ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」【聴いてみよう】Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” 

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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」【YouTube】

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 マリア・ジョアン・ピリス 日本では、マリア・ジョアン・ピリス という表記が多くみられますが、Wikipediaにおいては、マリア・ジョアン・ピレシュ という表記。すごい力強いペダルの踏み方で、おっ! びっくり。Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” Maria João Pires 出典:YouTube Maria João Pires – Beethoven – Piano Sonata No 17 in D minor, Op 32 Classical Vault 3

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」【名盤・おすすめ】

アンジェラ・ヒューイット 🙂

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 アンジェラ・ヒューイット 2016年
Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” Angela Hewitt

最近、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを全集完結させたヒューイットさんの演奏です。CDカップリング:ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第17番テンペスト、第13番、第25番、第30番 2016年録音 出典:YouTube Beethoven: Piano Sonata No. 17 in D Minor, Op. 31 No. 2 “Tempest” アンジェラ・ヒューイット – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

マウリツィオ・ポリーニ 😵

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 マウリツィオ・ポリーニ 1988年
Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” Maurizio Pollini

ポリーニさんの演奏は、削ぎ落とし黒光りした鉱石のよう。これが、音楽評論家センセイたちの高い評価を受ける演奏なのかと思いつつ、良さがわからない自分に昔は焦れてました。この演奏、音と音の間、本で言うと行間ってヤツですが、これが、とっても怖い。走りだしてピタッと止まった時に、ぞっ。虚無感に引きづり込まれそう。均質に揃った音の粒が綺麗に並んで機密性の高い演奏なのですが、ほんの一瞬、間が開くんです。この間がイコール魔なんです。

第3楽章は、転がる16分音符が続くのですが、一寸の間もなく、詰めて音を並べていきます。ここでは、無呼吸状態で100メートルを疾走するかのようです。ピアニストは、さらっと無呼吸で走って行くのですが、ワタシは息があがってどっと疲れます。物理的には走ってないのに~ 心臓がバコバコ。ワタシには、とっても無理。いつ聴いても、くらくらっと目眩がします。ワタシの妄想でしょうか。

CDカップリング:ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」2002年、第14番「月光」91年、第23番「熱情」02年、第24番02年、第17番「テンペスト」88年、第21番「ワルトシュタイン」88年、25番88年、26番「告別」88年録音 出典:YouTube Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 -“Tempest” マウリツィオ・ポリーニ – トピック Maurizio Pollini – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group

エミール・ギレリス 🥰

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 エミール・ギレリス 1981年
Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” Emil Gilels

ギレリスさんの演奏って、ホント、鋼ですよね~。思索型なのでしょうが、重すぎず、間合い、色合い、微妙な変化に耳がそばだち~ 音楽の魅力を再発見という感じで、目(耳)から鱗状態になります。改めて、やっぱすごいピアニストだったんだ。(いまさら何を、たわけーっ)と、一喝されそうです。

弱い細かい旋律で走り出しておいて、いったん静まるところの間合いに、考えさせられます。鋼鉄のピアニストっていう評判ですが、この曲に関しては、瞑想的で詩情感があふれており、滲み出てくるような雰囲気があります。間合いのとりかたが、ホント絶妙。グルダさんのように、軽快に快速に飛ばすことなく、穏やかに思索している感じです。

細かく踊る場面では、さほど跳躍しないのですが、左の音の深さに吸い込まれます。際だって粒立ちが良いとか、軽やかとか重いとか、そんな言葉が使えないですね。うかつに声をかけられない、ふっとした間合い。次のセンテンスに移る前に、ふっと音が消えている感じなんです。行間に吸い込まれる感じです。これが深淵なのだ~と、感じちゃう。

第3楽章は、16音符の連続ワザ。柔らかく穏やか。繰り返す間に大きくなっていく感じですが、転がるフレーズは、とてもキュート。シャボン玉のように、ふわっと飛んでいく、なんだこの不思議さわ。タタタん タタタん タタタん ふわっと音が上に昇った感じ。この気持ち良さったらないですね。音だけが持つ魅力。深い~ 久々に鳥肌モノになりました。

CDカップリング:ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」1981年、第21番「ワルトシュタイン」1972年、第26番「告別」1974年録音 出典:YouTube Beethoven: Piano Sonata No. 17 in D Minor, Op. 31 No. 2 “The Tempest” エミール・ギレリス – トピック Emil Gilels – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group

アルフレード・ブレンデル 🙂

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 アルフレート・ブレンデル  1977年
Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” Alfred Brendel

ブレンデルさんの70年代の演奏は、やっぱり繊細で綺麗です。静謐で、幾分かは客観的な感じを受けます。
CDカップリング:ベートーヴェン ピアノソナタ全集 1970年録音:21番、23番、24番、29番、31番、32番、アンダンテフェスティーボ、1972年録音:6番、7番、8番、9番、10番、14番、18番、19番、25番、28番、29番、30番 1977年録音:1番~5番、11番~13番、15番~17番、20番、22番、26番 出典:YouTube Beethoven: Piano Sonata No. 17 in D Minor, Op. 31 No. 2 “The Tempest” アルフレート・ブレンデル – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ウラディーミル・アシュケナージ 🙂

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 ウラディーミル・アシュケナージ 1976年
Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” Vladimir Ashkenazy

アシュケナージさんの演奏は、暖かみのある録音で、優しい演奏です。音が柔らかいので、長所が短所に変わるような場面もあり、突き刺さるような切迫感には、少し~ どうかなあ。しかし、左手のドスンっにパワーがあり、驚かされます。ピアノの音質が、少し湿気て、くぐもった感じです。センテンスのまとまりの良さも、どうかしらん。抑揚が少なめで淡々、熱くもならず~ いきなり終わちゃった感がしました。あまり変化が大きくなかったような気がします。

CDカップリング:ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」1973年、第17番「テンペスト」76年、第26番「告別」1973年録音 出典:YouTube Beethoven: Piano Sonata No.17 in D minor, Op.31 No.2 -“Tempest” ウラディーミル・アシュケナージ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

フリードリヒ・グルダ 😄

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 フリードリヒ・グルダ 1967年
Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” Friedrich Gulda

グルダさんの演奏は、驚くほどテンポが速めで軽やか。活気があって軽妙。リズミカルで爽快で、ワクワクしちゃうテンペストです。えっ、これでいいのぉ~と思いつつ、完全に乗せられちゃいます。嵐なんだけどなあ。テンペストっていう愛称のある第17番は、特に第3楽章が聴きどころだと思っています。

細かいフレーズに追いかけられて始まり、緊張感が走ります。アセ アセッ。で、楔のように打ち込まれていくのです。「テンペスト」っていうタイトルは、お弟子さんのシンドラーが、この曲について、ベートーヴェンに尋ねたところ、シェークスピアの「テンペスト」を読めっ!と言われたことから由来しているのは有名なお話。

暗い夜に、雨が降っているようで、冷たい雨に降られて、ますます落ち込んでしまう。弱り目に祟り目のような暗い楽曲なんですよね~ ワタシは、基本的に明るい曲の方が好きなので、あんまり暗いと~ 苦手です。でも、このグルダさんの演奏は、カラリっと弾き飛ばして、ドスンっとテンポが落ちてうちひしがれ、けれど、また小走りに走り出す感じがして、負けてないでぇ~と応援したくなります。

出典:YouTube Beethoven: Piano Sonata No. 17 in D Minor, Op. 31 No. 2 “The Tempest” フリードリヒ・グルダ – トピック Friedrich Gulda – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group

スヴェトスラフ・リヒテル 🙄

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 スヴェトスラフ・リヒテル 1961年
Beethoven: Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 “Tempest” Sviatoslav Richter

リヒテルさんの演奏は、ん? 収録するときにちょっと疲れていたのかも。いつものパワー気合いが感じられないのはワタシだけ。最初だけだったのかも。エンジンのかかりが遅かったのかもしれません。サブスクで拝聴しました。出典:YouTube Piano Sonata No. 17 in D Minor, Op. 31 No. 2 “The Tempest”スヴャトスラフ・リヒテル – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」【解説】

ベートーヴェンのピアノソナタ第17番ニ短調(作品31-2)は「テンペスト」の通称で知られています。弟子のアントン・シンドラーが、楽曲の解釈について尋ねたとき、シェイクスピアの「テンペスト」を読めと言ったからだとか。
作品31は、3曲のピアノソナタ(第16番、第17番、第18番)に採番されており、1801年~02年初頭、ほぼ同時期に作曲が進められたそうです。三つの楽章で構成されています。

第1楽章 ニ短調4/4拍子 ソナタ形式:幻想的に始まる冒頭の主題は、テンポが変化し、三連符のトレモロが登場します。第2楽章 変ロ長調3/4拍子 展開部を欠くソナタ形式:アルペッジョから始まり、遠く離れた二声部が、対話します。第3楽章 ニ短調3/8拍子 ソナタ形式:熱気を帯びて動き回る無窮動風の楽章です。馬車の走行から着想を得たのだとか。ふむ、目のつけどころがすばらしい。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」【ディスク情報】

1961年 スヴェトスラフ・リヒテル EMI
1967年 フリードリヒ・グルダ
1976年 ウラディーミル・アシュケナージ Dec
1977年 アルフレード・ブレンデル Ph
1981年 エミール・ギレリス G
1988年 マウリツィオ・ポリーニ G
2016年 アンジェラ・ヒューイット HYPERION

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