘
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 マリス・ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 2014年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Mariss Jansons Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
ヤンソンスさんの演奏は、冒頭の部分で、テンポが恣意的に変わります。「快楽の嵐」って命名されている冒頭のフレーズなのですが、この象徴的な旋律が終わると、無重力状態になって、ぷわぷわします。ヴァイオリンのとろけるフレーズは、ドン・ファンを誘う女性を象徴した旋律だと思います。ヤンソンスさんの演奏で聴くと、甘美で陶酔的。ヴァイオリンのソロ、ヴィオラとチェロは、とても美しくレガートのかかった旋律となっています。
しかし、これを遮るように、ドン・ファンの第2主題が、ホルンで鳴らされます。これからは女たらしを止めようという決意のような主題でしょうか。今までの生き方を、自身で断ち切ろうとする葛藤でしょう。ニコラス・レーナウという詩人が描いた「ドン・ファン」のストーリーでは、僕の求めている愛はこれとは違う。もっと、ホンモノの愛が欲しいと叫ぶドン・ファンらしいのですが、ハハハ~ なにを今更って感じです。まあ、少し緩やかに考えて、世俗的に受け止めて演奏を聴いて良いんじゃないかと思います。
CDカップリング:R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」 2014年、交響詩「英雄の生涯」2011年録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20, TrV 156 バイエルン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
アンドリス・ネルソンス バーミンガム市交響楽団 🙂
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 アンドリス・ネルソンス バーミンガム市交響楽団 2011年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Andris Nelsons City of Birmingham Symphony Orchestra
ネルソンスさんのバーミンガム市響との演奏は、やっぱり勢いがありますね。「快楽の嵐」って命名されている主題フレーズですが、この象徴的な部分が過ぎ去ると、ヴァイオリンの甘美なフレーズが奏でられます。恍惚とした雰囲気となって甘くなりますが、しかし、そこは現代的な演奏。甘すぎず客観的な視点が存在しているようです。
CDカップリング:R・シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき 2012年、ドン・ファン 2011年、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯 2013年録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20, TrV 156 バーミンガム市交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
ファビオ・ルイージ シュターツカペレ・ドレスデン 😘
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ファビオ・ルイージ シュターツカペレ・ドレスデン 2008年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Fabio Luisi Staatskapelle Dresden
ルイージさんの演奏は、しなやかに歌います。カペレとのコラボなので、歌いっぷりが堂に入っている感じがします。まるでオペラの序曲のよう。快楽の嵐という冒頭の旋律は、象徴的に演奏されるので艶ぽさがあります。そして、ヴァイオリンの旋律にのせられ、恍惚感のなかに放り込まれます。
すでに21世紀の演奏なので、カラヤン時代のような陶酔感や恍惚感は、減退しています。しかし、あまりにドライな演奏だと、ドン・ファンらしくなくなってしまいます。ギリどこを狙うのか、アプローチが気になります。ルイージさんの演奏は、多少クールですが、軽やかで華やかなところが魅力です。品の良い美的センスを感じます。弦のしなやかさと、ホルンの第2主題が聴きどころ。ホントの愛が欲しいと叫ぶ愛に飢えたドン・ファンというより、もう少し硬めの気質、論理的な男性像がイメージされました。
CDカップリング:R・シュトラウス 交響詩ドン・ファン、イタリアから 2008年、ドン・キホーテ 2003年 チェロ:ヤン・フォーグラー 2枚組BOX 出典:YouTube Don Juan, Op. 20, TrV 156 ファビオ・ルイージ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical
デイヴィッド・ジンマン チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 😏
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 デイヴィッド・ジンマン チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 2000年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 David Zinman Tonhalle Orchester Zürich
ジンマンさんの演奏は、見通しのよい演奏です。少し軽めの音ですが、金管の明るく広がりのある音と、シンバルの鋭い響きが場を引き締めています。オケの人数が少ないのかと思うほど、内声部、特に木管などのフレーズが良く聞こえており、埋もれがちなフレーズや楽器が、次々に浮かび上がってきます。へえ~ こんな風に演奏されていたのかと、改めて驚きました。全体的に軽めでスレンダーですが、ヴァイオリン・ソロなど、緩く甘美なフレーズになると雰囲気に変わります。フレーズの歌い方も、甘さも持ち合わせています。
特に、金管の音色が暖かく、ラビリンス状態に。次は、スクリャービンに挑戦してよぉと思っちゃったり。スピード感や勢いに押されて聴いていた楽曲なので、内声部を感じることは面白いアプローチですが、全体的な音響バランスとしては、ちょっと不思議感があります。パーツにこだわりすぎて、全体的に立体的に聞えづらいので、細部の探索に参考になる演奏だと思います。
CDカップリング:R.シュトラウス 交響詩ツァラトゥストラはかく語りき、ドン・ファン、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯 管弦楽曲集7枚組BOXより 2000年~03年録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20 デイヴィッド・ジンマン – トピック Provided to YouTube by ARTE NOVA Classics
ヴォルフガング・サヴァリッシュ フィラデルフィア管弦楽団 🤗
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ヴォルフガング・サヴァリッシュ フィラデルフィア管弦楽団 1996年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Wolfgang Sawallisch Philadelphia Orchestra
サヴァリッシュさんの演奏は、どちらかというと、ゆったりとした息づかいで、余裕をもった演奏です。あざとい演奏をする指揮者ではないので、きっちり清潔ですが、タメ感があり、意外と陶酔感も与えてくれるものです。ドン・ファンとは、どちらかというと無縁の、学究肌イメージの指揮者ですが、フィラデルフィア管との相性は良いようで、ちょっぴり羽目を外した熱い演奏を繰り広げてくれます。
なんだか、角がとれた開放的な雰囲気が出てきて、聴いてて嬉しくなります。少しタメもありますし、ティンパニの打ち込みに重量があり、迫力に遜色はありません。もちろん朗々と歌ってくれるし、なだらかなフレージングで、華麗なサウンドがくっついてくるのですから良いですよね。艶のある金管の和音が良かったです。
CDカップリング:2枚組BOX R・シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき、ドン・ファン、1996年、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯 1993年東京ライブ、英雄の生涯 1995年、死と変容 テンシュテット ロンドン・フィル 1982年録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20 ヴォルフガング・サヴァリッシュ – トピック
Provided to YouTube by Warner Classics
ロリン・マゼール バイエルン放送交響楽団 🙂
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ロリン・マゼール バイエルン放送交響楽団 1995年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Lorin Maazel Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
マゼールさんの演奏は、優美で華麗、しなやかにパワフルに描かれています。マゼールさんにしては、良く歌っているように思いますし、ノビ感もあって、木管の響きも良く、バランス型の演奏になっているように思います。いつもなら、もう少し、カチッとした演奏だと思うのですが、弦の弾み具合が頃合いですし、コントラバスも適度に響いて低音にも力があります。
ヴァイオリンのソロ の高音域は、もちろん華麗です。官能的な要素がたっぷり入っている曲ですが、バイエルン放送響の巧さ、優美な音に酔いますね。ハープの音色にうっとり、大きな曲線を描いて奏でられる旋律にうっとり、内声部の明瞭さ、歌いっぷりの豪華さにうっとりです。マゼールさんの指揮というより、これはバイエルン放送響のしっとりした響きが存分に楽しめます。個性的に偏らず良かったのではないでしょうか。アハハ~ ごめん。マゼールさん。録音状態がイマイチなのが難点です。
CDカップリング:R.シュトラウス 管弦楽曲集4枚組BOX 家庭交響曲、交響詩死と変容、ツァラトゥストラはかく語りき、ばらの騎士組曲、ドン・ファン 1995年、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯、英雄の生涯 96年、アルプス交響曲、マクベス 1998年録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20 ロリン・マゼール – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal
クラウディオ・アバド ベルリン・フィル 🙂
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 クラウディオ・アバド ベルリン・フィル 1992年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Claudio Abbado Berliner Philharmoniker
アバドさんの演奏は、92年大晦日ジルベスター・コンサートのライブです。で、このドン・ファンで聴けるヴァイオリンのソロは、当時のコンマスだった安永徹さん。ブルレスケを聴きたいために買ったCDだったのですが、アバドさんのR.シュトラウスって珍しい気がします。もちろん勢いもあり、内声部も綺麗に入っています。派手で見栄っ張り、ご大層な曲ですが、決して勢いだけでなく繊細です。きっと優雅で充実した大晦日だったことでしょう。
CDカップリング:R.シュトラウス ドン・ファン、ピアノと管弦楽のためのブルレスケ、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯、ばらの騎士第3幕三重唱とフィナーレ 1992年ライブ録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20, TrV 156 クラウディオ・アバド – トピックProvided to YouTube by Sony Classical
ジュゼッペ・シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン 😅
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ジュゼッペ・シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン 1991年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Giuseppe Sinopoli Sächsische Staatskapelle Dresden (Staatskapelle Dresden)
シノーポリさんの演奏は、録音が良く壮大な演奏です。これでは人間像を描いたものじゃないような気がするのですが、少し苦笑いしつつも、大らかに歌いあげる姿勢が好ましく感じられました。なんだか、まるで天高くそびえる山を見上げているような雰囲気が漂い、スケールがデカい。これはイタリアオペラのよう。まるで、パヴァロッティさんのように、朗々と大きな声で歌されるような男前のドン・ファンです。そして、最後には、涙目になってしまうほど恥ずかしいぐらいの誇大妄想型のドン・ファンで、悩みゼロのようにも聞こえます。ここまで突き抜けて、壮大に歌いあげてくれる演奏は、他にないかもしれません。さすがに聴き応えがあります。
CDカップリング:R.シュトラウス 交響詩ドン・ファン、交響詩「英雄の生涯」 ヴァイオリン・ソロ:カイ・フォーグラー 1991年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op.20 シュターツカペレ・ドレスデン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
アンドレ・プレヴィン ウィーン・フィル 😍
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 アンドレ・プレヴィン ウィーン・フィル 1990年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 André Previn Wiener Philharmoniker (Vienna Philharmonic Orchestra)
プレヴィンさんの演奏は、とても紳士的で柔らかな演奏です。まろやかに響き、ソロも美しいウィーン・フィルの音色を存分に味わうことができます。華麗な滑り出しで、感触が柔らかく優しい演奏で、ぐいっと大きくのびていきます。ラストに至る場面においても、グチュグチュした悩みではなく、貴族的な世紀末風の憂鬱さです。
ヴァイオリン・ソロは、ライナー・キュッヒルさん。美しい高音域の旋律で、「れどし れみそ~ふぁ ら~ しらそ しどれ みふぁ~」「たらっら~ ららら~ らっらら~」と奏でられると、クラクラしちゃいそうなほど。ウィーン・フィルの艶やかでまろやかな響きに、うっ、美しい。言葉を失います。
CDカップリング:R.シュトラウス 交響詩ドン・ファン、交響詩ドン・キホーテ チェロ:フランツ・バルトロメイ ヴィオラ:ハインリヒ・コル 1990年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 アンドレ・プレヴィン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
リッカルド・ムーティ ベルリン・フィル 😘
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 リッカルド・ムーティ ベルリン・フィル 1989年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Riccardo Muti Berliner Philharmoniker
ムーティさんの演奏は、イマイチ録音がぱっとしないのが難点ですが、まずまず、のびやかに演奏されます。煌びやかさより、しっとりとしたフレーズで、思索っぽく感じられます。ついつい、派手な旋律に耳がひきつけられ、中間部の弱音になった途端、つまんなくなってしまうこともありますが、内省的な雰囲気のなか、クラリネットなどによる木管による苦悩や倦怠感が、品良く演奏されます。とても地味な部分ですが、木管がやはり聴きどころ。ライトモチーフを意識して聴くと、18分程度の楽曲ですが、表情の豊かさ、凝縮したストーリーに気づきます。
CDカップリング:R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」、交響的幻想曲「イタリアより」1989年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クリストフ・フォン・ドホナーニ ウィーン・フィル 😘
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 クリストフ・フォン・ドホナーニ ウィーン・フィル 1989年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Christoph von Dohnányi Wiener Philharmoniker
ドホナーニさんの演奏は、えっ、これVPOなのかと、ちょっと驚きます。強めの金管に荒々しさが感じられる熱い演奏です。まるでお尻に火がついて燃えそうになっているかのようです。ヴァイオリンが入ってくると、エキゾチックな世界に模様替えとなり、再度ビックリします。ブレンドされた美音というよりは、個々の音が分離されたように聞こえますが、複雑に絡み、熱っぽく押してくる旋律に、ハートを絡め取られそうになります。
ドホナーニさんにしては、精緻とは感じない場面もあります。自由に演奏させてますかね~。ティンパニが激しく打ちこまれ、ダダダ ダダダ ダァーっと勢いよく走って行くところは、うーん、品格まで落としてしまいそう。しかし、中間部分になると、木管の存在が浮かび上がってきます。クラとオーボエが、いかにも贅沢な悩み、憂鬱さが甘い旋律になって演奏されます。堅苦しくなく、個々の楽器の主張が聴けた演奏だったように思います。
CDカップリング:R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」、メタモルフォーゼン、交響詩「死と変容」1991年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op.20 TrV 156 Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group
ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 😄
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1988年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Herbert Blomstedt San Francisco Symphony
ブロムシュテットさんの演奏は、爽快で明るく清潔な感じのする醤油風のイケメンです。冒頭より、すごくヌケが良く煌めく彗星のごとく登場します。いささか軽量級で、柑橘系の香りがするような若い男性のようです。身のこなしがスマートで、あまり耽溺に過ごすタイプには感じません。聴き手としての欲を言えば、もう少し遊び心、色気が欲しいでしょうか。ないものねだりをしてスミマセン。
CDカップリング:アルプス交響曲、交響詩ドン・ファン 1988年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op.20 San Francisco Symphony Provided to YouTube by Universal Music Group
セミヨン・ビシュコフ コンセルトヘボウ管弦楽団 🤩
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 セミヨン・ビシュコフ コンセルトヘボウ管弦楽団 1988年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156
ビシュコフさんの演奏は、男っぽく豪快に鳴り、勢いがあります。また、コンセルトヘボウ管から、しなやかな豊穣な響きを出しており、また、静まりかえったシーンにおいても、木管の繊細で芯のある音が紡がれています。これ良いよね~ コンセルトヘボウ管も熱く、めいっぱい鳴らし切った感じで、良い演奏だと思います。
ビシュコフさんのR.シュトラウスの録音は、決して多くなく、ケルン放送響(WDR響)との英雄の生涯、メタモルフォーゼン、ティル、アルプス交響曲、エレクトラ、ばらの騎士全曲ぐらいしかないようです。ちょっと惜しいですよね。交響詩全集ぐらい出して欲しかったです。
CDカップリング:R.シュトラウス 交響詩ツァラトゥストラはかく語りき フィルハーモニア管弦楽団 89年、ドン・ファン コンセルトヘボウ管弦楽団 1988年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20 Concertgebouworkest Provided to YouTube by Universal Music Group
ヘルベルト・ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 😄
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ヘルベルト・ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 1987年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Herbert Blomstedt Staatskapelle Dresden
ブロムシュテットさんの演奏は、オケの美しい響きを堪能することができます。カペレの金管のまろやかな響き、低弦の豊かさ、ホルンを聴くだけでも、惚れてしまいます。バランスの良い録音状態です。演奏は、明るくて元気で、ハキハキと明解に受け答えできる、とても爽やかな青年でございました。
CDカップリング:R.シュトラウス 交響詩ツァラトゥストラはかく語りき、交響詩ドン・ファン 1987年録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20 Symphonic Poem ヘルベルト・ブロムシュテット – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クラウス・テンシュテット ロンドン・フィル 😥
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 クラウス・テンシュテット ロンドン・フィル 1986年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Klaus Tennstedt London Philharmonic Orchestra
テンシュテットさんの演奏は、少々前のめり気味に始まります。「どっどふぁ~そら~ふぁられ~ しふぁ~らしど~」で、スピードを落とさず「たった~ たらら らららっ」と一気に走ります。熱いし、速いし、恋に落ちるスピードは最速かも。あわてん坊というか、せっかちで神経質というか。テンション高く自由奔放なライトモチーフです。
さすがに、ヴァイオリン・ソロが入ってきて、グロッケンシュピールとハープによる初恋のような主題に入ると、とろりとした甘さが。録音状態がイマイチ、美音ではないので大損しています。低音が少なめで腰高です。どうやらチェロによって熱が冷めるよう。再び恋人を見つけたようで、大胆不敵になるようで、大いばりしているかのよう。
英雄的で自信に満ちた演奏から、仮面舞踏会から決闘になり、急速に加齢が進んだかのようにラストに向かうと、ガクンっ。まるで、おじいちゃんになってしまったような気力が萎えて、悲しくなってしまいます。テンシュテットさんの演奏は、一気に人生を駆け抜けて、聴いたあとには虚脱感に襲われます。このラストがねえ~ 印象的な演奏です。
CDカップリング:交響詩ツァラトゥストラはかく語りき 1989年、交響詩ドン・ファン 86年、四つの最後の歌 ソプラノ:ルチア・ポップ 1982年 録音 出典:YouTube R.Strauss Don Juan Op. 20 London Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by Warner Classics
クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 🙂
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 1983年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Claudio Abbado London Symphony Orchestra
アバドさんの演奏を聴く前に、このCDジャケットから受けるインパクトが大きく、クリムトの絵に食い入るように見てしまいます。青春時代には、こんな絵は毒だぁ~と、ちょっと笑いながら思ったり。アバドさんの演奏は、ここまで甘美で陶酔しきったものではなく、勢いの良いさっぱりとしたものです。ソロ・ヴァイオリンは、マイケル・デイヴィスさん。そこまで結末にこだわらないようです。懐かしく聴きました。
CDカップリング:R.シュトラウス 交響詩ドン・ファン、交響詩ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯、交響詩 死と浄化 1983年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 London Symphony Orchestra
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ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 🤩
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1983年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker
カラヤンさんの83年録音の演奏は、華麗でダイナミック。これが、R.シュトラウスの楽曲だと言わんばかり、自信満々に演奏されています。ここまで演奏されると圧巻。文句は言えません。ここまで圧倒的で、他を寄せつけない雰囲気がすると、多少嫌みにも感じるものですが、まあ、ここは存分にゴージャスなサウンドを楽しみましょう。デジタル化に間に合って良かったと思いました。
CDカップリング:R.シュトラウス 交響詩ツァラトゥストラはかく語りき 83年、ドン・ファン 83年、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯 1986年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Berlin Philharmonic Orchestra – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group
アンタル・ドラティ デトロイト交響楽団 🥰
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 アンタル・ドラティ デトロイト交響楽団 1980年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Antal Doráti Detroit Symphony Orchestra
ドラティさんの演奏は、勢いあるスマートな演奏です。小気味よく軽快に出てきて、スイスイと進むもの。ティンパニも、タタタ タン! と歯切れ良く、重量感ある響きで締めています。多くの楽器が多層的に響きますが、調和して響き、とても綺麗な響きでまとまっています。たっぷりと膨らませた美しい曲線で、ヴァイオリンのソロだけでなく、それを支える他の弦のフレージングも、芳醇な香りを放ちます。
マゼールさんの演奏が寒色系なら、ドラティさんの演奏は暖色系です。弦ののびやかな旋律に、多彩な音が気持ち良く彩りを添えて、ゴージャスなものに仕上がっていきます。ふわっとした丸みのある広がり。男性的かつ女性的な身のこなし、音の適度な緩みが、心地良く感じられます。ドラティさんの演奏は、決して緊張を強いないです。
ドン・ファンの第2主題におけるホルンは、遠くからまず鳴って、音量をあげ、また弱くなっていくのですが、柔らかいが芯のある開放的なもの。金管からフルートと鉄琴、低い弦へと目まぐるしく主役(楽器)が変わっていくのですが、この受け渡しの滑らかさが特筆されます。内声部も綺麗に入っており、いろんな楽器の音が繋がり、広がり、流れて行くのが、とても楽しく、面白く聴ける演奏です。
CDカップリング:交響詩ドン・ファン、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら、ツァラトゥストラはかく語り YouTubeにおけるカップリングは、アンタル・ドラティ セレブレーション6枚組BOXです。出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op.20, TrV 156 アンタル・ドラティ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
セルジュ・チェリビダッケ シュトゥットガルト放送交響楽団 😢
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 セルジュ・チェリビダッケ シュトゥットガルト放送交響楽団 1976年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Sergiu Celibidache Swedish Radio Symphony Orchestra
チェリビダッケさんの演奏は、とても遅いというのがお決まりごとですが、ドン・ファンは、他の演奏者と同じスピードで始まります。しかし、うーん、これはいけません。金管はとちってますし、エキストラの演奏かしらと思うほど、いただけません。冒頭部分でこけちゃいましたね。
ゆったりとした場面になると、適度な甘さが出てきて情感も籠ってきます。ヴィオリンのフレーズも、美しさをキープしてくれるのですが、オケ全体的に厚みが足りません。木管、フルートやクラリネットに焦点があたり強調されていますが、甘美なフレーズは、テンポが遅く遅く、溶けちゃって眠くなってくるほど。ドン・ファンは、誰が振っても格好良い楽曲なので、正直、それなりに~聴けちゃいますが、テンポアップすると、ダメダメになってしまい。かなり残念なライブ演奏でした。
CDカップリング:R・シュトラウス ドン・ファン 1976年、死と変容 1982年、レスピーギ ローマの松 1976年録音 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20 セルジュ・チェリビダッケ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 🤩
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1973年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Georg Solti Chicago Symphony Orchestra
ショルティさんの演奏は、男気に溢れた演奏です。いっきに走っていく超快速バージョンで、サクサク、テンポをあげてタタタ タンっ!と小気味よくティンパニが入ってきます。出だしのスカッとした流れは、鋭くて凄い。重くならず一気呵成に流れてきます。リズミカルで弾みます。硬質でクールなのですが、ソロ・ヴァイオリンが入ってくると、宇宙の神秘に触れたような、火星や水星に飛んでいってしまったような感覚です。カラヤンさんの演奏は陶酔型ですが、ショルティさんの演奏は、威勢よく宇宙に放り出されて、無重力世界で宇宙遊泳を楽しんでいるかのようです。
第2主題のホルンは美しく、木管群の柔らかい音が、たっぷり収録されています。単に超重低音志向ではなく、金管の透りも柔らかく、音響を楽しむにはうってつけの音源だと思います。剛毅でかつ繊細、剛柔兼ね備えた演奏は、楽曲を聴く幅を与えてくれるように思います。ウキウキして別空間にワープするような感覚を与えてくれる演奏は、そうそう見つかりそうにもありません。楽しんでください。
CDカップリング:ショルティ R・シュトラウス管弦楽曲集2枚組BOX 英雄の生涯 ウィーン・フィル キュッヘル 77年、ツァラトゥストラはかく語りき シカゴ交響楽団 メイガード 75年、ドン・ファン シカゴ交響楽団 73年、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら シカゴ交響楽団 75年、アルプス交響曲 バイエルン放送響 1979年録音 YouTubeにおいてのカップリングは、アルプス交響曲、ティル、ドン・ファンになっています。出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 😍
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1972年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker
カラヤンさんの演奏は、彼の美意識が楽曲にマッチして、相乗効果を生んでいるっていう感じです。Eテレ「N響アワー」のオープニング音楽が、「ドン・ファン」だったことがあります。現在は「クラシック音楽館」というタイトルで、日曜日夜に放映されていますが、なんて格好良い曲なんだろ~って思っていたもの。
で、カラヤンの演奏は、圧倒的なスピードとパワーで、一気呵成に急上昇。華麗にして豪快。語尾が、ぐぐ~っとのびて、恋に落ちるスピードって、こんなモノなんでしょう。バンジージャンプの反対バージョンですよね。巨大ゴムをつけられて空中に飛びあがっていくような、ロケットにくくりつけられて、宇宙に放り出されたような気分です。ホント、一度聴いたら忘れられない旋律。リヒャルト・シュトラウスって、よく、こんな冒頭旋律を考えつきますよね。やっぱ天才です。
CDカップリング:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、歌劇「サロメ」~7つのヴェールの踊り~ 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ルドルフ・ケンペ シュターツカペレ・ドレスデン 😨
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ルドルフ・ケンペ シュターツカペレ・ドレスデン 1970年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Rudolf Kempe Sächsische Staatskapelle Dresden
ケンペさんの演奏は、間髪入れず、鋭くツッコンできます。ちょっとエキセントリックに、キツク感じる勢いがあります。優美な出だしを想像していたのですが、完全に裏切られて泡を食っちゃいました。メチャ速くて、ついていけない~っ。ひぃ~ こんなに速いのぉ? 前のめりで打ち込んでくるティンパニに驚きました。
で、いつの間にか、ヴァイオリンのソロになっています。気がつけば、夢見心地、迷宮に入り込んでしまった状態です。恋に陥る瞬間っていうのは、こういうモノなのか。瞬時なんだなぁ~と、今更ながらに思った次第です。そして、天にも昇る勢いで駆け上がった後、人生後半に。なんと、枯れ葉舞い散る、虚無感漂う世界へと入ってしまいます。 生き馬の目を抜くような、油断のならない演奏で、まっ、人生ってこんなモンさ、ジェットコースター並みに急上昇、急降下、なんたって速いんだから~振り落とされないようにねと言われているようです。
CDカップリング:R・シュトラウス管弦楽作品全集 9枚組BOXより 交響詩「ドン・ファン」1970年、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」1970年、「ばらの騎士」ワルツ1973年、メタモルフォーゼン1973年録音
出典:YouTube Don Juan Op. 20 (2006 Remastered Version) ルドルフ・ケンペ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ロリン・マゼール ウィーン・フィル 😆
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 ロリン・マゼール ウィーン・フィル 1968年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Lorin Maazel Wiener Philharmoniker
マゼールさんの演奏は、若く、ぎらぎらした煌めくドン・ファンです。エキセントリックな面を感じますが、小憎たらしいほどの勢いがあります。スリリングで、「タタタ タン!」というティンパニの打音の強さ。まばゆいばかりの木管の色彩感など、シャープな輪郭線と、キリリっとした造形美、ほぼ満点のできばえって感じです。
甘美な場面では、ゆったり~くつろいじゃっていますが、フレーズはスッキリ。ヴァイオリンのソロは、細めのヒンヤリした音が流れてきます。高音域のピリッと張りつめた音が乗っかって、コントラストが鮮やか。コントラバスやチェロの音域が不足気味なので、重量感や深み、まろやかさには欠ける嫌いがありますが、このドン・ファンは、マゼールさんの精悍な姿、そのままではないでしょうか。
CDカップリング:R.シュトラウス交響詩集6枚組BOX「ドン・キホーテ」73年メータ、「ドン・ファン」64年マゼール、「マクベス」82年ドラティ、「イタリアより」89年アシュケナージ、「ツァラ」68年メータ、家庭交響曲69年メータ、「死と変容」89年ドホナーニ、「サロメ」7つのヴェールの踊り85年アシュケナージ、アルプス交響曲75年メータ、「メタモルフォーゼン」89年ドホナーニ、「英雄の生涯」68年メータ、「ばらの騎士」組曲83年ドラティ、組曲「町人貴族」66年マゼール、影のない女による交響的幻想曲83年ドラティ、「ティルオーレンシュピーゲルの愉快な悪戯」91年ドホナーニ 出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20 Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group
カール・ベーム ベルリン・フィル 😍
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」カール・ベーム ベルリン・フィル 1963年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Karl Böhm Berliner Philharmoniker
ベームさんとBPOとの演奏は、当時のコンマスであったトーマス・ブランディスさんのヴァイオリンが聴けることでしょうか。柔らかくて硬質的な音、魅惑的なフレージングが聴けることでしょうか。このゆったりとした美音に包まれるとシアワセ~という気持ちになります。オーボエ、クラリネットにも、うっとり。
弦の畳みかける旋律、いっきに上昇する旋律、頂点でふわっと降りてくる旋律、この旋律の妙技に、うっとり。こうなると、もはや空間芸術です。フワフワ宇宙遊泳しているかのような妄想を抱くほどに陶酔します。「どどど どどど どどどっ~ パッパパ~っ」と鳴ってきた金管とティンパニの音で、ワタシの宇宙遊泳用の命綱が、プチンっと切れちゃったんですけどね。妄想の醍醐味を~どうぞ。
CDカップリング:R.シュトラウス 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」1958年、「ドン・ファン」63年、「ティル・オーレンシュピーゲルの愉快な悪戯」1963年、出典:YouTube R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 トーマス・ブランディス – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 😉
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 1960年 R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Otto Klemperer Philharmonia Orchestra of London
クレンペラーさんの演奏は、剛毅な演奏です。音の伸ばしと音量で、ぐぐ~っと押しあげてきます。抜群のキレ味で豪快ですし、甘美な主題は、しなやかに歌っています。剛毅だけでも、甘さもたっぷり~という二刀流。ティンパニは遅れ気味ですが、フルート、クラリネットは滑らか。ハープは、ちょっと遠めで幻想的に聞こえます。第2主題のホルンは、音量の強弱が効果的です。木管の色っぽさ、多くの人に囲まれている主人公の姿、華やかな場面が綺麗に描かれています。最後は、驚くほど静かにフェードアウトし、可哀想に思うほど、あっけない幕引きでした。ドン・ファンは寂しい幕切れだったんだねと、しみじみ~。
CDカップリング:R.シュトラウス交響詩「ドン・ファン」、歌劇「サロメ」~7つのヴェールの踊り~、交響詩「ティル・オイゲンシュピーゲルの愉快ないたずら」1961年録音 出典:YouTube Don Juan, Op. 20 オットー・クレンペラー – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
カール・ベーム シュターツカペレ・ドレスデン 🙂
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」 カール・ベーム シュターツカペレ・ドレスデン 1957年
R. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 Karl Böhm Sächsische Staatskapelle Dresden
録音状態は、モノラルです。このCDは、ベームのR・シュトラウス管弦楽曲3枚組BOX。ベームさんの晩年の演奏しか聴いたことがなかったので、きっと優美で、ゆったりなのだろうと思っていましたが、想像以上に速くて、力強く、熱い演奏です。官能的な旋律美が、存分に味わえます。ステレオ以前の録音ですが、21世紀に聴けることのできること自体が凄いことです。
CDカップリング:R.シュトラウス 3枚組BOX アルプス交響曲 シュターツカペレ・ドレスデン 1957年(モノ)、交響詩「ドン・ファン」シュターツカペレ・ドレスデン 1957年(モノ)、歌劇「ばらの騎士」第3幕のワルツ ベルリン・フィル 1963年、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」ベルリン・フィル 1958年、祝典前奏曲 ベルリン・フィル 1963年 オルガン:ヴォルフガング・メイヤー、交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」ベルリン・フィル 1963年、楽劇「サロメ」7枚のヴェールの踊り ベルリン・フィル 1963年、交響詩「英雄の生涯」シュターツカペレ・ドレスデン 1957年(モノ)ヴァイオリン:エーリッヒ・ミュールバッハ、交響詩「死と変容」シュターツカペレ・ドレスデン 1972年(ザルツブルグ音楽祭 ライブ) 出典:YouTubeR. Strauss: Don Juan, Op. 20, TrV 156 シュターツカペレ・ドレスデン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」【解説】
リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドンファン」(作品20)は、1888年に作曲されています。スペインに伝わる伝説を元に、詩人ニコラウス・レーナウが書いた劇「ドン・ファン・エンデ」に基づくストーリーに触発された曲で、女たらしであるドン・ファンは、理想の女性を見つけようとしていますが、見つけられずに絶望した彼は・・・という筋書きです。実際には、交響詩「マクベス」の後に作曲されたのですが、マクベスは改訂したので、作品番号は、ドン・ファンの方が先になっています。
冒頭、金管が、精力的で活気に満ちた主題を提示します。ソロ・ヴァイオリンが、すぐにロマンティックな旋律を奏で、オーボエがドン・ファンと恋人の仲睦まじい関係を示します。ホルンが遮るように、英雄的で自信にあふれたテーマを奏でます。そのうちに、彼は疲れて憂鬱になり、恋人の父親と決闘をして敗れるというラストを迎えます。こんなストーリーの作品が、大ヒット! 彼の出世作品になりました。
ストーリーだけを見ると、かなり世俗的で、男性なら納得かもしれないんですが、女であるワタシには、ちょっと理解しがたい心情ですけど、格好良い曲です。オーケストレーションは魅力的ですし、親しみやすく聴きやすい。なにより、ドン・ファン以降にも、魅力的な作品が続きます。大ヒットしたからこそ、クラシックを聴く我々も恩恵を受けていると思うので、女たらし的なストーリー性については、まあ、目をつぶることにします。
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「 ドン・ファン」【ディスク情報】
1957年 ベーム シュターツカペレ・ドレスデン G
1960年 クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 EMI
1963年 ベーム ベルリン・フィル G
1968年 マゼール ウィーン・フィル G
1970年 ケンペ シュターツカペレ・ドレスデン EMI
1972年 カラヤン ベルリン・フィル G
1973年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec
1976年 チェリビダッケ シュトゥットガルト放送交響楽団 G
1980年 ドラティ デトロイト交響楽団 Dec
1983年 カラヤン ベルリン・フィル G
1983年 アバド ロンドン交響楽団 G
1986年 テンシュテット ロンドン交響楽団 EMI
1987年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン De
1988年 ビシュコフ コンセルトヘボウ管弦楽団 Ph
1988年 ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec
1989年 ドホナーニ ウィーン・フィル Dec
1989年 ムーティ ベルリン・フィル EMI
1990年 プレヴィン ウィーン・フィル TELARC
1991年 シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン G
1992年 アバド ベルリン・フィル SC
1995年 マゼール バイエルン放送交響楽団 R
1996年 サヴァリッシュ フィラデルフィア管弦楽団 EMI
2000年 ジンマン チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 ARTENOVA
2008年 ルイージ シュターツカペレ・ドレスデン SC
2011年 ネルソンス バーミンガム市交響楽団 G
2014年 ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 BR
2014年 フランソワ=グザヴィエ・ロト バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団 HANSSLER
2021年 ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 G
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