グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調【YouTube】
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 ピアノ:ニコライ・ルガンスキー ヴァシリー・ペトレンコ スヴェトラーノフ交響楽団 2018年のコンサートの模様です。
出典:YouTube Lugansky – Grieg Piano Concerto in A minor Enchanted Wanderer Nikolai Lugansky Vasily Petrenko Svetlanov Symphony Orchestra
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調【名盤・おすすめ】
デニス・コジュヒン ワシリー・シナイスキー ベルリン放送交響楽団 🙂
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 デニス・コジュヒン ワシリー・シナイスキー ベルリン放送交響楽団 2015年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Denis Kozhukhin Vassily Sinaisky Orchestra: Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
遅めのテンポで、じっくり丁寧に音を置いていくという演奏です。2010年エリザベート王妃国際音楽コンクールの優勝者です。サブスクを利用して拝聴しました。多くの演奏家が、個性を競っている楽曲です。綺麗な音を出すピアニストという印象を受けました。CDカップリング:チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番、グリーグ ピアノ協奏曲 2015年 出典:YouTube Piano Concerto in A Minor, Op. 16 デニス・コジュヒン – トピック Provided to YouTube by PIAS
レイフ・オヴェ・アンスネス マリス・ヤンソンス ベルリン・フィル 😘
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 レイフ・オヴェ・アンスネス マリス・ヤンソンス ベルリン・フィル 2002年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Leif Ove Andsnes Mariss Jansons Berliner Philharmoniker
アンスネスさんの演奏は、機能的ですが、繊細でメラっと熱い演奏です。ティンパニのクレッシェンドに導かれて、ピアノの流れ落ちるようなフレーズで始まりますが、悲劇的なイメージでインパクトがあります。フィヨルドに落ちる落差のある滝をイメージしたものらしいのですが、確かに。緊張感が高まり、いっきに引き込まれます。アンスネスさんの鋭い打音は、澄んだ音がして、ピシャッと氷が割れたかのような一撃を受けます。分散和音の澄んだ音と共に、世界が割れて一気に広がります。
また、木管が良いですね。さりげないスピード感、ふわっと昇っていくところの微妙なニュアンス、聴いててテンションがあがります。柔らかさと深さがあり、メリハリがあって、リズミカルなロマンティックな要素が含まれています。透明度の高さと、新鮮な感覚で、張り詰めた空気感が感じられ、ピアノの音は、すこぶる瑞々しいです。
さらっとした心象風景のようであったり、水面で遊ぶ水鳥のようだったり、水しぶきを感じたり、深く、ゆったりと沈むフレージングのところや、思い入れたっぷりの濃厚な面を持っていたり、氷りの結晶のように感じられたり、深いクレパスにハマったような、厳しさや険しさなど、聴き手が望む要素が、いっぱい詰まっている。単に濃厚な演奏ではなく、凜とした佇まいがある。あっという間に聴き進んでしまう演奏でした。CDカップリング:グリーグ ピアノ協奏曲、シューマン ピアノ協奏曲 出典:YouTube Piano Concerto in A Minor, Op. 16 LeifOveAndsnesTV Provided to YouTube by Warner Classics
オリ・ムストネン ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 😣
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 オリ・ムストネン ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1994年 Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Olli Mustonen Herbert Blomstedt San Francisco Symphony
ムストネンさんのピアノは、どこか風変わりです。音は綺麗ですが、独特のアクセントで船酔いしそうになります。ティンパニのロールは、パンっと正面堂々と鳴りますが、続くピアノのアクセントが、なんだか変なのです。三つの音の最後に、アクセントがあるようで、へっ? ピアノの響きが残らずポツポツ音を置いていくような感じ。ケッタイな感じがします。左手の伴奏の音量が大きめで、優美なフレーズが、つっかえます。喉元で詰まって歌えない、そんな感触です。
ピアノが飛びはねる場面でも、重く、語尾が、タラン タン タラン タンっと動きが鈍いように感じるのです。こねくりまわして、柔らかい曲を、ギクシャク折れ曲げてしまった感がします。階段を下りてくるところも、膝関節の悪い足の痛いおばあちゃんが、ギクシャク前につんのめって降りてくるみたいで~ 膝関節が炎症を起こしているように聞こえて後味が悪いです。 テンポが遅めで~ 二重苦に陥りました。ワタシとは相性が悪いのかなあ。
カップリング:ショパン ピアノ協奏曲第1番、グリーグ ピアノ協奏曲 出典:YouTube Grieg: Piano Concerto in A minor, Op. 16 オッリ・ムストネン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ミシェル・ダルベルト ジャン=ベルナール・ポミエ フィルハーモニア管弦楽団 🙂
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 ミシェル・ダルベルト ジャン=ベルナール・ポミエ フィルハーモニア管弦楽団 1992年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Michel Dalberto Jean-Bernerd Pommier Philharmonia Orchestra of London ★ YouTubeにおける動画はありません。
ダルベルトさんの演奏は、丁寧で律儀な演奏です。音圧が低いせいなのか、迫力に欠けてしまいます。鋭くも抒情的ですが、少し線が弱い感じがしてしまうのです。タメが少なく見得を切るようなことはしません。個性的ではありませんが、明晰で、粒立ちも綺麗で、煌めきが感じられます。
まろやかさ、勇壮さ、重量感もあるのですが、ぐぐ~っと入ってくるパワーが少なく、もう少しスピーディであれば、爽快さが倍増したかもしれません。第2楽章は、深々と歌うピアノで、力強く弾かれています。ありきたりな表現ですが、夜空にまたたく星のようでした。
第3楽章は、ピアノは良いのにね~ どこか、オケが荒いですね。投げやりな音の出し方に聞こえてしまいます。ピアノのソロは、甘く囁くように、繊細です。ンチャ ンチャ・・・というフレーズが入った後、主題が戻ってきますが、熱い舞踏風では、オケが煽っていますが、ピアノは、テンポを変えません。もうちょっと煽られてよぉ~と感じてしまうほど律儀に自分を通します。転がるトリルは、煌めき躍動感もバッチリ。最後は、雄大に終わっていますが、オケとの相性がイマイチだったのかもしれませんね。CDカップリング:シューマン ピアノ協奏曲(ダルベルト エリアフ・インバル ウィーン交響楽団)、グリーグ ピアノ協奏曲
レイフ・オヴェ・アンスネス ドミトリー・キタエンコ ベルゲン・フィル 🥰
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 レイフ・オヴェ・アンスネス ドミトリー・キタエンコ ベルゲン・フィル 1990年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Leif Ove Andsnes Dmitri Kitayenko Bergen Philharmonic Orchestra
若かりし頃(再録)のアンスネスさんの演奏です。1990年がキタエンコさんと、2002年がヤンソンスさん。もちろんオケも、ベルゲン・フィルからベルリン・フィルに変わっていますが、そんなにすぐに録音しなくても~と思いつつも、ヴァージンからEMIにレコード会社(レーベル)が変わっています。新旧いずれも、繊細で細かな音が、縦横無尽に飛び跳ねている清々しい演奏です。それまで、ツィマーマンさんは別格として、重厚な演奏が多かったのですが、ここで一気に空気が変わった感じで~ 目から鱗状態になりました。
CDカップリング:グリーグ ピアノ協奏曲、抒情小曲集第3集、第5集 1990年録音 出典:YouTube Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Provided to YouTube by Warner Classics
ホルヘ・ボレット リッカルド・シャイー ベルリン放送交響楽団 😫
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 ホルヘ・ボレット リッカルド・シャイー ベルリン放送交響楽団 1985年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Jorge Bolet Riccardo Chailly Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
ボレットさんの演奏は、テンポが遅く、レガートが多く、甘くて溶解しそうです。叙情的で、まったり。歌謡風の旋律で三つの音が続きます。第2主題のチェロは、物悲しく、 息が深くて長いので、フィヨルドに落ちる滝のイメージからは、なんだか遠く、ふかふかの落ち葉の公園という風情でしょうか。かなり浪漫的なピアノです。カデンツァは、雄大で、アルプスの山々が連なり、大河が流れているかのような、壮大な光景です。楽章最後のカデンツァも、装飾音たっぷりで、重そうなコーデュロイ風の宮廷衣装をまとっているみたいです。とても粘りがあり、分厚い演奏でした。
CDカップリング:シューマン ピアノ協奏曲、グリーグ ピアノ協奏曲 出典:YouTube Grieg: Piano Concerto in A minor, Op. 16 ホルヘ・ボレット – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クリスティアン・ツィマーマン カラヤン ベルリン・フィル 🥰
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 クリスティアン・ツィマーマン ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1982年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Krystian Zimerman Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker
ツィマーマンさんの演奏は、輝きを持った演奏で気宇壮大。落ち着き払った貫禄のある演奏だと思います。オケは、カラヤンさんなので、主導権はオケにあるのかも。向こうの意見に合わせて、ダイナミックな演奏になったのでしょうか。しかし、ピアノのカデンツァのテンポは、遅めですが、リズミカルで堂々としています。その雄大さに圧倒されちゃいますね。
雄渾な滝を見ているようで、天上高くから、くだり落ちてくる大きな滝のよう。水しぶきを浴びながら、やっぱり美音で綴られているな~と感じます。幾分硬めの音ですが、粒立ち良く煌めきを放って、大きな振幅の幅に圧倒され、劇的で、気宇壮大です。あらがおうと思っても、ついつい引き込まれますね。中間部のピアノソロは、連綿と続く壮大な空間で、高い峰が連なった山々のように、猛々しく堂々としています。
第2楽章は、夢をみているかのよう。カラヤン美学の相乗効果なのでしょうか、ピアノソロは、蜃気楼のように揺らめきながらも、エッジを効かして刻みます。迷いや夢、そんな言葉が一杯詰まった「青春」という代名詞に集約されるかもしれません。ここは白眉ですね。伸縮自在に揺らめきながらも、強い意思を感じます。
第3楽章は、舞曲風の楽章です。ピアノのソロは、歯切れが良いのですが、重めのオケで、レガートかけすぎかな~と感じます。年齢の差だけでなく、アプローチの違いが表面化しちゃったかも。煽られますが、オケが壮大すぎますよね。しかし、そこを鮮烈に、華麗に乗り越えるピアノで、繊細かつ重厚で、ドラマティックな演奏です。
大合奏的に、重々しさに驚かされます。まるで、天空に大きな振り子が振り動いているかのよう。中間部分では、フルートが夜明けを告げるかのようです。叙情性はピカイチ。静かな湖面を見ているかのような清々しさ。再度、舞曲が再開されたときのボルテージのあがりかたは、爽快で痛快です。まるで、オペラの最後の場面のようで、こりゃ~ いくらなんでもオーバーだろうと、のけぞってしまいましたが、豪快で面白かったです。
CDカップリング:シューマン ピアノ協奏曲、グリーグ ピアノ協奏曲 1981年、82年録音 出典:YouTube Grieg: Piano Concerto in A minor, Op. 16 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クラウディオ・アラウ コリン・デイヴィス ボストン交響楽団 😅
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 クラウディオ・アラウ コリン・デイヴィス ボストン交響楽団 1980年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Claudio Arrau Colin Davis Boston Symphony Orchestra
★ YouTubeにおける動画はありませんでした。
アラウさんは、1903年生まれなので、70代後半だったわけで晩年の演奏です。遅めですが、柔らかで馥郁たるピアノタッチです。オケも、穏やかで、大人の優雅な物腰のグリーグです。深々とした息づかいで、別次元の演奏って感じがします。ピアノの音が、人の語る言葉にも聞こえ、耳を傾けざるを得ないのではないでしょうか。とろとろになりかけるほどの浪漫的な演奏ですが、その反面、内省的でもあります。スピーディかつスマートな演奏に引き込まれるのも良いですが、シニア年代の方にとっては、沁みる演奏かもしれません。
まったりとしたコクのある情緒的な演奏で、後ろ髪を引かれるような感じです。これは愛の告白のように聞こえてきます。大変失礼ながら、80歳に近くなった巨匠が、このような色っぽい演奏をなさるとは驚きでした。最後のコーダに至るまで、なんと深くて堂々とした愛情表現だろう。そう思いました。CDカップリング:チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番、グリーグ ピアノ協奏曲
スヴェトラーノフ・リヒテル マタチッチ モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団 😱
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 スヴェトラーノフ・リヒテル ロヴロ・フォン・マタチッチ モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団 1974年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Sviatoslav Richter Lovro von Matacic Monte Carlo National Opera Orchestra
リヒテルさんの演奏は、なんといっても最初のところ。のけぞってしまうほどの強い打音です。いつ聴いても、このことを知っているのに驚かされるという迫真の演奏です。右手のフレーズが強い、ホントに強いっ。それしか言うことがないのかと言われるかもしれませんが、ホント強いです。
また、指揮がマタチッチさんでしょ。この二人の演奏だと、水が流れて落ちてくる滝のよう~なんて、ヤワな表現ではすみません。大きな岩が、ガラガラ落ちてくるという感じでしょうか。いずれも構築姓の高い、堅牢な演奏をされる方です。オケが、モンテカルロですが、迫りく気迫の圧、それでいて繊細さを担保した演奏です。
第1楽章のバラバラバラ~っとアルペジオで弾くところも、聴いていただければ、あながちオーバーな表現ではないと、ご納得いただけるのではないでしょうか。二つの極を巧くバランスをとって演奏する匠の技です。CDカップリング:グリーグ ピアノ協奏曲、シューマン ピアノ協奏曲 1974年録音 出典:YouTube Piano Concerto in A Minor, Op. 16 (2003 Remaster) スヴャトスラフ・リヒテル – トピック
Provided to YouTube by Warner Classics
ラドゥ・ルプー アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 🥰
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 ラドゥ・ルプー アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 1973年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Radu Lupu André Previn London Symphony Orchestra
ルプーさんの演奏は、昔からの名盤と言われるものです。こぞって音楽評論家のみなさんが推してましたね。確かに、透明度の高い繊細な音で綴られていきます。抒情的という言葉が相応しく、息を吸い込んで耳を澄ます~という感じで聴き入ってしまいます。第一音こそ大事とばかりに、ティンパニは抑え気味に叩かれ、ピアノの音に耳を澄まして、控えています。この小さな間合いのなかから、一瞬にして小さな光が生まれたようなピアノ。
オケとピアノのフレーズの受け渡しも絶妙で、常に恋人のように寄り添っています。このオケあってこその、ピアノですね。ホント絶妙な心配りで、アイコンタクトしながら、息をぴったり合わせてきますね。ピアノ以上に、オケに感しました。ちょっとニュアンスが、心地良さを生むポイントなんですね。高級ホテルのおもてなしみたい。
クリスタル的な響きと言われるルプーさんのピアノですが、煌めく場面もあれば、乳白色のように濃くなったりします。特に、弱音部分での美しさに魅入られます。柔らかく、優しい煌めきが感じられます。暖かみある幻想的な風景が浮かぶ第2楽章も、とても素敵で、ふわっと、じわっと、内側から湧き起こる情熱を感じます。「千人に一人のリリシスト」という言葉で、評論家さんたちは賞賛していたようですが、確かに。魂を吸い取られちゃうような演奏です。
CDカップリング:シューマン ピアノ協奏曲、グリーグ ピアノ協奏曲 1973年録音 出典:YouTube Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 ラドゥ・ルプ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
スティーヴン・コヴァセヴィチ コリン・デイヴィス BBC交響楽団 🙂
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 スティーヴン・コヴァセヴィチ コリン・デイヴィス BBC交響楽団 1971年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Stephen Kovacevich Colin Davis BBC Symphony Orchestra
コヴァセヴィチさんの演奏は、息の深くて長い演奏というのではなく、短いパッセージを速めに繰り出してくるものです。さっきまで、ルプーさんの演奏を聴いていたので、即物的ってわけではないのですが、息の短さを感じてしまいました。ロマンティックな演奏ではなく、さっぱり系で、あまり情感を乗せて演奏するという感じはしません。独特の語法があるようです。どちらかといえば散文的です。
CDカップリング:グリーグ ピアノ協奏曲 1971年、シューマン ピアノ協奏曲 1970年録音 出典:YouTube Grieg: Piano Concerto in A minor, Op. 16 スティーヴン・コヴァセヴィチ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ ブルゴス ニューフィルハーモニア管弦楽団 😘
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ フリューベック・デ・ブルゴス ニューフィルハーモニア管弦楽団 1965年 ライブ
ミケランジェリさんの演奏は、劇場型なのでしょうか、鋭さと優しさが、ないまぜになっています。テンポも多少揺れがちで、彼の息の長さによって揺れていくようです。これは、これで個性的で、つい引き込まれますね。元はBBCから出ていたようですが、YouTubeでは、Urania(レーベル)からの演奏がアップされています。CDジャケットが、シュールです。このペンギン怖すぎ~っ 笑
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Arturo Benedetti Michelangeli Rafael Frühbeck de Burgos New Philharmonia Orchestra. CDカップリング:ドビュッシー 映像第1集、第2集、前奏曲第2巻 カノープス、ヒースの荒野 子供の領分 1962年録音、、ラヴェル 夜のガスパール 1959年、リスト 死の舞踏 カヴァツェー二 ローマRAI響 1962年、ピアノ協奏曲第1番 アレクサンダー・ルンブラ NHK交響楽団 1965年、グリーグ ピアノ協奏曲 1965年録音
クラウディオ・アラウ ドホナーニ コンセルトヘボウ管弦楽団 😨
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 クラウディオ・アラウ クリストフ・フォン・ドホナーニ コンセルトヘボウ管弦楽団 1963年 Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Claudio Arrau Christoph von Dohnányi Royal Concertgebouw Orchestra
アラウさんの演奏は、繊細なのだが、ガツンっと力強い打音も入っており、単なる抒情性とは言いがたいものがあります。瀧の水しぶきというよりも、ガレ場で小石が落ちてくる感じでしょうか。楷書体で丁寧に弾かれ、低弦をしっかり弾ききっており力強い演奏です。ピアノもオケも総じて硬めでカッチリ。
第2楽章では、旋律の歌いまわしがニクいです。一つのセンテンスを、山なりを描くみたいに膨らませて進みます。無骨なのですが、指先の力の抜き方が絶妙で、それでいて力強く叩くところは強打し、畳みかけるところは圧が強いというもので、この描き方は芸術的で(って、演奏自体が芸術ですが)ツボにはまります。
第3楽章は、舞曲風の楽章ですが、颯爽という形容詞は似合わず、一音も無駄にしない感じで巌のように硬く感じられます。大きく俯瞰しているような演奏とでも言うのでしょうか。スケールが大きいですね。まるで、氷河全体を描くという感じがし、氷河の崖をよじ登っていくような険しさがあります。いやー ちょっと抒情的な感じとは・・・言いがたいです。凍り付いちゃう、壁に張り付いちゃう感じです。グリーグの25歳作品とは思えず、悲壮感すら漂わせる器の大きい演奏だと思います。デカすぎてビックリでした。
ちなみに、アラウさんは、グリーグがお気に入りだったのか、グリーグのピアノ協奏曲を、1957年、この1963年、1980年に録音しています。CDカップリング:グリーグ ピアノ協奏曲、シューマン ピアノ協奏曲 19963年録音 出典:YouTube Grieg: Piano Concerto in A minor, Op. 16 Concertgebouworkest Provided to YouTube by Universal Music Group
ゲザ・アンダ ラファエル・クーベリック ベルリン・フィル 😍
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 ゲザ・アンダ ラファエル・クーベリック ベルリン・フィル 1963年
Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 Géza Anda Rafael Kubelík Berliner Philharmoniker
ゲザ・アンダさんの演奏は、バトークのピアノ協奏曲のイメージが強いのですが、ここでは、ちゃんとリリカルに演奏されます。(そんなのアタリマエですが~)しかし、基本、なだらかで優しいというよりは、粒立ちのハッキリとした弾み方が、うふっやっぱり。リズミカル傾向にあるようです。
楷書体で音がクリア、とても聴きやすい演奏ですが、独墺系の硬めの音で演奏されます。ふわっとした幻想的な姿ではなく、ハッキリとした意思を持った確固たる自分、揺るぎない、キリリ~っと屹立した姿です。感情の自己管理が行き届いたピアノ、統制のとれたオケという、カッチリした優等生両者の共演だと思います。あっ、決して息苦しい演奏ではありません。第2楽章は、なんて美しいフォルムだろう~と、まるで、ミケランジェロの大理石彫像のようです。ワタシの口からは、カンペキ~っというありきたりな言葉しか出てきませんでした。
CDカップリング:シューマン ピアノ協奏曲、グリーグ ピアノ協奏曲 1963年録音 出典:YouTube:YouTube Grieg: Piano Concerto in A Minor, Op. 16 アンダ・ゲーザ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調【解説】
グリーグ(Grieg)は、ノルウェーの作曲家です。ピアノ協奏曲イ短調(作品16)は、1868年、25歳の時に作曲されたものです。
第1楽章 イ短調 4/4拍子 ソナタ形式 印象的なティンパニのクレッシェンドに導かれて登場する冒頭のピアノの流れ落ちるようなフレーズは、とても有名です。これは、フィヨルドの注ぐ滝の流れを表現したものともいわれ、第1主題は、オーボエからチェロに引き継がれる素朴な形で現れます。
第2主題は、いかにもグリーグらしい「静かに歌うような」旋律で、ごく短い展開部は、第1主題が扱われ、半音ずつ上昇させる形で、管楽器が主題を演奏する後ろでピアノは分散和音で彩られます。型どおりの再現部の後に、非常に長いカデンツァとなり、カデンツァの後に第1主題の一部を弦楽器が仄暗く、その後、コーダに入ります。コーダの最後で、ピアノが冒頭のフレーズを再現して終わるもの。
第2楽章 変ニ長調 3/8拍子 複合三部形式 弱音器をつけた弦楽器が、柔らかい充実した和音の旋律を奏でます。ようやく現れるピアノのパートは、この旋律を受け継ぎなら発展されるパッセージで印象的なものです。管弦楽に支えられたピアノが主題を強奏し、なごりを惜しむかのように、次第に静かに消えていきます。
第3楽章 イ短調 2/4拍子 ロンドソナタ形式 第2楽章からはアタッカによって繋がっています。前楽章とはうってかわって軽快です。中間部では、独奏フルートが三連符を含む叙情的な第2主題を歌い、終結部は、第2主題を管弦楽とピアノで合奏して壮大に終わります。冒頭、ティンパニが勇壮に叩かれ、ピアノの音が滝のように流れ落ちます。ピアニストによっては、滝ではなく岩が落ちてくるような~ そんな雰囲気かもしれません。多くのピアニストが、各人各様表情豊かに演奏しています。
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調【ディスク情報】
1963年 アンダ クーベリック ベルリン・フィル G
1963年 アラウ ドホナーニ コンセルトヘボウ管弦楽団 Ph
1965年 ミケランジェリ ブルゴス ニューフィルハーモニア管弦楽団 Urania
1970年 スティーヴン・コヴァセヴィチ コリン・デイヴィス BBC交響楽団 Ph
1973年 ルプー プレヴィン ロンドン交響楽団 Dec
1974年 リヒテル マタチッチ モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団 EMI
1980年 アラウ C・デイヴィス ボストン交響楽団 Ph
1982年 ツィマーマン カラヤン ベルリン・フィル G
1985年 ボレット シャイー ベルリン放送交響楽団 Dec
1990年 アンスネス キタエンコ ベルゲン・フィル E(VC)
1992年 ダルベルト ポミエ フィルハーモニア管弦楽団 DENON
1994年 ムストネン ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec
2002年 アンスネス ヤンソンス ベルリン・フィル EMI
2013年 ルガンスキー ケント・ナガノ ベルリン・ドイツ交響楽団 Ambroisie
2015年 デニス・コジュヒン ワシリー・シナイスキー ベルリン放送交響楽団 PENTATONE
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