ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」【聴いてみよう】Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79

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ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」【YouTube】

ダニエル・ハーディング ベルリン・フィル

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」ダニエル・ハーディング ベルリン・フィル 2019年9月14日コンサートの模様です。3分程度、冒頭のみの動画です。Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 Daniel Harding Berliner Philharmoniker 出典:YouTube Berlioz: Roméo et Juliette / Harding · Berliner Philharmoniker Berliner Philharmoniker

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」【名盤・おすすめ】

マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 😍

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」 マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 2017年 Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 Michael Tilson Thomas San Francisco Symphony 
メゾ・ソプラノ:サーシャ・クック Sasha Cooke テノール:ニコラス・パン Nicholas Phan バス:ルカ・ピサローニ Luca Pisaroni 

★ 愛の場面と、愛の妖精マブのスケルツォを抜粋して掲載します。軽やかで美音で綴られる演奏です。

出典:YouTube Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 San Francisco Symphony Provided to YouTube by SFS Media

ジェームズ・レヴァイン ベルリン・フィル 😊

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」ジェームズ・レヴァイン ベルリン・フィル 1996年
Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 James Levine Berliner Philharmoniker
メゾ・ソプラノ:アンネ=ゾフィー・フォン・オッター Anne Sofie von Otter テノール:フィリップ・ラングリッジ Philip Langridge バス:ジェイムズ・モリス James Morris RIAS室内合唱団
★ YouTubeにおいては掲載されていませんでした。

ベルリオーズの劇的交響曲「ロメオとジュリエット(Roméo et Juliette)」は、1839年に作曲されています。大編成の楽曲で、オケにプラスして独唱、合唱付きです。最初に聴いたときは、まるで、オペラ~ おまけに、フランス語で、めんくらってしまいました。ベルリオーズって、ベートーヴェンのちょっと後の人なのですが、一足飛びに飛んだ感じの楽曲で斬新です。また、ベルリオーズのロメジュリは、長大すぎて~ この楽曲の特徴や良さを説明するには、手に余りますね。これはストーリーと音楽をマッチングさせてみないとわかりづらいですね。別項で、ムーティさんとフィラデルフィア管弦楽団の演奏をもとに、ストーリーに沿って聴いてみようと思います。

ジョン・エリオット・ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック 🤨

ベルリオーズ 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」ジョン・エリオット・ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック 1995年
Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 John Eliot Gardiner Orchestre Révolutionnaire et Romantique 

端正な演奏だと思うのですが、あまりイメージが膨らまないうちに終わった感じです。長い楽曲なので~ ちょっと困っちゃった感じです。HMVの解説から引用させていただくと「ロメオとジュリエット」には、1839年にパリで初演された際のオリジナル版と、それを踏まえて7年かけて手を加え、1846年にプラハで演奏した改訂版のふたつのヴァージョンが存在します。

通常は、ベルリオーズ自身による最終稿である改訂版が用いられていますが、ガーディナーはこのセットで、追補として、オリジナル版からの音楽も収めているほか、未完で残された第2プロローグをオリヴァー・ナッセンの編曲で収録しています。とのことでした。あまりにも専門的になるので、ここでは割愛させていただきます。出典:YouTube Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17 / Part 1 – Introduction Combats – Tumulte-Intervention

シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 😘

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1985年
Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 Charles Dutoit Orchestre symphonique de Montréal
コントラルト:フローレンス・クイヴァー Florence Quivar  テノール:アルベルト・クピード Alberto Cupido バリトン:トム・クラウゼ Tom Krause モントリオール合唱団ほか

デュトワさんの演奏は、録音状態が良いし、煌びやかな金管の音が魅力的です。躍動感があり、とってもイメージは膨らむのですが、聞き込まないと難しい楽曲かもです。出典:YouTube Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17 – Part 1 – Introduction モントリオール交響楽団 – トピック フローレンス・クイヴァー – トピック トム・クラウゼ – トピック Alberto Cupido – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 😘

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1984年
Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 Riccardo Muti Philadelphia Orchestra
ソプラノ:ジェシー・ノーマン Jessye Norman テノール:ジョン・エイラー John Aler バス:サイモン・エステス Simon Estes 
出典:YouTube Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79, Pt. 1: Introduction – Combats, tumulte, intervention du Prince リッカルド・ムーティ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics 

小澤征爾 ボストン交響楽団 😘 

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」小澤征爾 ボストン交響楽団 1975年
Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17, H. 79 Seiji Ozawa Boston Symphony Orchestra

コントラルト:ユリア・ハマリ Júlia Hamari テノール:ジャン・デュプイ Jean Dupouy バス:ジョゼ・ヴァン・ダム José van Dam ニュー・イングランド音楽院合唱団 出典:YouTube Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17 / Part 1 – Introduction 小澤征爾 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」【あらすじ】

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」の楽曲を、ストーリーに沿って聴いてみようというコーナーです。いつもは、ぼーっと聴いていたのですが、一念発起して、曲とストーリーをマッチングさせてみました。指揮者の方って、ホント大変ですよね。このマッチング作業を、アタマのなかでしておられるんだと思います。頑張って聴いてみましょう!

◆ 第1部 イントロダクション 序奏部


1  争い、騒動、領主の仲裁 管弦楽のみで演奏される。モンタギュー家とキャピュレット家の対立を描くヴィオラの主題が、次々に他の楽器によって対位法的に受け継がれ、トゥッティに至るまで重ねあわされたのち、ホルン、トロンボーン、オフィクレイドによるユニゾンで奏される「領主の仲裁」(「威厳をもって、すぐに少し遅く、レチタティフ風に」)の音楽へと移るもの。

2  プロローグ コントラルトと小合唱「眠っていた古い憎しみが」
朗誦風の合唱が、物語のあらすじを語る。後に登場する「ロメオひとり」「キャピュレット家の饗宴」「愛の場面」の主要テーマが、木管と弦楽器によって提示されるもの。

3  ストロフ(詩節) コントラルト 「忘れようがない はじめての熱狂よ」
コントラルトが、ハープの伴奏とともに、ロメオとジュリエットの愛を、次の一節を含んだテクストを歌って讃える。「初恋よ、お前はどんなポエジーよりも高く舞い上がるのではないだろうか?あるいはお前は、人間の世界へ追放されたポエジーそのものではないのか、シェイクスピアひとりがその最高の秘密を知り、天国へ連れて行ってしまったポエジーでは?」

4  レシタティーフとスケルツェット テノールと小合唱 「まもなくロメオは物思いに沈みこんで」
テノールと小合唱「マブよ、夢のお遣い」 テノール・ソロが、幽玄な管弦楽法に乗って「夢の使いマブ」の悪戯を軽やかに歌うもの。小合唱「やがて死が統べ括り」では、合唱が、ロメオとジュリエットの死と、両家の和解を予言する。

◆ 第2部 ロメオただ一人・・・

5  ロメオただ一人、哀しみ、遠くから聞こえてくる音楽会と舞踏会、キャピュレット家の饗宴 ヴァイオリンの半音階的な旋律によって開始され、幻想交響曲第3楽章「野の風景」に通ずる、田園的な音楽によってロメオの孤独を描きます。

「遠くから聞こえてくる音楽会と舞踏会」では、次の「饗宴」で繰り返されるリズム動機が、ティンパニーと、タンバリンの最弱音により繰り返されるもの。チェロのピツィカートによって伴奏されるオーボエ・ソロ、テンポを速め、キャピュレット家での「饗宴」の音楽が華やかに始まります。ヴァイオリンによって提示された主題は、「遠くから聞こえてくる音楽会と舞踏会」の主題と組み合わされるもの。

◆ 第3部 「愛の場面」

6  静かに晴れた夜~音もなく人影もないキャピュレット家の庭~キャピュレット家の若者たちが、宴の間を出て、舞踏会の音楽を思い思いに口ずさみながら通り過ぎる。という場面です。饗宴の余韻を味わいながら家路を行く、キャピュレットの若者たちの口ずさむ歌。「それでは、キャピュレット家の方々、ごきげんよう 紳士諸君、さようなら!ああ、なんと素晴らしい夜」

愛の場面 交響曲全体の緩徐楽章に相当し、有名なバルコニーのシーンが管弦楽によって描かれる。息の長い主要主題がホルンとヴィオラのユニゾンにより提示され、レチタティーボ風の楽想や、自由な変奏を経ながら何度も現われ、次第に高揚していくもの。

◆ 第4部 「愛の妖精の女王マブ」

7  愛の妖精マブのスケルツォ
管弦楽法の創意工夫が顕著な、軽やかで急速なスケルツォ楽章です。

◆ 第5部 「ジュリエットの葬送」

◆ 第5部 「ジュリエットの葬送」
1  キャピュレット家の合唱「花を撒け、みまかれる処女のために!」
チェロによる長大なフガート主題が、他の楽器へと次々に受け継がれるもの。背後で、合唱が、ジュリエットの葬送を歌います。「永遠の眠りについた乙女のために花を撒け!われらが愛する妹を墓へ送ろう!」
全体にわたってE音が、印象的に反復されるもの。

◆ 第6部 「キャピュレット家の墓地におけるロメオ」

◆ 第6部 「キャピュレット家の墓地におけるロメオ」 管弦楽のみです。
2  祈り、ジュリエットの目覚め、忘我の喜び、絶望、いまはの苦しみと愛しあう二人の死 激しく急速な楽想と、緊張感に静まりかえったような楽想とが、頻繁に移り変わり、サブタイトルに記された「忘我の喜び、絶望、いまはの苦しみと愛しあう二人の死」を描写します。クラリネットソロによる。調性感の希薄な断片的な旋律、フェルマータを伴う全休止が多用された、極めて劇的なコントラストに富んだ楽章です。

◆ 第7部 終曲

◆ 第7部  終曲
3  人々は墓地に駆けつける モンタギュー家の人々の合唱「何だと、ロメオが戻った。ロメオが!」金管楽器のフォルテと、弦楽器のピアニシモが同時に導入する特徴的な開始されます。モンタギュー家、キャピュレット家、両家の合唱が初めて同時に登場し、ロメオとジュリエット、二人の死に衝撃を受ける。

4  ロランス神父と合唱 「かわいそうな御子たちを悼んでわたしは泣く」
ロランス神父のレチタティーフとアリア ロランス神父と合唱「わたしが不思議をといて進ぜよう」ロランス神父が、許されない愛に苦しむジュリエットを助けるために薬を飲ませて、死を装ったこと、ジュリエットが亡くなったと勘違いしたロメオが傷心のあまり自ら命を絶ったこと、目を覚ましたジュリエットが後を追って旅立つこととなった顛末を説明するシーンです。

「喧騒」の主題が合唱で歌われ、モンタギュー家、キャピュレット家は互いに罵倒しあいます。ロランス神父の祈り ロランス神父、合唱「黙りなさい」
「黙りなさい。あれほどの愛を前に、激しい憎悪をぶつけ合うとは」というロランス神父の声をきっかけに両家の合唱は和解のトーンを見せます。そして、二人の愛の奇跡を讃え合い、その「運命に涙せずにはいられない」と歌うもの。

5  和解の誓い ロランス神父と合唱:「では誓いなさい。神聖な御印にかけて」
最後に「両家は未来永劫にわたって、愛と友情の絆を結ぶ」と誓う。「我々は金輪際、遺恨を捨て、永遠の友誼を、皆で誓い合うのだ!」と。ここでは、小合唱(3声)、キャピュレット家の合唱(3声)、モンタギュー家の合唱(3声)、計9声の合唱、ロランス神父、管弦楽が加わり、荘厳な音響をもって、全曲を結びます。

声楽が用いられるのは、第1部と第4部の「ジュリエットの葬送」およびフィナーレで、残りの部分は、自由に情景を取捨選択し、標題音楽として、器楽のみで表現されています。声楽が用いられる際も、ロメオ役、ジュリエット役、といった中心的な登場人物は登場せず、物語の語り手を兼ねる小規模の合唱、コントラルト、テノール、キャピュレット家とモンタギュー家の大規模な合唱、ロランス神父とで、ストーリーが進みます。

斬新な管弦楽法は、特に、第4部「マブの女王のスケルツォ」で、名人芸的なパッセージを、ナチュラル・ホルンに要求しています。また、前衛性が際立っている部分としては、第6部「キャピュレット家の墓地におけるロメオ」で、フェルマータを伴った全休譜による頻繁な休止、一時的に無調を思わせるかのような和声、強弱の突発的な変化、断片的で意外性に富んだ構成など、当時としては実験的ともいえる響きが頻発します。もしよろしければ、再度、該当する項目に戻って、聴いてみてくださいね。全部で、七つに分かれており、演奏時間は、約93分です。(お疲れさま~でした!)

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」【解説】

ベルリオーズの劇的交響曲「ロメオとジュリエット」(作品17(H.79))は、1839年に作曲されています。「合唱、独唱、および合唱によるレチタティーヴォのプロローグ付き劇的交響曲」(symphonie dramatique)と銘打っているとおり大編成のオーケストラに、独唱、合唱をともなう大規模な楽曲です。タイトルどおり、シェークスピアの「ロメオとジュリエット」を題材としています。7部から構成され、演奏時間は約1時間半という長大さ。ストーリーについては、Wikipedia をご参照ください。

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」【ディスク情報】

1975年 小澤征爾 ボストン交響楽団 G
1984年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 EMI 
1985年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec
1995年 ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック Ph
1996年 レヴァイン ベルリン・フィル G
2017年 マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 SFS


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