リスト:ピアノ協奏曲第2番【聴いてみよう】Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125

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リスト:ピアノ協奏曲第2番【YouTube】

リスト:ピアノ協奏曲第2番 Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 カティア・ブニアティシヴィリさんの演奏です。公式サイトではありませんが、2015年、カティア・ブニアティシヴィリさんの演奏です。視聴回数100万回以上というぶっちぎりの人気で、これは外せない。ものすごくアグレッシヴで、猛烈にテンションの高い演奏です。目も耳も釘付けになってしまいます。出典:YouTube Khatia Buniatishvili – Liszt Piano Concerto no. 2 – L’Orchestre de Paris – Andrey Boreyko Carlos Max Andres

リスト:ピアノ協奏曲第2番【名盤・おすすめ】

アレグザンダー・ウルマン アンドルー・リットン BBC交響楽団

リスト:ピアノ協奏曲第2番 アレグザンダー・ウルマン アンドルー・リットン BBC交響楽団 2021年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Alexander Ullman Andrew Litton BBC Symphony Orchestra

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番、ピアノソナタロ短調 出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 アレクサンダー・ウルマン – トピック Provided to YouTube by PIAS

ダニエル・バレンボイム ピエール・ブーレーズ シュターツカペレ・ベルリン 😏

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ダニエル・バレンボイム ピエール・ブーレーズ シュターツカペレ・ベルリン 2011年 Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Daniel Barenboim Pierre Boulez Staatskapelle Berlin

バレンボイムさんのリスト ピアノ協奏曲第2番の演奏は、2011年6月、ドイツのルール・ピアノ・フェスティヴァルのライヴ演奏です。リスト生誕200年記念だったことからリストを選曲したようです。バレンボイムさんがピアノを弾いて、ブーレーズさんが指揮をするという、スペシャル大御所二人での演奏なのです。もう若いピアニストに任せておけば良いのに~ この曲を選びます? ブーレーズさんが指揮するほどでもないのに。

生誕200年だったら、ファウスト交響曲、ダンテ交響曲を選曲してくれたら嬉しいのにと思っていました。まだまだ若いつもりなのでしょう(と、巨匠に対して失礼な発言。謝)もちろん演奏は、安定したもの。若い演奏家のようにはテンポは速くありませんが、批判めいたことは言えない(言わせない?)たっぷり感のある貫禄のあるリストでした。

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番、6つのコンソレーション第3番、4つの忘れられたワルツ第1番 2011年 出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No. 2 in A, S.125 Daniel Barenboim Provided to YouTube by Universal Music Group

シプリアン・カツァリス アーリル・レンメライト ベルリン・ドイツ交響楽団 🤩

リスト:ピアノ協奏曲第2番 シプリアン・カツァリス アーリル・レンメライト ベルリン・ドイツ交響楽団 2007年 Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Cyprien Katsaris Arild Remmereit Deutsches Symphonie-Orchester Berlin

カツァリスさんの演奏は、さすがに煌めき度の高い演奏です。ライブ演奏なのですが、勢いが俄然ついてきて、燃焼度の高いものとなっています。雪崩落ちシーンだけでなく弾んで、弾んで進むところが個性的です。リストのピアノ協奏曲第2番は、この曲自体が、奇想天外な多様面も持ち合わせているように思うので、カツァリスさんの個性は、ここでは埋もれるのかと思いましたが、心配ご無用という演奏です。あっはは~ 随所に風変わりな節回し、タメ感をもって、快速で進みます。

さっぱり颯爽とした演奏です。オケも、フレーズが細切れになっていたり、ごろごろっと尻上がりになってみたり、やっぱりちょっと変わっています。そもそも繊細な音を出すピアニストなので、静謐なシーンは聴き所が多いです。チェロとのコラボシーンも聴かせますが、泣き節にはならず、ドライでハイ、細切れフレーズっぽいところが個性だと思います。

また、叩きつけるような真似はせず、綺麗に転がるところが、やーーっぱり凄い。また凄いスピードで進みます。金管の明るい咆哮もスピードアップに貢献しているようで、自ら、どこまでも転がっていきます。弾んで、弾んで自ら転がり進むところが、なかなかに面白く聴くことができました。このスピードで雪崩落ちなのかとびっくりしますが、豪快さは影を潜めて、ありゃりゃ~もっと迫力が欲しい、速っ。(と聴きながら、驚いたり、がっかりしたり、超忙しい) たった18分11秒の演奏ですが、いろんな面が飛び交ってきて、盛り沢山の楽曲になっています。

ひとことで感想を述べるとしたら、重量感より、速く弾み舞いあがるような演奏でしょうか。いやいや、もっと深く聴くことができれば、もっと驚きシーンが見つかるかもしれません。

CDカップリング:ハンガリー狂詩曲第2番、3番、7番、5番、2つのエレジー、愛の夢、ピアノのための小品第2番、1~4番1985年ライブ、5番ため息! ピアノ協奏曲第2番 2007年ライブ、アヴァンギャルド、ワーグナーへのオマージュ、哲学者 葬送前奏曲と葬送行進曲、不運、灰色の雲、悲しみのゴンドラ第1番と2番、リヒャルト・ワーグナーの墓に、ピアノ・ソナタロ短調 出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 ベルリン・ドイツ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Believe SAS

アンドレ・ワッツ アンドリュ-・リットン ダラス交響楽団 🙂

リスト:ピアノ協奏曲第2番 アンドレ・ワッツ アンドル-・リットン ダラス交響楽団 1995年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Andre Watts Andrew Litton Dallas Symphony Orchestra

ワッツさんの演奏は、ご無沙汰しております。という感じで拝聴しました。意外とあまりCDをお聴きしてこなかった演奏家ですが、活躍されていて良かったです。優美さを失わないピアノです。雪崩落ちのシーンは迫力があります。左手の低いキーのボリューム感もあり、几帳面な演奏で、一音一音を確実に弾いている感じがします。弾き飛ばすということはないようです。適度な甘さで、律儀そうな性格、感情コントロールです。オケの方は低弦に迫力があり、聴き応えがありました。

CDカップリング:エドワード・マックウェル ピアノ協奏曲第2番、リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番 出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125: Allegro moderato アンドレ・ワッツ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ネルソン・フレイレ ミシェル・プラッソン ドレスデン・フィル 😘

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ネルソン・フレイレ ミシェル・プラッソン ドレスデン・フィル 1995年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Nelson Freire Michel Plasson Dresdner Philharmonie

冒頭のファゴットとクラリネットのフレーズが、テンポゆったり、もの悲しく吹かれています。謎めいたスタートですね。金管が吹かれているなか登場してくるピアノは、繊細な音で美しい。プラッソンさんはフランス人指揮者なので、繊細なリストが聴けるかも~という期待が膨らみます。川底で、岩がゴロゴロ~転がっているような恐ろしい左手の低音は、ガッシリ~ 強い打音でキレキレ。オケも呼応して、厳つさ満載です、頂上では、ツメツメで、動静のメリハリの大きい濃い表現となっています。

爽やかに揺れ動く感情が細やかに描かれ、交互に剛柔が入れ替わる~という曲想の変貌ぶりは、ピアニストとしての表現、腕の見せどころでしょう。また、フレイレさんの繊細さは、存分に発揮されていますし、オケの方も細やか。チェロのフレーズも美音です。押し出しの強さはありませんが、この押しつけがましくない表現が、この演奏の持ち味だと思います。

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番、死の舞踏(ピアノと管弦楽のための S.126) 出典:YouTube Liszt Piano Concerto No. 2 in A Major S.125 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media

ボリス・ベレゾフスキー ヒュー・ウルフ フィルハーモニア管弦楽団 😓

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ボリス・ベレゾフスキー ヒュー・ウルフ フィルハーモニア管弦楽団 1994年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Boris Berezovsky Hugh Wolff Philharmonia Orchestra

ベレゾフスキーさんの演奏は、確かに綺麗に弾かれているのですが、感動が~ ちょっと湧き起こらないです。クールで冷え切って、左手のゴロゴロのアルペジオに恐れを感じます。暖かさがあれば両極の間で、心情が揺れる様を描くことができるのでしょうが、地獄の世界観で終わりそうで~ ドンビキ状態です。

転げ落ちた先が、きっと冷たい世界なのだろうと予感します。聴いてても、一緒に~とはなりづらく、バランスの取れた世界に留まりたい気持ちが強くなり、演奏に引き込まれたくないと身構えてました。心理的に拒否反応というか、シャッターを下ろしたくなりますね。何故なんでしょ。この冷たいクールなピアノ音だからでしょうか。(ワタシの思い込みが激しいだけでしょうか)

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番、死の舞踏 1994年録音 出典:YouTube Piano Concerto No.2 in A major S125 ボリス・ベレゾフスキー – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ジャン=イヴ・ティボーデ シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 🥰

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ジャン=イヴ・ティボーデ シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1990年Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Jean-Yves Thibaudet Charles Dutoit Orchestre Symphonique de Montreal

ティボーデさんの演奏は、余裕を感じさせ、品良くまとまった天使の羽のような演奏です。ピアノとオケが補完し、双方ともに、穏やかで落ち着いた大人の繊細な演奏です。美しい仕上がりです。焼きあがったケーキの香りのようなクラリネット、ピアノは空に舞うかのように浮び、ホルンの深々とした響きは、豪華絢爛な劇を幕開けを促します。

場面が変わると、ピアノの左手は、どどぉ~んと重々しい音で、まるで崖から転げ落ちるかのような怖さ。右手は、宙を舞う天使の羽根のような広がりをみせます。こんな両極端な世界が待ち受けているのです。極端な二面性を持ち合わせた楽曲を弾くピアニストは、どこの位置に座って弾いているのでしょう。ティボーデさんの演奏は、恐怖に駆られるほどの重々しさや派手さはなく、いつも、どこかに美しさが確保されています。

う~ん、天国と地獄のような両極端の世界を、交互に行き交う楽曲だと思っていっていたのですが、ディボーデさんの演奏を聴くと、もしかしたら違うのかもしれない。両曲二つの世界を提示しているんだけど、極端に走って行くものではないような気がしました。相容れないわけではないのか~と思った次第です。ハイ、お粗末な感想で、申し訳ありません。もっと聴いてみますね。

CDカップリング:リスト ハンガリー民謡の主題による幻想曲(S.123)、ピアノ協奏曲第1番、ピアノ協奏曲第2番、死の舞踏(ピアノと管弦楽のための S.126)出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No. 2 in A, S.125  Jean-Yves Thibaudet Provided to YouTube by Universal Music Group

ゾルタン・コチシュ イヴァン・フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 🥰

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ゾルタン・コチシュ イヴァン・フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 1988年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Zoltán Kocsis Iván Fischer Budapesti Fesztiválzenekar

コチシュさんの演奏は、硬質感のある煌めく音によって綴られ、ダイナミックに華麗に、繊細に奏でられており、聴き応えがあります。第1部の冒頭、ゆったり~しっとり。クラリネットをはじめ木管が、幻想の世界に誘うのですが、コチシュさんの演奏だけでなく、ある日は、華麗なる舞台の階段を昇って、雄弁に語り出す感じがしますし、ある日には、いきなり世界が、雪の積もった大地のような世界になったり、清々しい高原に立ってて、さあ~ これから山に登るぞって感になったり、いろんな演奏を聴くと、いろんな場面に遭遇します。ある日は、この曲の持つ雄弁さに気後れして、げんなりする時もあります。

で、コチシュさんの演奏は、硬質感たっぷりの打音で、シャキシャキしたフレージングです。腰が強く、かといって、くどくなく~ さっぱりした感じです。場面展開に応じて、場面ごとに雄弁に語ってくれます。粘りのある低音は、どろん どろん どろん・・・と、 繰り返し、海底から渦巻く凄みのある音が広がってきたりして、打音の強さに驚くものの、煌めきに存分に酔えるものです。

この曲には、六つの場面が用意されており、一冊の本のように、ぎっしり内容が詰まっています。こりゃ演奏するほうも大変です。そんなに、ころころ人格を変えて演奏できるかいっ!と、ぶち切れるかもしれません。でも、コチシュさんは、千両役者のように早変わりに挑戦しています。意外にも楽しんでいるようで、ピアノもオケも、のびのび~ 品良く、美しく、とっても優美で、イメージが膨らむので嬉しくなっちゃう演奏でした。

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番、ワーグナー オペラ・トランスクリプション (ローエングリン 聖堂へ向かうエルザの婚礼と行進、トリスタンとイゾルデ 前奏曲、イゾルデの愛の死、パルシファル 祝典行進曲) トランスクリプションの代わりに、ドホナーニの童話の主題による変奏曲がカップリングされている場合もあります。出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No. 2 in A, S.125 コチシュ・ゾルターン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

クリスティアン・ツィマーマン 小澤征爾 ボストン交響楽団 🥰

リスト:ピアノ協奏曲第2番 クリスティアン・ツィマーマン 小澤征爾 ボストン交響楽団 1987年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Krystian Zimerman Seiji Ozawa Boston Symphony Orchestra

ツィマーマンさんの演奏は、有無を言わせない押さえつけるような圧はありませんが、しなやかにまとわりついてくるような美しさがあります。また、リストのこの曲は、ピアノ協奏曲って言いながら、絵画的です。まるで、ダンテの神曲(地獄篇)をモチーフにした、ボッティチェリの「地獄の見取り図」(Map of Hell)を見ている感じがします。それで、CDのカップリングに、リストのパラフレーズ(死の舞踏 S.126 「怒りの日」 によるピアノと管弦楽のためのパラフレーズ)を持ってきたのかもしれません。

システィーナ礼拝堂のミケランジェロの「最後の審判」や、日本風に言うと地獄絵図という絵画的なイメージがあるのかもしれません。リストは、地獄や悪魔の世界を音にして、へっちゃらに描いてしまう。昔の人は、地獄絵を子供に見せては、嘘はついてはいけないなどと、世の中のルールを、子供に説いていたんだと思うんだけど。

音楽の世界も、天と地が存在することを、まず知っておくべき~と、リストは言いたかったのかもしれません。ひぇ~っ、そんなイメージまで飛んでしまうとは。つぃーマーマンさんの演奏を聴きながら、そう思いました。勝手なワタシのフカヨミですが、わずか20分程度の楽曲のなかに、激しい道行きがあるようです。CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番、死の舞踏 S.126 「怒りの日」 によるピアノと管弦楽のためのパラフレーズ 1987年 出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 クリスティアン・ツィマーマン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ミッシャ・ディヒター アンドレ・プレヴィン ピッツバーグ交響楽団 🙂

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ミッシャ・ディヒター アンドレ・プレヴィン ピッツバーグ交響楽団 1983年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Misha Dichter André Previn Pittsburgh Symphony Orchestra
★ YouTubeにおいて動画はありませんでした。

ミッシャ・ディヒターさんは、1945年生まれのピアニストである。ポーランド人の両親のもとで上海生まれらしい。1966年のチャイコフスキー国際ピアノコンクールで準優勝されており、この盤以外にも、リストのハンガリー狂詩曲などがある。リストのピアノ協奏曲第2番は、冒頭から、なかなかに妖艶な楽曲である。

一応、ワタシは女性なので、ユジャ・ワンさんのようなミニスカート姿は、う~ん。カティア・ブニアティシヴィリさんのお色気にも、あまり、むらむら~とはしない。でも、目のやり場に困る演奏家さんも、おられるし~ 悩ましいところだが、毒舌気味のトークの面白い方もおられるし~ ある意味、エンタメ化しちゃってるかもしれない。

人気がなきゃ~お呼びがないわけで、ピアニストも商売あがったり。強烈な武器をご使用中ってワケであろう。リストの楽曲を聴くには、あまり、よわっちータッチでは、よれよれじゃー聴くに耐えない。実際には、かなり、硬質感のある演奏の方が、良いような気がする。で、ディヒター盤は、オケが、プレヴィンさんだったから買ったような気がするのだが、やっぱり、濃厚なオケで、冒頭から、ゆったり~まどろみのなかって感じ。意外と硬派の面があって、地の底に引きこまれるかのような力強さと、幻惑の世界の境界線上に立っているような楽曲かな~って思うのだが、その両方の世界を、行きつ戻りつ。

引きずり込まれてしまいそうになる危うさがある。リストの楽曲って、いつも、どこかに、メフィストが居るように感じるんだけど、そういう意味からすると、う~ん。当盤には、メフィストさんは、出番がなさそう。通俗的に流れていそうな感じの演奏かなあと思う。ピアノのタッチは、細かく、左手の和音の部分とかはパワーがある。

しかし、粒が立ち上がっていくという感じではない。録音のせいかもしれないが、音が平べったい感じなのだ。プレヴィンさんのオケが、なにげに普通に立派すぎちゃって、全体的にタメ感のある、一般的な、ベタな演奏って気がする。深淵をのぞき込むってところには、ちょっと、どうかなあ。蠱惑的な世界との境界線上に立っているような演奏ってところまでには、ちょっといかないかもしれない。ふつうに~ エンターテインメント寄りのような演奏って感じでしょうか。CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番 1981年、第2番 1983年、リスト 忘れられたワルツ1~2番 1980年、巡礼の年第1年オーベルマンの谷 1980年

クラウディオ・アラウ コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 😥

リスト:ピアノ協奏曲第2番 クラウディオ・アラウ C・デイヴィス ロンドン交響楽団 1979年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Claudio Arrau Colin Davis London Symphony Orchestra

さすがに遅い。痛々しくて最後まで聴けませんでした。第1番も遅めでしたが、ゴージャス感がありました。でも第2番は、さすがに速めに弾かないと、雪崩落ちシーンは、ホントに崩落しちゃいます。危なっかしい演奏で、こちらがヒヤヒヤしちゃって。でも、しっかりと細やかな音が出てきて、オケも堂々とした鳴りっぷりでサポートしきっています。ピアノよりオケのサポートぶりに感動しつつ、晩年にも関わらず熱くなれるところが感動です。

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番 1979年、第2番 1979年、「3つの演奏会用練習曲」第1曲 悲しみ  1976年、第2曲 軽やかさ 1974年、第3曲 ため息 1974年録音 出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No. 2 in A, S.125 クラウディオ・アラウ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ミシェル・ベロフ マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 🙄

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ミシェル・ベロフ マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1977年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Lazar Berman Carlo Maria Giulini Wiener Symphoniker

ベロフさんが、この曲を録音していることに驚きました。なにも、よりによって~という感じでしょうか。ベロフさんには、繊細で内気な楽曲の方が合っていると思います。もちろん、勝手な個人的なイメージなのですが、リストはねえ~ もっと派手な、歌舞伎役者のようなピアニストに任せちゃって良いと思います。サブスクを利用して聴取させていただきました。出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 ミシェル・ベロフ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ラザール・ベルマン カルロ・マリア・ジュリーニ ウィーン交響楽団 😯

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ラザール・ベルマン カルロ・マリア・ジュリーニ ウィーン交響楽団 1976年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Lazar Berman Carlo Maria Giulini Wiener Symphoniker

冒頭から進まない。遅い~っ! CDを所有しているのですが、改めて聴いて、こんなに遅かったかなと驚きました。でも、最後にはつじつまがあうのですが、どうもいただけません。ピアノの粒立ちは良いのですが、最近の演奏を聴くと、うーん やっぱり遅いですね。録音状態は良くないので薦めできませんし、ご参考までに。CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番 1976年 出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No. 2 in A, S.125 ラザール・ベルマン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アルフレート・ブレンデル ベルナルト・ハイティンク ロンドン・フィル 🥰

リスト:ピアノ協奏曲第2番 アルフレート・ブレンデル ベルナルト・ハイティンク ロンドン・フィル 1972年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Alfred Brendel Bernard Haitink London Philharmonic Orchestra

冒頭のクラリネットのフレーズが、とても綺麗で、冒頭だけで、もう既に悩殺されちゃうぐらい濃密。世紀末の絵画のごとく退廃的というか、爛熟した美意識が、これでもかぁと詰まっている感じです。ゆったり~ オケのフレーズも見通し良く、ブレンデルさんの繊細で硬質感のある繊細なピアノ。そして、オケの透明度の高さ、木管の透き通るようなフレーズなどが感じられる場面もあれば、ゴロゴロっという低音のゴツイ、厳めしい音まで、表現の幅が大きいです。

もちろん、聴かせどころのピアノの雪崩落ち、グリッサンドも綺麗にシャープに決まっている。普通に弾いていると、オケに飲め込まれてしまうようなピアノの音が、しっかりと分離されていて、オケの音量に負けてないピアノの響きがあるので、とっても聴きやすい。 見違えるように格調高く聞こえる。国家の品格ならぬ、リストの品格、このブレンデル盤で挽回って感じでしょうか。

このリストの楽曲は、演奏者のアプローチによって、表現の幅が、大きく異なります。ブレンデルさんの演奏は、品の良い上質な感じのする演奏ですが、下町風のベタな演奏も、聴きたくなってしまいます。ど素人はこれだから困る。欲が深いと言われそう~ですね。

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第2番、ピアノ協奏曲第1番、死の舞踏S126/R457 1972年録音 出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No.2 in A, S.125 アルフレート・ブレンデル – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

スヴェトラーノフ・リヒテル キリル・コンドラシン ロンドン交響楽団 🥰

リスト:ピアノ協奏曲第2番 スヴェトラーノフ・リヒテル キリル・コンドラシン ロンドン交響楽団 1961年 Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Sviatoslav Richter Kirill Kondrashin London Symphony Orchestra

リヒテルさんの演奏は、昔っから定盤・名盤として有名な演奏です。硬派の演奏です。性別に例えるのはマズイのかもしれませんが、男性的硬派、英雄的、豪傑、剛毅というような言葉が並ぶように思います。ぐいぐい引っ引っ張っていく力強さを感じます。ひぇー ワタシもひっぱってぇ。

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番 1961年録音 YouTubeにおいては、続きにベートーヴェン ピアノソナタ第10番、19番、20番 1961年録音がカップリングされています。出典:YouTube Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 スヴャトスラフ・リヒテル – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

サンソン・フランソワ コンスタンティン・シルヴェストリ フィルハーモニア管弦楽団

リスト:ピアノ協奏曲第1番 サンソン・フランソワ コンスタンティン・シルヴェストリ フィルハーモニア管弦楽団 1960年 Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Samson François Constantin Silvestri Philharmonia Orchestra

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番 1960年録音 出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 サンソンフランソワ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

タマーシュ・ヴァーシャーリ フェリックス・プロハスカ バンベルク交響楽団

リスト:ピアノ協奏曲第2番 タマーシュ・ヴァーシャーリ フェリックス・プロハスカ バンベルク交響楽団 1959年 Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Tamas Vasary Felix Prohaska Bamberger Symphoniker

出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 ヴァーシャーリ・タマーシュ – トピック Provided to YouTube by Believe SAS

ジョルジュ・シフラ アンドレ・ヴァンデルノート フィルハーモニア管弦楽団 

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ジョルジュ・シフラ アンドレ・ヴァンデルノート フィルハーモニア管弦楽団 1961年 Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Georges Cziffra Andre Vandernoot Philharmonia Orchestra

出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Georges Cziffra – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ジュリアス・カッチェン アタウルフォ・アルヘンタ ロンドン・フィル 😘

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ジュリアス・カッチェン アタウルフォ・アルヘンタ ロンドン・フィル 1957年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Julius Katchen Ataulfo Argenta London Philharmonic Orchestra

カッチェンさんの演奏は、嘘みたいにピアノの粒立ちが良く驚きました。ワタシが所有しているCDは、デッカ・レジェンド・シリーズとして発売されていたもので、かなり古い録音のCDです。リストのピアノ協奏曲といえば、ダントツに1番が有名で、さほど2番は人気がないのですが、この派手でゴージャス極まりない曲は、どうやらかなりのテクニックを要求し、華麗な振る舞いで聴かせどころ、見せどころ満載だということを知った一枚でもありました。勇壮な交響詩のような楽曲で、録音状態も良く、強烈なインパクトを与えました。

第1部は、夢見る世界が優美に描かれている。冒頭、オケの木管フレーズからして、ゆったり~ まどろみのなかから起き上がってくる。そこに粒立ちのホントよろしい、極めてクリアーな音がパラパラと粉雪のように舞い落ちてくる。恐ろしく綺麗で~ ため息が出ちゃうほど。

第2部では、地底を徘徊する怪物さながらのエネルギッシュな場面が描かれている。リストのピアノ曲「2つの伝説」の「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」を思い出した。シフラもチッコリーニも、猛烈なゴリゴリ感のあるピアノを弾いていた。で、この楽曲も、低弦が凄まじい音を立ててくる。ほんと、別録りじゃーないのというほどの、ゴリゴリ感で~ 恐ろしい低弦の独特の響きがする。

坂道を転がってくる巨石に追いかけられているかのような、地響きがする。そこを、優雅にピアノは歩いているのだ。まあ~ ウッソーと思うほどの怖さというか、もちろん音楽的な表現なんだけど~ 勇壮さを超えた猛烈なゴロゴロ感である。

第3部では、またまた、ロマンティックな、夢見る夢子チャン風情の、美しいピアノが聞こえてくる。ここに至ると悪魔的な囁きなんですけどね。行進風のところでは、幾分痩せた金管の音なのだが、低弦の響きがしっかり入っている。で、ラストに向けては、大一番のグリッサンドがあり、オケのうねる音と、高音域からくだり落ちてくるピアノが、猛烈な勢いでぶつかるのだ。まあ、最後には勝利しましたという勝利宣言のように、幕を閉じるのだが~ カッチェン盤を聴いて、ようやく解りました。リストって、恐ろしい人なんだと。

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、第2番、ハンガリー狂詩曲第12番、葬送曲 詩的で宗教的な調べ第7曲、ハンガリー民謡による幻想曲 ガンバ ロンドン響 1955年録音です。YouTubeにおいてのカップリングは、協奏曲2曲の後、ドホナーニ、童謡の主題による変奏曲(作品25)ボールト指揮ロンドン・フィル、リスト「死の舞踏」(怒りの日によるパラフレーズ)、のろい、ハンガリー民謡の主題による幻想曲、シューベルト ピアノ:ホルヘ・ボレット I・フィッシャー ロンドン交響楽団 1984年録音、シューベルト さすらい人幻想曲 ピアノ:ボレット ショルティ ロンドン・フィル となっています。

ロベール・カサドシュ ジョージ・セル クリーヴランド管弦楽団 😮

リスト:ピアノ協奏曲第2番 ロベール・カサドシュ ジョージ・セル クリーヴランド管弦楽団 1952年
Liszt: Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 Robert Casadesus George Szell The Cleveland Orchestra

さすがに古い録音なので、参考までに~ 若いピアニストの演奏を聴くと当然、スピード感に負けるのですが、作品の曲想は、ここから始まったのかなと思ったりします。岩がゴロゴロ言うところは、ギクシャクしていますし、最初はテンポが遅めなので、ぼんやり聴いていたのですが、いや~ びっくり。段々テンションがあがります。

カサドッシュさんの煌めき度も半端なく、キラッキラ。ラストの方になると、グリッサンド(いつもワタシが言う雪崩落ちシーン)は、今の若手ピアニストにも負けない、相当なスピードと圧倒的な迫力で、豪快そのものです。恐れ入りました。完全に脱帽! 敬服いたしました。たしかに今にいたるまでに残る演奏です。サブスクを利用して聴取させていただきました。聴いて良かったです。出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in A Major, S. 125 ロベール・カサドシュ – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

リスト:ピアノ協奏曲第2番【解説】

リストのピアノ協奏曲第2番(イ長調 S.125 R.456)は、1839年に作曲されています。リスト自身が「交響的協奏曲」という名を与えたこともあるこのピアノ協奏曲は、ピアノと管弦楽が一体になった交響詩ともいえる性格です。とても詩的で抒情性が豊かな作品です。1839年に着手して9月には初稿が完成しているのですが、それ以降、補筆や改訂を行い、1848年頃には交響的協奏曲という名称をつけます。

でも、これも取り下げ、1849年には改訂を終えのですが、56年にまた補筆、61年には決定稿と手を入れています。う~ん、すごい熱心に遂行しているんですね。単一楽章で、形式はピアノ協奏曲第1番よりも、さらに自由度が増し、狂詩曲風の性格が浮き彫りにされています。曲の構成は、6つに区分されています。

第1部 アダージョ・ソステヌート・アッサイ 冒頭部で夢幻的な基本主題が提示されます。
第2部 アレグロ・アジタート・アッサイ エネルギッシュな主題が2つ提示されます。
第3部 アレグロ・モデラート 優美で表情豊かな部分で、ロマンティックで美しい世界です。
第4部 アレグロ・デチーソ ダイナミックな部分で、強烈で華々しい表現が印象深くなっているもの。
第5部 マルツィアーレ・ウン・ポコ・メノ・アレグロ 行進曲で、ソナタ形式の再現部に相当する部分です。
第6部 アレグロ・アニマート コーダに相当し、圧倒的なクライマックスに到達して結末を迎えるもの。

1 Adagio sostenuto assai
2 Allegro agitato assai
3 Allegro moderato
4 Allegro deciso
5 Marziale un poco meno allegro
6 Allegro animato
約20分の楽曲ですが、めっちゃくちゃインパクトの強い曲で、豪快でロマンティック。濃厚で~圧倒されます。

リスト:ピアノ協奏曲第2番【ディスク情報】

1952年 カサドシュ セル クリーヴランド管弦楽団 NAXOS
1957年 カッチェン アルヘンタ ロンドン・フィル Dec
1958年 シフラ アンドレ・ヴァンデルノート フィルハーモニア管弦楽団 EMI
1959年 タマーシュ・ヴァーシャーリ フェリックス・プロハスカ バンベルク交響楽団 G
1960年 サンソン・フランソワ シルヴェストリ フィルハーモニア管弦楽団 EMI
1961年 リヒテル コンドラシン ロンドン交響楽団 Ph
1966年 セルジオ・フィオレンティーノ ヴァーノン・ハンドリー ギルドフォード・フィル Piano Classics
1972年 ブレンデル ハイティンク ロンドン・フィル Ph
1976年 ベルマン ジュリーニ ウィーン交響楽団 G
1977年 ミシェル・ベロフ マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 EMI
1979年 アラウ C・デイヴィス ロンドン交響楽団 Ph
1983年 ディヒター プレヴィン ピッツバーグ交響楽団 Ph
1987年 ツィマーマン 小澤征爾 ボストン交響楽団 G
1988年 コチシュ フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 Ph
1990年 ティボーデ デュトワ モントリオール交響楽団 Dec
1994年 ベレゾフスキー ウルフ フィルハーモニア管弦楽団 TELDEC
1995年 フレイレ プラッソン ドレスデン・フィル Berlin
1995年 アンドレ・ワッツ A・リットン ダラス交響楽団 TELARC
2007年 カツァリス アーリル・レンメライト ベルリン・ドイツ交響楽団 PIANO21
2011年 バレンボイム ブーレーズ シュターツカペレ・ベルリン G
2021年 アレグザンダー・ウルマン A・リットン BBC交響楽団 RUBICON

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