モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲【聴いてみよう】Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299

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モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲【YouTube】

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ピーテル・ヤン・ロイシンク オランダ・バッハ管弦楽団 2017年9月コンサートの模様です。25分02秒の動画です。第1楽章が終わったら拍手が入っています。ありゃ。まあ、ほのぼのした古楽器使用のコンサートです。Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Pieter Jan Leusink The Bach Orchestra of the Netherlands フルート:カチャ・ピテリナ Katja Pitelina ハープ:ビクトリア・デイヴィス Victoria Davies 出典:YouTube Mozart Flute & Harp Concerto K299 Katja Pitelina, Victoria Davies Beleef Klassiek

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲【名盤・おすすめ】

シャロン・ベザリー ジュリー・パロック ユハ・カンガス オストロボスニア室内管弦楽団 🙂

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ユハ・カンガス オストロボスニア室内管弦楽団 2005年
Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Juha Kangas Ostrobothnian Chamber Orchestra

フルート:シャロン・ベザリー Sharon Bezaly
ハープ:ジュリー・パロック Julie Palloc

冒頭こそ、ちょっとキツイかと思ったのですが、その後は、さらっと風が吹いているように演奏されていきます。ベザリーさんは72年生まれイスラエル出身のフルート奏者ですが、現在はスウェーデンに住んでおられるそうです。BISからかなりの枚数のCDが発売されています。出典:YouTube Flute & Harp Concerto in C Major, K. 299 Sharon Bezaly – トピック Provided to YouTube by Naxos Digital Services

アンドレア・グリミネッリ ルイザ・プランディーナ ノリントン ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ 😅

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ロジャー・ノリントン ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ 2003年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Roger Norrington Camerata Salzburg

フルート:アンドレア・グリミネッリ Andrea Griminelli
ハープ:ルイザ・プランディーナ Luisa Prandina

最初こそ、おっとりした演奏かと思ったのですが、気づいたら、えっ速い。軽やかなのは良いのですが、さっぱりしすぎて、ちょっと速すぎですよね。グルミネッリさんは59年生まれのイタリア出身のフルート奏者です。なんだか、せっかち気味で、ノリントンさんのテンポ設定なのかもしれません。コクが出ないうちに終わっちゃった感があります。
第2楽章は、さすがに遅めのテンポで、しっとりしています。第3楽章は、またまた速いですね。ピリオド奏法なので速いのは想定内なのですが、これでは耳を傾けたり、気持ちを預ける余裕がないです。

CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲、フルート協奏曲第1番、第2番、フルートと管弦楽のためのアンダン点 2003年録音 出典:YouTube Mozart: Concerto for Flute, Harp, and Orchestra in C, K.299 – Original Version アンドレア・グリミネッリ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ローベルト・ヴォルフ 吉野直子 アーノンクール ウィーン・コンツェン 🤩

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ニコラウス・アーノンクール ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス 1999年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Nikolaus Harnoncourt Concentus Musicus Wien

フルート:ロベルト・ヴォルフ Robert Wolf
ハープ:吉野直子 Naoko Yoshino

アーノンクールさんの演奏は、最初の音からして、パワフルで、ぱ~んっと一撃を食らった感じです。このオケに比べて、ハープもトラヴェルソも、なんと繊細なことか。地獄の閻魔大王に会った直後に、天空におられる天使たちにお会いした感じです。フラウト・トラヴェルソ(伊:Flauto traverso)は、木管楽器の古楽器の一種で、今日のフルート(モダン・フルート)の前身となった横笛。略して「トラヴェルソ」と呼ばれることも多いようです。素直に良い音色だと思います。吉野さんのハープは、繊細で綺麗で、楚々としており、二人のソリストの音だけで、もう十二分の楽曲だと思うほど。オケは、どっかに行って~。

第2楽章は、心の底から楽しい。ソリスト二人と弦のみなので、天国ですよね。心ゆくまで浮遊感を楽しみながら、美しい音に浸ることができます。前楽章では、オケと戦うハープ、そしてトラヴェルソかもしれません。ここでは、リラックスして演奏されているようで、パララ パララ パラララ。まるで、たなびく雲と光のようなコラボレーションとなっています。残響の美しさが相まって、笛の音の減衰感が、たまりません。

第3楽章は、爽やかな演奏ですが、オケが絡み始めると緊張感が走り、喉元が苦しくなり、弦のボーイングの強さに眉をひそめ、金管が入る直前でやめて~と叫びそうです。まあ、そこまで言うと冗談じみていますが、良い意味で緊張感のある演奏です。

CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 1999年、オーボエ協奏曲99年、オーボエ:ハンス・ペーター=ヴェスターマン、クラリネット協奏曲98年、クラリネット:ヴォルフガング・マイヤー 出典:YouTube Mozart Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 ニコラウス・アーノンクール – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

エマニュエル・パユ マリー=ピエール・ラングラメ アバド ベルリン・フィル 🙂

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 クラウディオ・アバド ベルリン・フィル 1996年
Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299  Claudio Abbado Berliner Philharmoniker

フルート:エマニュエル・パユ Emmanuel Pahud
ハープ:マリー=ピエール・ラングラメ Marie-Pierre Langlamet 

この演奏は、パユさんが26歳頃(1970年生まれ)、EMIにデビューした盤になると思います。92年(22歳頃)に、ベルリン・フィル入団したという方なので、すごい方なのである。演奏の方はとても軽やか。瑞々しさは、もちろん充分に感じられ、ハープの音をしっかり聞いて自分の音を出している感じがします。第2楽章は、落ち着き払って繊細だと思います。ハープのソロの部分は、ソフトに聞こえ、それに合わせるかのようなフルート。ひっそりと歌うように奏でられているところが、控えめで~ 可愛く恥じらうかのように演奏されています。第3楽章は、柑橘系の香りがするような感じです。ハープが少し奥まっている感じがしますが、品の良い演奏です。

CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299、フルート協奏曲第1番ト長調 K.313、フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314 1996年録音 出典:YouTube Mozart Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Emmanuel Pahud Provided to YouTube by Warner Classics

コンラート・ヒュンテラー ヘルガ・シュトルク ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 🙄

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 1993年
Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Frans Bruggen Orchestra of the 18th Century

フルート:コンラート・ヒュンテラー Konrad Hunteler
ハープ:ヘルガ・シュトルク Helga Storck

18世紀オーケストラのメンバーによる演奏です。1720年製の木管フルート、1770年製のハープを使用されているとのこと。少しヌケが宜しくないのと、埋もれてしまって、フルートが弱く感じられるところが残念です。

CDカップリング:モーツァルト フルート協奏曲第1番、第2番94年、アンダンテ(K.315)、フルートとハープのための協奏曲 1991年、93年録音 出典:YouTube Mozart: Concerto for Flute, Harp, and Orchestra in C, K.299 コンラート・ヒュンテラー – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジョシュア・スミス リサ・ウェルパウ ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 🙂

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 クリストフ・フォン・ドホナーニ  クリーヴランド管弦楽団 1993年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Christoph von Dohnányi Cleveland Orchestra

フルート:ジョシュア・スミス Joshua Smith
ハープ:リサ・ウェルパウム Lisa Wellbaum
★ YouTubeには、第三楽章しか掲載されていませんでした。

ドホナーニ盤は、穏やかに、ゆったりと、奥ゆかしく奏でられています。もう少しハープが明瞭に聞こえたら嬉しかったかもしれません。冒頭の一節で、随分と印象が変わる楽曲です。モダン楽器だと、少々重い演奏もありますが、すっきり系です。第2楽章は、ハープを伴奏にしながら、フルートが主題を描きます。フルートの影に隠れたかのようにハープが伴奏型を奏でていきますが、かなり奥ゆかしいです。第3楽章は、さほど活発ではありませんが、ふわーっとしたなかに揺らぎが感じられ、オーボエの輪郭が登場します。森林のなかを軽やかに歩いている雰囲気です。

フルートとハープのセッションももちろん良いのですが、オーボエがアクセントになってて、やっぱりオーボエは、輪郭を鮮やかに際立たせるのに、うってつけの楽器なんだな~と思いました。フルートとハープの主役は、奥ゆかしく落ち着いた演奏でした。

CDカップリング:モーツァルト セレナード第13番、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」1991年、モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 K299 1993年、モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 K364 1991年録音 出典:YouTube Mozart: Concerto for Flute, Harp, and Orchestra in C, K.299: 3. Rondo (Allegro) ジョシュア・スミス – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ケネス・スミス ブリン・ルイス シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 🙂

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ジュゼッペ・シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 1991年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Giuseppe Sinopoli Philharmonia Orchestra

フルート: ケネス・スミス Kenneth Smith
ハープ:ブリン・ルイス Bryn Lewis

シノーポリさんの演奏は、幾分かっちりとしており、クッキリ元気です。木管が美しく艶やかに響き、弦のなかでフルートの二重奏「そらそふぁ み~ れみれど し~」というフレーズが、とても綺麗です。フルートは、軽やかに主題を吹いており柔らかいもの。ハープは、もう少しボリュームがあればより嬉しいかも。オケの弦が流麗にだったのですが、二人の主役が登場したら、少し遠慮気味となります。

繊細でシャイ、品良くまとまっているという感想になるでしょうか。オケは、大きな声で歌いたがっているのに、ソロが、誠実におとなしめ。第2楽章においても、ハープは、そっとフルートに寄り添っています。楚々としており、初々しさを感じちゃうような演奏です。第3楽章においても、やはりシャイです。

第1楽章冒頭のように、艶ぽくヌケるような青空のような、楽しげなルンルンした演奏とはいかなかったようです。くすんだ陰りのあるモーツァルトという演奏です。CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 K.299 (297c)、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 出典:YouTube Mozart: Concerto for Flute, Harp, and Orchestra in C, K.299 ケネス・スミス – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

イレーナ・グラフェナウアー マリア・グラーフ ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 1988年
Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Neville Marriner Academy of St Martin in the Fields

フルート: イレーナ・グラフェナウアー Irena Grafenauer
ハープ:マリア・グラーフ Maria Graf

マリア・グラーフさんは、1956年ミュンヘン生まれのハープ奏者です。グラフェナウアーさんは、57年生まれのスロベニア出身のフルート奏者です。出典:YouTube Mozart: Concerto in C for Flute, Harp, and Orchestra, K.299 イレーナ・グラフェナウアー – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

リザ・ベズノシウク フランシス・ケリー クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 🥰

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1986年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Christopher Hogwood Academy of Ancient Music

フルート: リザ・ベズノシウク Lisa Beznosiuk
ハープ:フランシス・ケリー Francis Kelly

ホグウッドさんの演奏は、古楽器、ピリオド演奏の走りだった頃だったように思います。なんと滋味な風合いの演奏かと驚いたように思いますが、今となっては、定着した感があります。小編成の演奏だと思いますが、綺麗にハープもフルートも聞こえて見通しの良さがあり、チャーミングなフルートという印象を受けます。サロン風の演奏で品良く、軽やかで、つま弾かれるハープの美しさにときめきを感じます。もちろんフルートの通る声は、しっくり落ち着いています。

大人向け演奏というと語弊はあるかもしれませんが、響きに年輪を重ねた風合いが漂う演奏で、シニア向け、通向けの演奏かもしれません。華やかなモーツァルトではないのですが、ホント、しっくり潤いある演奏で、とても好ましく感じられました。えっ、この良さを感じるってことは、もしかして、ワタシが年齢を重ねてしまったってこと~ でしょうか。喜んで良いのかどうか、ちょっと微妙ですが、まっ、仕方ない。CDが発売された時期に聴いていたら、この風合いを楽しむ気持ちになれたかどうか、怪しいです。なんだー滋味じゃん! 渋すぎるわ、で終わっていたのではないかと思います。

CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲、フルート協奏曲第1番、ファゴット協奏曲 1986年~87年 フルート:リザ・ベズノシウク ハープ:フランシス・ケリー ファゴット:ダニー・ボンド 出典:YouTube Mozart: Concerto for Flute, Harp, and Orchestra in C, K.299 リサ・ベズノシューク – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジャン=ピエール・ランパル マリエル・ノールマン イギリス室内管弦楽団 😘

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ジャン=ピエール・ランパル イギリス室内管弦楽団 1979年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299

フルート:ジャン=ピエール・ランパル Jean-Pierre Rampal
ハープ:マリエル・ノールマン Marielle Nordmann

ランパルさんの弾き振り(単独で指揮者は置いておられません)での演奏です。ちょっと速めのテンポで、バタッとした感じがしますが、ランパルさんのフルートは、ふくよかで、ここでも、いかんなく発揮されています。また、ハープのきめの細かい旋律が、とっても気持ち良く感じられます。速いからといって、そっけない感じは一切ないです。63年録音、ハープをラスキーヌが務めておられるパイヤール盤があるのですが、旧録よりも、キレがあるのにコクがあり、華やかさが感じられて嬉しいです。

パイヤール盤は、常にランパルさんの名盤として言われていたように思いますが、ランパルさんの演奏を聴くなら、ワタシ的には、このイギリス室内管との演奏の方が好ましいように思います。ただし、愉悦性は足元にも及ばない感じですし、ランパルさんが一人主役という感じで、全体的には、もう一方の主役であるハープが、少し遠く隠れてしまっている感じです。その点はかなり惜しいと思いました。

CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲、オーボエ協奏曲 オーボエ:ピエール・ピエルロ、ロンドニ長調 K.184 1979年録音 出典:YouTube Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299
ジャン=ピエール・ランパル – トピック
Provided to YouTube by Sony Classical

アンドラーシュ・アドリアン ミルドニアン ミュンヘン室内管弦楽団 🙂

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハンス・シュタットルマイヤー ミュンヘン室内管弦楽団 1979年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Hans Stadlmair Münchener Kammerorchester
フルート:アンドラーシュ・アドリアン András Adorján
ハープ:スザンナ・ミルドニアン Susanna Mildonian
★ YouTubeでは、みつけられませんでした。

この盤は、中古廉価CDを買い求めたように記憶しています。まろやかな響きがあり、親しみやすい演奏です。モーツァルトがパリに滞在していた頃、アマチュア奏者のギーヌ公爵とその娘のために作曲したもの。だから、超テクは必要のないように思います。フルートとハープの組み合わせもは、相性が良いのでしょう。そうそう、フルートのアンドラーシュ・アドリアン(András Adorján)さんは、バイエルン放送交響楽団の首席だったようです。CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲、フルート協奏曲第2番、アンダンテ(kv.315 285e)

ヴォルフガング・シュルツ ニカノール・サバレタ カール・ベーム ウィーン・フィル 😍

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 カール・ベーム ウィーン・フィル 1975年
Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Karl Böhm Wiener Philharmoniker

フルート:ヴォルフガング・シュルツ Wolfgang Schulz
ハープ:ニカノール・サバレタ Nicanor Zabaleta

カール・ベームさんの演奏は、ひとこと優美です。モーツァルトの交響曲も、ゆったりと演奏されますが、このフルートとハープのための協奏曲においても、ゆったり優美、典雅に演奏されています。セカセカした感じのピリオド演奏が流行するとは、よもや思わず。ふわっと暖かい空気に包まれるモーツァルトは、至福の時を味わえるものだったと思います。

ベームさんの晩年にあたる時期なので、余計そう思うのかもしれませんが、ロイヤルな典雅さが、カラダから染み出ている感じがします。サバレタさんのハープは、控えめながらカッチリしており、シュルツさんのフルートは、文字通りウィーン・フィルの音だと思います。第1楽章は、さらっと流れていきながら、春の清流のように華やぎがあります。第3楽章は、のびやかですが、ウィーン・フィルの響きに少し彩度の高いハープが相まって、ちょっとコッテリ。

ゴージャスな料理のようで、満ち足りた雰囲気がします。作曲を依頼した公爵と、その娘さんのコラボレーションを想定して書かれた曲であり、また。晴れの日の花を添える楽曲として、これ以上のものはないように感じます。たおやかな至福の時~。桜の満開シーズンに聴けると、より一層、喜びがますような曲であり、演奏だと感じます。

CDカップリング:モーツァルト クラリネット協奏曲、モーツァルト フルートとハープのための協奏曲(k.299)出典:YouTube Mozart: Concerto for Flute, Harp, and Orchestra in C Major, K. 299 ウルフギャング・シュルツ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ピエール・ランパル ラスキーヌ パイヤール パイヤール室内管弦楽団 🥰

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ジャン=フランソワ・パイヤール パイヤール室内管弦楽団 1963年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Jean-Francois Paillard Chamber Orchestra

フルート:ジャン=ピエール・ランパル Jean-Pierre Rampal
ハープ:リリー・ラスキーヌ Lily Laskine

ランパル、ラスキーヌさんの演奏は、昔っからの名盤として有名です。オケの演奏から、とてもリズミカルで楽しく、いっきに引き込まれていきます。そして、ランパルさんのフルートが入ってくると、ぐっ~っと力強く、軽やかに飛翔していくような軽やかさ。また、ラスキーヌさんのハープは、まるでオルゴールのよう。一粒の音が、しっかりしており、また、テンポにやられてしまいます。とても楽しい。メッチャ面白く聴くことができます。

んチャチャッチャッチャッと、階段を小気味よく、あがりくだりしている感じです。フルートは、別世界の階段をのぼりくだり、ハープの均質的なリズミカルな音の繰り出しに、オケとフルートが、乗せられていくのを見ているようで、聴き手のワタシまでが、カラダが動きます。全く淀みのない旋律と、音の跳ね具合、まるでラテン音楽を聴いているように、自然にカラダが反応する感覚は、とても不思議です。明るく陽気、燦々と陽を浴びが感覚、シャカシャカ踊ってみたくなります。マラカスでも持って踊りに参加したくなっちゃう気分です。

第2楽章は、前楽章においてはハープが主導権を握っていたように感じたのですが、今度は、フルートの長く伸びていく音に耳を傾けていきたくなります。音の繰り出しが絶妙で、波頭を見ているような気分です。んにゃにゃ~ んにゃにゃ~って感じで、わずかに二拍目がうねって出てくる感じです。ワタシの勝手なイメージですが。ハープが、さりげなく寄り添っており、右手小指 高音が、キッとクッキリ立っています。

第3楽章は、快活に、サクサクと進みアクティブ。草書体のオケに、転がるようにフルートが入ってきます。愉悦性の高い演奏です。格調の高い演奏ですが、少し笑いを誘うようなスピーチを聴いている感じです。パンパン、ポンポンっと踊りながら、繰り出されて出てくる音。横に上下に揺れながら進む流麗さ。さすがに名盤だと言われることはあります。恐れ入りました。これは文句なしに拍手だと思います。クラリネット協奏曲とのカップリングされたSACD盤も出ているようです。いつまでも聴き続けたい名演です。

CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299、フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313、アンダンテ ハ長調 K.315 出典:YouTube Flute and Harp Concerto in C Major, K. 299 リリー・ラスキーヌ – トピック Lily Laskine – Topic

ヴェルナー・トリップ フーベルト・イェリネク ミュンヒンガー ウイーン・フィル 🥰 

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 カール・ミュンヒンガー ウィーン・フィル 1962年
Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Karl Münchinger Wiener Philharmoniker

フルート:ヴェルナー・トリップ Werner Tripp
ハープ:フーベルト・イェリネク Hubert Jellinek

トリップさん、イェリネクさん、ミュンヒンガーさんの演奏は、これまた楷書体の演奏です。楷書体なのですが、そこはウィーン・フィルで、なんとまあ、艶っぽい音色が光っています。モーツァルトにしては硬いと思うのですが、いやそこが絶妙というか、何と言うか、気持ち良いんですよね。パリっとしたリネンの敷布のような感覚というか、糊づけのしっかりしたシャツというか。残響も豊かですし、タレッとしてないところが心地良く聞こえます。

なんか迷いますねえ~ ふんわかしたモーツァルトが良いのか、こうパリっとした風合いのモーツァルトが良いのか。うーん、フルートとハープが主役なので、初めっから柔らかいのは決まってるやろ、だから、オケは、裏方にまわって、楷書体で、キビキビ演奏したら良いんだよ~ということなのかもしれません。全体のバランスかなあ。バックが硬い方が、フルートの柔らかさが際立つのかもしれません。

CDカップリング:モーツァルト フルートとハープのための協奏曲、クラリネット協奏曲 アルフレート・プリンツ 1962年録音 出典:YouTube モーツァルト フルートとハープのための協奏曲、クラリネット協奏曲 アルフレート・プリンツ 1962年録音 YouTubeにおけるカップリング:ハープ協奏曲集 ヘンデル、ボワエルデュ、モーツァルト、ディッタースドルフ、グリーエル、ロドリゲス ハープ:マリサ・ロブレス 出典:YouTube Mozart: Concerto for Flute, Harp, and Orchestra in C Major, K. 299 ヴェルナー・トリップ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group 

カールハインツ・ツェラー ニカロール・サバレタ メルツェンドルファー ベルリン・フィル 🙂

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 エルンスト・メルツェンドルファー ベルリン・フィル 1962年 Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Ernst Märzendorfer Berlin Philharmonic Orchestra

フルート:カールハインツ・ツェラー Karlheinz Zoeller
ハープ:ニカロール・サバレタ Nicanor Zabaleta

この演奏は、やっぱ主役は、ハープのサバレタさんでしょうか。豊かな響きで他を圧倒しています。フルートも食われちゃいそうなハープです。
CDカップリング:モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲(K.299)、フランソワ=アドリアン・ボワエルデュー:ハープ協奏曲 ベルリン放送響、ロドリーゴ:コンチェルト・セレナータ ベルリン放送響、ヘンデル:フルート協奏曲(原曲 オルガン協奏曲第6番)ポール・ケンツ66年録音、アルブレヒツベルガー:ハープ協奏曲、ディッタースドルフ:チェンバロ協奏曲のハープ編曲版、ラヴェル 序奏とアレグロ、ドビュッシー 神聖な舞曲と世俗的な舞曲 ポール・ケンツ パウル・クエンツ室内管弦楽団1966年録音 出典:YouTube Mozart: Concerto for Flute, Harp, and Orchestra in C Major, K. 299 カールハインツ・ツェラー – トピックほか Provided to YouTube by Universal Music Group

オーレル・ニコレ ローゼ・シュタイン リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 🙂

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1960年 
Mozart: Concerto for Flute and Harp in C Major, K. 299 Karl Richter Münchener Bach-Orchester

フルート:オーレル・ニコレ Aurèle Nicolet 
ハープ:ローゼ・シュタイン Rose Stein

ニコレさんの演奏で、以前は、テレフンケン(Telefunken)から出ていたものと同じ音源です。楷書体の演奏で、抑揚が少ないと、こんな風になるんだ~と、なんだかつまんない演奏だと感じてしまうのは、やっぱりド素人なんでしょうね。いやホント、カッチリとオケが奏でたあとに、ペラペラと演奏できないですよね。ニコレさんって、こんな風に楷書体で吹いておられたっけ。いや、これが基本・基礎ですと言われてしまいそうな演奏です。リヒターさんの振るオケなので、こうでないとダメなのかも。

CDカップリング:モーツァルト フルート協奏曲第1番、第2番、アンダンテ(K315)、フルートとハープのための協奏曲、ハイドンフルート協奏曲ニ短調、グルック オルフェオとエウリディーチェ精霊の踊り 1960年~62年録音 出典:YouTube Concerto for Flute & Harp in C Major, K. 299 オーレル・ニコレ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲【解説】

モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」K.299は、1778年の作品です。外交官のギーヌ公の娘の家庭教師をしていた際に、アマチュアのフルート奏者であったギーヌ公は、娘が奏でるハープと共演できるような作品を所望したそうです。それがきっかけで、この作品は作曲されたとのこと。快活な両端楽章と、可憐な中間楽章で、とてもチャーミングな楽曲で有名です。特に、第2楽章「アンダンティーノ」は、単独でも演奏されるほど有名です。編成は小さく、フルートとハープのソロ、オーボエ2、ホルン2、ヴァイオリン2部、ヴィオラ2部、コントラバスです。

第1楽章 ハ長調 4/4拍子 独奏楽器を加えたオーケストラのトゥッティが、ハ長調の分散和音による華やかな第1主題を奏して始まり、ピアノとフルートを交替させつつ次第に盛りあがります。

第2楽章 ヘ長調 4/3拍子 展開部を書いたソナタ彩式で、オーボエとホルンを省き、弦だけに抑えた伴奏となっています。ソロのあでやかな音色がひときわ輝き、10小節の優美な第1主題、第2主題が順番に提示されます。ハープの流れる走句を挟んで、すでに提示された三つの旋律が原調に戻って再現され、カデンツァの後、最後は消えていきます。

第3楽章 ハ長調 2/2拍子 ここは、フランス的で、ガヴォット風のリズムを持つロンド主題となっています。
パトロンの要望によって作られた楽曲ですが、あまり高額な報酬は払ってもらえなかったそうです。しかし、フルートとハープがセッションを組み、チャーミングで柔らかな雰囲気を持つサロン風の楽曲です。

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲【ディスク情報】

1960年 オーレル・ニコレ ローゼ・シュタイン リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 PROFIL
1962年 カールハインツ・ツェラー サバレタ メルツェンドルファー ベルリン・フィル G
1962年 ヴェルナー・トリップ フーベルト・イェリネク ミュンヒンガー ウイーン・フィル Dec
1963年 ピエール・ランパル ラスキーヌ パイヤール パイヤール室内管弦楽団 E
1975年 ヴォルフガング・シュルツ ニカノール・サバレタ ベーム ウイーン・フィル G
1979年 アンドラーシュ・アドリアン ミルドニアン ミュンヘン室内管弦楽団 DENON
1979年 ジャン=ピエール・ランパル ノールマン イギリス室内管弦楽団 SC
1986年 ベズノシウク ケリー ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL
1988年 イレーナ・グラフェナウアー マリア・グラーフ マリナー アカデミー室内管弦楽団 Ph
1991年 ケネス・スミス ブリン・ルイス シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 G
1993年 スミス ウェルパウム ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 Dec
1993年 コンラート・ヒュンテラー ヘルガ・シュトルク ブリュッヘン 18世紀オーケストラ Ph
1996年 エマニュエル・パユ マリー=ピエール・ラングラメ アバド ベルリン・フィル EMI
1999年 ローベルト・ヴォルフ 吉野直子 アーノンクール ウィーン・コンツェン TELDEC
2003年 アンドレア・グリミネッリ ルイザ・ブランディーナ ノリントン ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ Universal
2005年 シャロン・ベザリー ジュリー・パロック ユハ・カンガス オストロボスニア室内管弦楽団 BIS

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