ベルリオーズ:交響曲(全4曲)【サクッと】聴いてみよう。Berlioz: 4 Symphonies

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ベリオーズ:交響曲(全4曲)【YouTube】

ベルリオーズの交響曲は、次の4つの作品があります。

1 幻想交響曲 ある芸術家の生活のエピソード Symphonie fantastique; Episode de la vie d’un artiste, 1830年作曲(作品14)全5楽章から構成される最も有名な交響曲です。ちなみに、幻想の続編として作曲された独白劇「レリオ、あるいは生への復帰」Lélio, ou Le retour á la vie(作品14 bis)があります。

2 交響曲「イタリアのハロルド」Harold en Italie 独奏ヴィオラとオーケストラのための交響曲で、1834年に作曲(作品16)されました。

3 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」Roméo et Juliette は、1839年に作曲(作品17)された独唱、合唱と管弦楽のための交響曲です。

4 葬送と勝利の大交響曲 Grande symphonie funèbre et triomphale は、1840年に作曲(作品15)された大編成の軍楽隊と合唱による作品です。

ベルリオーズ:幻想交響曲 エサ=ペッカ・サロネン NDRエルプフィル

ベルリオーズ:「幻想交響曲」エサ=ペッカ・サロネン NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団 2022年1月21日のコンサートの模様です。56分38秒の動画です。Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Esa-Pekka Salonen NDR Elbphilharmonie Orchester 出典:YouTube Hector Berlioz: Symphonie fantastique | Esa-Pekka Salonen | NDR Elbphilharmonie Orchester NDR Klassik

ベルリオーズ:幻想交響曲 アンドレス・オロスコ=エストラーダ hr交響楽団

ベルリオーズ:「幻想交響曲」アンドレス・オロスコ=エストラーダ hr交響楽団 2014年12月12日のコンサートの模様です。1時間3分5秒の動画です。Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Andrés Orozco-Estrada hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Andrés Orozco-Estrada hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony

ベルリオーズ:イタリアのハロルド 今井信子 山田和樹 群馬交響楽団

ベルリオーズ:4部からなるヴィオラ独奏つき交響曲「イタリアのハロルド」 2020年10月30日コンサートの模様です。山田和樹 群馬交響楽団 ヴィオラ:今井信子 Berlioz: Harold en Italie, Op. 16 Nobuko Imai Kazuki Yamada Gunma Symphony Orchestra 出典:YouTube Nobuko Imai playing Harold in Italy (Berlioz), October 2020, Tokyo Nobuko Imai – Violist

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」ダニエル・ハーディング ベルリン・フィル

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」ダニエル・ハーディング ベルリン・フィル 2019年9月14日コンサートの模様です。3分程度、冒頭のみの動画です。Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 Daniel Harding Berliner Philharmo

ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲

ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲 サイモン・ラトル ベルリン・フィル 2013年10月20日フィルハーモニー50周年ガラコンサートの模様です。3分余りのさわりだけの動画ですが、いかに大きな編成か、いつもの配置とは全く異なる配置です。視覚情報が得られたので嬉しいです。

ベルリオーズ:交響曲(全4曲)【名盤・おすすめ】

1 ベルリオーズ:幻想交響曲 クリストフ・エッシェンバッハ パリ管弦楽団 

第1楽章「夢、情熱」 Rêveries, Passions
第2楽章「舞踏会」 Un bal
第3楽章「野の風景」 Scène aux champs
第4楽章「断頭台への行進」 Marche au supplice 
第5楽章「魔女の夜宴の夢」 Songe d’une nuit du Sabbat

ベルリオーズ:幻想交響曲 クリストフ・エッシェンバッハ パリ管弦楽団 2002年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Christoph Eschenbach Orchestre de Paris

幻想交響曲は、とても有名な楽曲です。名盤・おすすめの演奏は星の数ほどありますが、ここでは、エッシェンバッハさんの演奏を掲載します。パリ管弦楽団の演奏で、劇的な効果もあり、もりあがります。後半第4楽章から第5楽章が、熱にうなされた主人公の妄想シーンなので、熱っぽい演奏の方が良いかと思います。また、多少不気味さを持った演奏の方が良いと思います。当演奏は、断頭台への行進曲を繰り返すので興ざめですが、ラストの楽章は、二台のティンパニの打音に迫力があります。出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 クリストフ・エッシェンバッハ – トピック Provided to YouTube by naïve classique

2 ベルリオーズ:4部からなるヴィオラ独奏つき交響曲「イタリアのハロルド」チョン・ミョンフン パリ・バスティーユ管弦楽団

第1楽章 山におけるハロルド、憂愁、幸福と歓喜の情景 Harold aux montagnes
第2楽章 夕べの祈りをうたう巡礼の行進 Marche des Pèlerins
第3楽章 アブルッツィの山人が、恋人に捧げるセレナーデ Sérénade
第4楽章 山賊の饗宴、前の情景の追想 Orgie de brigands

ベルリオーズ:4部からなるヴィオラ独奏つき交響曲「イタリアのハロルド」チョン・ミョンフン パリ・バスティーユ管弦楽団 1994年 Berlioz: Harold en Italie, Op.16 Myung-Whun Chung Orchestre de l’Opéra de la Bastilleヴィオラ:ローラン・ヴェルネイ Laurent Verney

第1楽章 山におけるハロルド、憂愁、幸福と歓喜の情景 Harold aux montagnes
ハロルド(主人公の名前)の行動や心情が、ヴィオラに託されてテーマが演奏されます。最初は、失恋しちゃったの?と聴きたい感じですが、ハープが、ヴィオラの旋律により添ってくると慰めとなり、明るい旋律に変わります。

第2楽章 夕べの祈りをうたう巡礼の行進 Marche des Pèlerins
もの哀しい雰囲気が漂っており、巡礼の行進が描かれています。希望を見いだしたいくせに見いだせない。ヴィオラのハロルドは、お弔いにでも参加しているのか、行列の参加者のようです。

第3楽章 アブルッツィの山人が、恋人に捧げるセレナーデ Sérénade
セレナードとあrますが、冒頭は、お祭りの雰囲気がします。いろんな楽器が登場して、祭りに参加してくる雰囲気になっているようです。村の小さな祭りに参加した人の恋のささやき風景のようで、客観的な視点で描かれています。総体的に、曲が渋く、派手さの少ない第三者的な雰囲気がします。

第4楽章 山賊の饗宴、前の情景の追想 Orgie de brigands
山賊と格闘になって、何故か殺されちゃうという悲劇に急転直下します。幻想交響曲では、断頭台への行進曲があり、ギロチンが落ちるシーンが描かれているのですが、ここでは、バチバチと剣でやり合っているようなフレーズです。何度か聴いたものの、どのフレーズで落命シーンが描かれているのか、はっきり解らずじまいでした。静まりかえったところが、主人公の終焉なのだろうが、ラストは盛り上がって終わるし。

ベルリオーズは、ハッキリ言えない、ウジウジ内気そうな人を主人公に仕立て、派手なオーケストレーションで化粧を施し、結局、悲劇的に終えるストーリーにしちゃうようです。皮肉屋、諧謔的と言うか、天邪鬼みたいです。ワタシ的な感想では、主人公にするなら、やっぱヴァイオリンでしょと思うのですが。ヴィオラにしたところが・・・。
出典:YouTube Berlioz: Harold en Italie, Op.16 Laurent Verney – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

3 ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団

劇的交響曲「ロメオとジュリエット」は、シェークスピアの題材を元にした、大編成のオーケストラに独唱、合唱をともなう合唱付き交響曲です。1839年に作曲され、7年かけて改訂しています。演奏時間は約1時間半です。あまりにも大規模なので、管弦楽のみの部分が演奏されることもあるようです。

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 2017年 Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 Michael Tilson Thomas San Francisco Symphony メゾ・ソプラノ:サーシャ・クック Sasha Cooke テノール:ニコラス・パン Nicholas Phan バス:ルカ・ピサローニ Luca Pisaroni 

ベルリオーズの「ロメオとジュリエット」については、【聴いてみよう】のコーナーで聴き比べをしています。↓

4 ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲 コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団

7月革命の10周年記念式典のためにフランス政府からベルリオーズに依頼された作品です。バスティーユ広場での野外演奏のため、大編成の軍楽隊(吹奏楽)による管楽器の大合奏による交響曲を1840年に作曲しています。構成は、次の三つの楽章からなっており約35分の楽曲です。
第1楽章「葬送行進曲」Marche Funèbre
第2楽章「追悼」Orasion Funèbre
第3楽章「アポテオーズ」栄光の讃歌 Apothéose

ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲 コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 1969年
Berlioz: Symphonie funèbre et triomphale, Op. 15 Colin Davis London Symphony Orchestra

まあ、聴いてびっくり。実際の野外コンサートのためか、軍楽隊の約20分の行進曲で、延々と続きます。7月革命の英雄的犠牲者をバスティーユ広場に運び、そのご遺体を記念碑へ改葬するため、時間配分が決められたのだと想像します。第2楽章の追悼では、テナー・トロンボーンが大活躍し、ほぼソロでの演奏です。第3楽章は、ファンファーレが壮大に演奏されて、栄光の讃歌として盛り上げていきます。

軍楽隊(吹奏楽)の古典的存在のようですが、交響曲という範疇では???でしょうか。野外での式典用楽曲なので、そのつもりで聴いてみてください。コンサートで聴く規模(楽曲)ではないと思います。やっぱデカすぎ。出典:YouTube Berlioz: Symphonie funèbre et triomphale, Op. 15 London Symphony Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲 シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団

ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲 シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1986年
Berlioz: Symphonie funèbre et triomphale, Op. 15 Charles Dutoit Orchestre symphonique de Montréal

CDカップリング:ベルリオーズ レクイエム マゼール クリーヴランド管弦楽団 1978年録音、タントゥム・エルゴ、モテット「来たれ創り主」、万人の聖堂 ノリントン 1969年録音、葬送と勝利の大交響曲 1985年録音 出典:YouTube Berlioz: Symphonie funèbre et triomphale, Op. 15 – 3. Apothéose (Allegro non troppo e pomposo) モントリオール交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲 クリストフ・エッシェンバッハ チェコ・フィル

ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲 クリストフ・エッシェンバッハ チェコ・フィル 1988年
Berlioz: Symphonie funèbre et triomphale, Op. 15 Christoph Eschenbach Česká filharmonie

CDカップリング:ベルリオーズ クレオパトラの死、葬送と勝利の大交響曲 1988年録音 出典:YouTube Grande Symphonie Funebre et Triomphale, Op. 15 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Supraphon

吹奏楽による演奏 第3楽章 ティモシー・レイニッシュ 王立ノーザン音楽大学ウインド・オーケストラ

もともと軍楽隊(吹奏楽)のための楽曲ということで、吹奏楽バージョンをYouTubeで見つけたので、大団円となる第三楽章のみ掲載させていただきます。

ティモシー・レイニッシュ 王立ノーザン音楽大学ウインド・オーケストラ Royal Northern College of Music Wind Orchestra トロンボーン: ジョセフ・アレッシ Joseph Alessi  2000年 出典:YouTube Grande Symphonie funèbre et triomphale, Op. 15 Royal Northern College of Music Wind Orchestra – トピック Provided to YouTube by PIAS

吹奏楽による演奏 第3楽章 パリ警視庁音楽隊

パリ警視庁音楽隊 Musique des Gardiens de la Paix, La
出典:YouTube Grande symphonie funèbre et triomphale, Op. 15: III. Apothéose. Allegro non troppo e pomposo
パリ警視庁吹奏楽団 – トピック Provided to YouTube by Believe SAS

Wikipediaによると、バスティーユ広場に建てられた記念碑 7月革命記念柱は、シャルル10世による復古王政を倒し、オルレアン公ルイ・フィリップによる7月王政をもたらした1830年のフランス7月革命(栄光の三日間)を記念するために建てられたそうです。1840年7月28日の除幕に向け、フランス政府は、1830年革命の犠牲者の遺体の改葬を大々的に祝おうとした。内務相シャルル・ド・レミュザはエクトル・ベルリオーズに「葬送と勝利の大交響曲」の作曲を依頼した。ベルリオーズは国民衛兵の制服を身につけて後ろむきに行進しながら、200人から構成される巨大な軍楽隊を自ら指揮した。とありました。詳細については、↓ Wikipediaをご参照ください。

ベルリオーズの交響曲といえば、幻想交響曲が有名です。しかし、ベルリオーズの交響曲は、次の4つの作品があります。
1 幻想交響曲 ある芸術家の生活のエピソード
2 交響曲「イタリアのハロルド」
3 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」
4 葬送と勝利の大交響曲

ワタシは、ベルリオーズの交響曲といえば、幻想交響曲しか思い浮かびませんでした。イタリアのハロルドは、ヴィオラが主人公役を演じており、協奏曲だと思っていました。ロメオとジュリエットは、バレエ音楽だと重いってて管弦楽曲だと。で、葬送と勝利の大交響曲は、えっ、そんなのあったっけ? 不勉強でした。

今回、この交響曲4曲をサクッと聴いてみましたが、古典的な交響曲からは完全に脱皮して、奇想天外とも言えるような交響曲ばかりで驚きます。ベートーヴェンと比べると、ベートーヴェンは1770年~1827年の人生で、古典派の集大成でありロマン派の先駆けとされています。

ベルリオーズは1803年~1869年の人生で、フランスのロマン派と位置づけられています。彼らの人生、少しかぶっているのですが、ドイツとフランスとの違いと共に、少し時代が動いた感じです。ロマン派の先駆者としてのベルリオーズ。うーん、改めてベルリオーズの革新性を知ることになりました。今回、それが解っただけよかったかなあと思います。

YouTubeにおいてコンサート動画が掲載されている作品は、リンクさせていただきました。また今後、動画が新しく掲載された場合は、追加したりしますので、宜しくお願いします。

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