エルガー:弦楽セレナード【聴いてみよう】Elgar: Serenade for Strings. Op. 20

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エルガー:弦楽セレナード【YouTube】

エルガー:弦楽セレナード コンセルトヘボウ室内管弦楽団 2016年10月28日コンサートの模様です。12分10秒の動画です。出典:YouTube Elgar: Serenade for Strings – Concertgebouw Chamber Orchestra – Live concert HD AVROTROS Klassiek

エルガー:弦楽セレナード【名盤・おすすめ】

ヴァシリー・ペトレンコ ロイヤル・リヴァプール・フィル 🥰

エルガー:弦楽セレナード ヴァシリー・ペトレンコ ロイヤル・リヴァプール・フィル 2018年
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Vasily Petrenko The Royal Liverpool Philharmonic Orchestra

ペトレンコさんの演奏は、透き通るような弦のフレーズが美しく、いつまでも聴いていたい気持ちにさせます。録音状態も良く、繊細な響きによって穏やかな気持ちに。控えめな抑揚ですが、一定の安定感があり、内省的な感情がコントロールされています。静謐で品よく演奏され、北欧の風をさらっと感じる演奏です。
CDカップリング:エルガー序曲「南国にて」、弦楽セレナード、エニグマ変奏曲 2018年 出典:YouTube Serenade for String Orchestra, Op. 20 ワシリー・ペトレンコ – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

エドワード・ガードナー BBC交響楽団 😘

エルガー:弦楽セレナード エドワード・ガードナー BBC交響楽団 2017年
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Edward Gardner BBC Symphony Orchestra

ガードナーさんのエルガーは、人肌の暖かさを感じさせるものですが、ちょっと不安定な気持ちに傾きがちです。音量の調整で、ふわっとした優しさが伝わります。交響曲も1番、2番と収録されており、シャンドス(レーベル)において、エルガーの楽曲を体系に収録していこうとされているようです。新譜が出てくるのは大変嬉しいです。CDカップリング:エルガー交響曲第2番、弦楽のためのセレナード 2017年録音 出典:YouTube Serenade in E Minor, Op. 20 BBC交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

アンドリュー・デイヴィス フィルハーモニア管弦楽団 🙂

エルガー:弦楽セレナード アンドリュー・デイヴィス フィルハーモニア管弦楽団 2007年
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Andrew Davis Philharmonia Orchestra

A・デイヴィスさんの演奏は、エルガーのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンはエーネスさん)がお目当てだったのですが、弦楽セレナードの演奏は、中音域に厚みがあります。いささかソフトフォーカス気味かなと思います。複数レーベルに収録しており、十八番の楽曲なのでしょう。サブスクを利用して、このONYXから出ている演奏を拝聴しましたが、TELDEC、SIGNUMのレーベルにも収録しています。CDカップリング:エルガー ヴァイオリン協奏曲 ジェームズ・エーネス 弦楽セレナード 2007年 出典:YouTube Serenade For Strings, Op. 20 ジェイムズ・エーネス – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

オーウェン・アーウェル・ヒューズ カメラータ・ウェールズ 😘

エルガー:弦楽セレナード オーウェン・アーウェル・ヒューズ カメラータ・ウェールズ 2005年
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Owain Arwel Hughes Wales Camerata

カメラータ・ウェールズさんの演奏は、感想を書こうと思って聞いてみたのですが、想念が飛ぶという感じで、なんだか心地良すぎるのか、アタマが飛んでしまいます。言葉が出てこないんです。弦の細めのフレーズを追いかけているうちに、すーっと霧が晴れるように、雑念が払われていくような感じ。聴いているだけでシアワセ感が出てきて、コメントは必ずしも要しないと感じます。まるでマッサージをしてもらって、カラダをほぐして貰っている内に、寝ちゃう~とんな感じです。

CDカップリング エルガー 弦楽セレナード、ヒューズ 幻想曲 ウォーロック カプリオル組曲、ディーリアス 小管弦楽のための2つの小品、ホルスト セントポール組曲、エルガー エレジー 2005年~06年録音 出典:YouTube Serenade in E Minor, Op. 20 Wales Camerata – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

クリストファー・ウォーレン=グリーン ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 🤣

エルガー:弦楽セレナード クリストファー・ウォーレン=グリーン ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 2002年
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Christopher Warren-Green Royal Philharmonic Orchestra

残響が多めで、ソフトフォーカス気味で、ふわふわしすぎかもしれません。楽曲の良さに、ついうっとり聴いてしまいます。カッチリした演奏が好みの場合は、イ・ムジチさんなどの演奏をおすすめします。イギリスの弦楽作品がカップリングされているのが嬉しいです。

CDカップリング:V・ウィリアムズ タリスの主題による幻想曲、 ブリテン シンプル・シンフォニー、バターワース 緑の枝垂れ柳の岸辺、 エルガー 弦楽セレナーデ、ホルスト セントポール組曲 出典:YouTube Serenade for Strings. Op. 20 Royal Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

ロジャー・ノリントン シュトゥットガルト放送交響楽団 😘

エルガー:弦楽セレナード ロジャー・ノリントン シュトゥットガルト放送交響楽団 2001年
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Roger Norrington Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR

ノリントンさんの演奏は、まるで弦楽四重奏のような味わいがあります。すきっとした柑橘系の果樹園を訪れたかのような爽やかさ。でも決して甘くないのです。妙に遅めのテンポで、猛烈に気怠くなって、夢見心地の世界に誘われます。まるで催眠術にかけられるかのよう。うーん、ホント、腹立たしいぐらい、恣意的なテンポ設定をしてきます。

正直言って、ノリントンさんとの相性は悪く、このおじちゃんは、いつも変な笑い顔でCDジャケットに収まっています。なので、好きではないのです。ぜーったい、ホルストの惑星なんぞ聞かないぞと思っているほどなのですが、つい、うっかり、このエルガーの弦楽セレナードを、サブスクで聴いちゃいました。で、感想を書く羽目に陥ったというわけです。んーーー腹立たしいっ。ワタシを催眠術にかけるなんてっ。悔しーっ!(変な言いがかり)

CDカップリング:ホルスト 惑星、エルガー 弦楽セレナード 出典:YouTube Serenade in E Minor, Op. 20
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ジュゼッペ・シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 😅

エルガー:弦楽セレナード ジュゼッペ・シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 1989年
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Giuseppe Sinopoli Philharmonia Orchestra of London

弦楽セレナードといえば、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、エルガーと言われるほど、三本の指に入るほど有名な曲となっています。この曲は、エルガーさんの下積み時代の曲です。弦楽合奏って、しみじみ穏やかな曲が多く、 有名どころとしては、R・シュトラウスのメタモルフォーゼン、バルトークのディヴェルティメント、 ストラヴィンスキーのミューズを率いるアポロ、ティペットの2つの弦楽合奏のための協奏曲、V・ウィリアムズのトマス・タリスの主題による幻想曲などがあります。

シノーポリさんの演奏は、録音状態がクリアではないためか、ソフトフォーカスされ残響が多めです。もう少し欲を言えば、拍感覚が欲しいところです。演奏自体も耽溺型で、タレ・ヨレしています。この演奏には、馴染めない方も多いかもしれませんが、ワーグナーのトリスタンとイゾルデのように、別世界行き確定を覚悟して聴けば~ よろしいかと。

CDカップリング:エルガー チェロ協奏曲 1990年 チェロ:マイスキー Mischa Maisky エルガー エニグマ変奏曲 1987年、弦楽セレナーデ 1989年 出典:YouTube Elgar: Serenade For String Orchestra In E Minor, Op.20
フィルハーモニア管弦楽団 トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

チャールズ・グローブス ロイヤル・フィル 🥰

エルガー:弦楽セレナード チャールズ・グローブス ロイヤル・フィル 1988年 
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Charles Groves Royal Philharmonic Orchestra

ブローブスさんの演奏は、たっぷりとした器の大きな演奏です。いかにもイギリス紳士らしく、厚めのツイードを着た、穏やかさ、ゆったりさが特徴でしょうか。教会での録音なので、芳醇で響きが大きく広がり、旋律の抑揚についても、大きなものですが、ガッシリした感じも受けます。イ・ムジチ合奏団のような、ストリングスの精緻さを感じるわけではありませんが、丘陵地に立って、木々を俯瞰し見渡して、大樹の根元に座っているような気分に。大らかさと安定、安心感、風を受ける心地良さが、自然と伝わってきます。

CDカップリング:エルガー 弦楽セレナード、ブリテン フランク・ブリッジの主題による変奏曲、V・ウィリアムズ トマス・タリスの主題による幻想曲、ティペット コレッリの主題による協奏幻想曲 出典:YouTube Serenade for Strings in E Minor, Op. 20 Royal Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by MNRK Music Group

イ・ムジチ合奏団 😘

エルガー:弦楽セレナード イ・ムジチ合奏団 1985年 Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 I Musici

イ・ムジチさんの演奏は、室内楽規模で、精緻なアンサンブルと見通しの良さがあります。録音状態も良く、大変落ち着いた演奏です。エルガーの「弦楽のためのセレナード」は、12分程度の小曲ですが、エネルギーを使い果たして、長いシンフォニーなんて聴いてられないよぉ~という時に、駆け込み寺のように救われ、癒やされる楽曲です。

セレナードって言えば、弦だけで合奏されるので、とても落ち着いた、穏やかな楽曲が多いですね。チャイコフスキー、ドヴォルザークの弦楽セレナード、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、バーバーの弦楽のためのアダージョ 、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」なども有名です。エルガーの弦楽セレナードは、三回目の結婚記念日に、奥さんのキャロラインさんにプレゼントした曲です。ええ~っ、新婚三年目のプレゼントにしては、地味じゃ~ないのかなあ。確かに、美しい旋律が流れてくるのですが、くすんだ色のツイード姿のおじちゃんが、結婚30周年記念に作曲したという気がします。

エルガーの奥さんは、八歳年上なんだそうですが、それにしても、すっかり落ち着いた夫婦のような感じです。売れない作曲家の自分を責めては、奥さんに慰めてもらっていたのか、ホント妙に落ち着いています。第2楽章は、幾分高揚してきますが、ストイックな愛情表現で控えめ。もちろん愛情が、滲み出ているので共感できますが、現代人の若い夫婦には、いささか律儀で控えめすぎる~と言われかねないかも。でも、やっぱり愛してるのね~と、伝わってきます。

CDカップリング: アルビノーニのアダージョ 1982年、パッヘルベルのカノン1982年、ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲ハ長調作品8-6 「喜び」1~3楽章1988年、ハイドン セレナード1982年、ボッケリーニ メヌエット 1982年、モーツァルト アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク~セレナード~1982年、ベートーヴェン メヌエット Wo010-2 1982年、エルガー 弦楽のためのセレナード1985年、ニーノ・ロータ 弦楽のための協奏曲 1985年 出典:YouTube Elgar: Serenade in E minor for String Orchestra, Op. 20
イ・ムジチ合奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 😘

エルガー:弦楽セレナード ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 1968年
Elgar: Serenade for Strings. Op. 20 Neville Marriner Academy of St Martin in the Fields

マリナーさんの演奏は、録音年が古いのですが、約束どおり安定的な演奏です。いつ聞いても、安らぐよなあ~という感じで、なかでも第2楽章は、目頭が熱くなってウルウル状態になってしまいます。涙腺がもろいだけじゃなく、夏休み、田舎のおばあちゃんちに遊びに行って、縁側でうたた寝しちゃったかのような穏やかさや安心感があります。

いつ、いかなる状態の時に聞いても、ある一定の感情に戻してもらえるような演奏というのでしょうか、自分にとってニュートラルに戻れるような演奏です。昭和時代のレトロ感覚の演奏ですが、それが良かったりします。子供の頃に戻りたい心境にもなりますし、とても優しい息づかいが、ここにはあります。音楽を聴くと風景が広がるんですよね~ 平成の生まれの方々に伝わるでしょうか。伝われば嬉しいです。
出典:YouTube Elgar: Serenade for Strings in E Minor, Op. 20 Academy of St Martin in the Fields Provided to YouTube by Universal Music Group

エルガー:弦楽セレナード【解説】

エルガーの弦楽のためのセレナード(ホ短調 作品20)は、1892年に作曲された弦楽合奏のための楽曲です。エルガーが、地元のアマチュアを相手に、ピアノやヴァイオリンを教えたり、指揮者を務めたりしていた頃の作品で、奥さんのキャロライン・アリスさんあてに、結婚記念日のプレゼントとして贈られた楽曲です。初演は1893年。第2楽章「ラルゲット」のみが演奏され、全曲の初演は96年にベルギーで行われています。

ロンドンでの初演は、エルガーが、世界的作曲家としての名声を得てから。エルガーは、1857年生まれなので、35歳頃の作品となるでしょうか。8歳年上の奥さんと結婚してからも、作品が売れず苦労をされていたようで、地元での合唱祭での作品を書いて、段々と認められていったそうです。弦楽セレナードは、そんな下積み時代の作品です。40歳を過ぎて、ようやくエニグマ変奏曲が大ヒット! それ以降は、売れっ子、イギリスを代表する作曲家の一人となっていきます。

3つの楽章で構成され、全曲で約12分の楽曲です。
第1楽章 アレグロ・ピアチェヴォーレ(Allegro piacevole)ホ短調 8/6拍子 三部形式
第2楽章 ラルゲット(Larghetto) ハ長調 4/2拍子
第3楽章 アレグレット(Allegretto) ト長調 8/12~8/6拍子

エルガー:弦楽セレナード【ディスク情報】

1968年 マリナー アカデミー室内管弦楽団 Dec
1985年 イ・ムジチ室内合奏団 Ph
1988年 チャールズ・グローブス ロイヤル・フィル REGIS 
1989年 シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 G
2001年 ロジャー・ノリントン シュトゥットガルト放送交響楽団 HÄNSSLER
2002年 ウォーレン=グリーン ロイヤル・フィル APEX
2005年 オーウェン・アーウェル・ヒューズ カメラータ・ウェールズ BIS
2007年 アンドリュー・デイヴィス フィルハーモニア管弦楽団 SIGNUM
2017年 エドワード・ガードナー BBC交響楽団 CHANDOS
2018年 ペトレンコ ロイヤル・リヴァプール・フィル ONYX

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